タイトルが日本語なので、今回の主観は長ドスでこメガネです。
「まさか京太郎があれほどの打ち手だったとはな。
明華が打たせたがった理由もわかる」
興奮冷めやらぬ室内。しかしその中心人物であった2人はすでにいない。
現在部室に残っているのは、ネリー、メグ、慧宇、そして私の4人。
渦中の人物である京太郎は、さっさと明華に連れて行かれてしまった。
「技術面は素人同然といったところでシタ。しかし、見ていて面白い打ち手デス」
「賭場での同卓はご遠慮願いたいですね。あんな打ち方でムシられるのは御免です」
メグ、慧宇の感想には納得できる。
確かに京太郎の腕前は、精々が中の中か、中の下といったところだな。
しかし雀士として、他人を惹き付ける力を持っているのも確かだ。
それは打ち回しといった技術ではない。彼の持つ天性の才能だろう。
そしてあの強運。ダブリーに続いて役満ツモとは恐れ入る。
「ネリー、お前はどう感じた?」
「もうなんか凄かった。バーって光ってて、こうガーッて感じ。
役満プンリーの時なんて、いつもサトハが卓上で振り回してる長ドスみたいなの見えたよ。
それに霧!キョウタローがリーチ宣言した瞬間、何か牌が霞んで見えた!」
おい、まるで私が何時も対戦相手に長ドス突きつけてる奴みたいに聞こえるじゃないか。
私はそんな狂人ではないぞ。明華と一緒にするな。
「確かに私も感じた。刀というよりは剣という感じだったが。
剣だけでなく戦斧や弓、盾といった雰囲気もあったな。
2人の勝負であったから、私とネリーは手牌を伏せてツモ切りのみを行っていたが、恐らくあの時だけに限り、京太郎が私達に放銃する事はなかっただろう」
「剣に弓、戦斧に盾、それに霧ですか。まるで【蚩尤】のような化物ですね。
ますます同じ卓につきたくないです」
どうやら慧宇の中で、京太郎は同卓したくない人間のトップにまで上り詰めてしまったようだ。
【蚩尤】。
中国神話に登場する三皇五帝の内、炎帝神農の子孫とされる、獣身牛頭、四目六臂の魔神。
全ての兵器の産みの親とも呼ばれ、戦の神、兵主神として崇められている。
かの神は81人の兄弟と魑魅魍魎を従え、黄帝へ反逆を行った。
それ故、この世で最初に「反乱」を生み出したとも言われている。
その存在は朝鮮半島に伝わり、後に牛頭天王として日本へと渡る。
そして牛頭天王は神仏習合により、日本に伝わるある神と融合をはたす。
その神こそが、剣の神であり、嵐の神である三貴神のひとり。
――建速須佐之男命だ。
案外、その辺も他人を惹き付ける力の遠因なのかもしれないな。
明華が言っていた以上に、京太郎は組織にとって使えるヤツかもしれん。
あまりの僥倖にほくそ笑んでいると、ふいに足音が聞こえてきた。
ヒールの甲高い音が近付いてくる。なかなかの勢いだ。コケるぞ。
続いて、部室の扉が乱暴に開く音が響いた。
2、3軍メンバーの挨拶が聞こえるが、足音の主はスピードを緩める気配がない。
足音の主―監督―はそのままの勢いで、1軍の部室へと滑り込んできた。
余程急いできたのだろう、普段のクールな姿は見る影もない。
その顔には大玉サイズの汗が流れ落ち、膝に手を付き大きく肩を揺らしていた。
「ぜぇ…ぜぇ…職員、会議で…遅くなったわ…はぁ…。
す…須賀君は?今日は…彼が、麻雀を、打つって…話だったけど…はぁ…まだ来てないの?」
「キョウタローならもう帰ったよ」
やばい。監督の動きが止まった。あんなにぜーはー言ってたのに。
すごい無表情でネリーを見てる。かなり怖い。ヤクザもびびる怖さだぞ。
あ、崩れ落ちた。膝から落ちたが大丈夫か?ゴッみたいな音したけど。皿砕けてないか?
やれやれ、これがかつては裏で名の通った打ち手とはね。
今の姿を見て、幾度もの鉄火場を潜り抜けてきた歴戦の猛者と見抜ける者は何人いるだろうか。
うわ、無表情のまま泣き出した。
今後、アレク監督は車イス生活を余儀なくされた。嘘です。
最初は、今回の話を8話として投稿しようと思ってました。
が、話の流れ的にイマイチだったので、急遽別の話を執筆。
ぶっちゃけ特に必要ない無駄話です。
ただ、どうしてもオチの下りを使いたかったので無理矢理投稿。
次回は恐らく飯テロ回。京太郎、明華とイクラを食す。以下有名なコピペ。
やめて!
明華の魅力で京太郎の理性を焼き払われたら、咏ちゃんとの縁で繋がってるアラフォーの婚期まで焼き払われちゃう!
お願い、死なないで京太郎(の理性)!
あんたが今ここで倒れたら、清澄や白糸台メンバーとのフラグはどうなっちゃうの?
理性はまだ残ってる。ここを耐えれば、明華に勝てるんだから!
次回「京太郎(の理性)死す」。夕飯スタンバイ!
まぁ実際に(理性)死ぬんですけどね。
あとがき書き忘れてました。
スサノオと蚩尤の関係は、そうだったら面白いな程度で読んでおいて下さい。
それと今回の京ちゃんは、一時的なパワーアップです。
今後の頑張り次第では強くなるんでないですかね。
タイプとしては、
スサノオ→対オカルト特化型。オカ持ちに素敵滅法強いが、オカルトのない雀士には弱い。
オオクニヌシ→連携タイプ。師匠や同じ部活の雀士との絆で強くなるタイプ。
蚩尤(牛頭天王)→バフ、デバフタイプ。自己を強化しつつ、同卓雀士の能力をゴリゴリ下げる。弱点はバフを無効化されると防御が薄いこと。
ヤマタノオロチ→オカルトのない雀士に対してめっちゃ強いが、その分オカ持ちには弱い。
こんなところですかね。
何処かで見たり聞いたりしたことある?はは、スサノオネタって時点でもうお察しですよ。
ただ、今回の京太郎は元ハンドボール選手なので、圧倒的に麻雀の経験が足りません。
そのため、オカルトは発現しない可能性があります。