京太郎「ミーはおフランス帰りざんす☆」   作:狗頭郎

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K-03 Il pleut des hallebardes.

「先生、タコス!」

「先生はタコスじゃありません」

 

まるで小学生のような問答をしやがって。見た目だけでなく頭の中もお子様か。

――片岡優希。

よくわからん語尾と、猫蛇セアミィのアクセサリーを身に着けた、ネリーみたいな体型の娘だ。

要するにお子様体型。俺の守備範囲の圧倒的外側。パンチラも裸もノーセンキュー。

速攻を得意とし、東場では無類の強さを発揮する。が、その分南場での失速が半端ない。

あとやたら「タコ」と付く食べ物が好きで、それがないと力が出ないらしい。

 

「いや~ん、そんなイケズな事言わないでよ、アナタ。

 はやくアナタのステキなものをちょ・う・だ・い」

「おいバカやめろ。冗談でもそういう事言うな」

 

どこに明華の目があるか分からんのだぞ!バレたらお前の命と俺の下半身があぶねーぞ!

 

『東京都内で起きた発砲事件ですが、犯人は依然として捕まっておらず、警察は付近の住人に…』

 

不意に流れてきたニュースの内容に、俺は優希にタッパーを差し出しすぐさま距離を置いた。

ちょっと眩しいなー。カーテン閉めとくかなー。

 

因みに、優希に渡したのは自作のタコスもどきだ。

切れ込みを入れたバゲットに、レタスとタコミート、トマトと玉ねぎ、アボガド、青唐辛子で作ったサルサとチーズをたっぷり挟み込んである。

タコミートにもサルサにも、コリアンダーなどの香辛料を多めに使ってあるので、かなりスパイシーな仕上がりだ。

本当ならトルティーヤで包みたかったが、良いコーン粉が近場に売ってないので妥協した。

うーん、誰か売ってる店知らないかなぁ。

 

「嶺上開花自摸、タンヤオ、三槓子。12000」

ドラ:{■3中①①■■■}

{六七} {⑤⑤⑤横⑤} {四■■四} {5■■5} {五} 

 

なんて無駄にタコスに思いを馳せていたら、宮永の和了が染谷に刺さった。

また嶺上開花か。そして相変わらずのプラマイゼロ。

順位は宮永、竹井、原村、染谷という結果だった。

染谷は最後の最後に宮永の嶺上開花に捕まったのが痛かったな。

原村も原村で、竹井の悪待ちに良いように翻弄されちまったようだ。

 

「っ…!」

「の、和ちゃん!?」

 

ガタン、と大きな音をさせながら立ち上がった原村が、そのまま出口へと駆けていった。

静止の声も聞かず、そのまま飛び出していった和を追いかけようとした宮永。

しかし、追いかけることが出来ず、結局伸ばした腕をスゴスゴと下げてしまった。

麻雀やってる時は鬼のような奴なのに、ネト麻と普段はほんとヘタレだな。

 

「きふぉうふひひふふぉひまふぇふぁふぉふぉふぁふぉっふふぃふぁいふぁふぉ」

「食ってから喋れよ」

 

バル●ン星人みたいになってんじゃねーか。

 

「うーん、良かれと思って靖子に凹ませてもらったけど、少しやり過ぎたかしら…」

「何してんだよ…。ちゃんとフォローしとけよ?」

「あら、先生こそ部活中に抜け出した生徒を連れ戻すべきなんじゃないの?」

 

面倒事をコッチに押し付けようとしてやがるな? この悪女め。

宮永に頼めよ。最初に煽りすぎたせいで、未だ俺は原村に嫌われてるってーのに。

がしかし、面倒臭いが放っておくわけにもいかねーか。

あんまり関わらないようにしときてーんだけどなー。

 

「ぶちょー、備品の買い出しに行ってくるわー」

「はーい、いってらっしゃーい。ついでにこのリストの物も買ってきて下さいねー♪」

「ふぁふぉふふぉふぁっふぇふぃふぇふぉふぃーふぉ」

 

まだ食っとったんかバ●タン!どーせタコスって言ってんだろ!

 

 

 

「こんなところにいたのか」

 

結果として、原村はあっさり見つかった。

学校から少し離れた公園。そのベンチに腰掛け、彼女はぼーっと空を眺めていた。

 

「…先生こそどうしてこんなところに?」

「俺はコーン粉を探してるだけだ」

 

両手の買い物袋が見えるだろ?あとそれ1つでリストは終わるんだよ。

あと、今明らかにガッカリしたな?来たのが宮永じゃなくて思いっきりガッカリしたよな?

原村の反応をあえて無視し、俺はベンチの隣まで移動した。

流石に隣に座るほど厚顔ではない。むしろベンチ側に移動しただけで少し嫌がられて凹んだ。

 

「…原村…お前、昨日雀荘に行ったみたいだな」

「…えぇ、咲さんと一緒にm「原村」

 

少し強めの口調で名前を呼ぶと、原村はビクリと身体を震わせた。

手を強く握り込み、俯いたままこちらを見ようともしない。

 

「染谷の家の話じゃない、その後だ。お前、レート麻雀打ちに行っただろ?

 バレたら大会どころじゃ無いぞ。

 それに、そんな場所にひとりで行って何かあったらどうする気だ」

「…先生には関係ありません」

 

血が出そうなほど唇を噛み締めた彼女は、絞り出すようにそう答えた。

いや、大会云々は俺にも関係あるんだけど…。俺、一応顧問だよ?

原村は優希と違って頭の良い娘だ。こんな事をすれば、どうなるか十分理解している。

それでも、そこまでしなければならないほど追い込まれてしまっていたんだろう。

 

「何をそんなに焦ってるんだ?」

「関係ないって言ってるじゃないですか!」

 

血を吐くような声を上げた原村は、脇目も振らず公園の外へと走り出していった。

うーむ、追い込みすぎたかな。

ペットボトルを投げつけて気絶させても良かったが、ケガさせそうだし止めておこう。

まぁ上手く行くとは端から思ってはいなかったし、次の手を打つとするか。

 

「……あ、すいませんお嬢、頼んでいた例のやつの準備をお願いします」

 

さて原村、俺は忠告したからな?

痛い目に遭っても、自己責任って事で勘弁してくれよ?

 

 




うっかり投稿してしまった…。
タイトルの直訳は『斧槍が降る』。
スプラッタというわけでなく、土砂降りの表現らしいですよ。
気がつけば清澄は原村ルート。
あと、そろそろ死人が出る予定。

それと、落描きで描いたうちの京太郎のイメージ画。

【挿絵表示】

だいたいアニメ版を元にしてます。
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