●いちばんだいじなこと
本文でも以下の項目でも散々愛だの大好きだの言ってますが、この話はBLではありません。
むしろ恋愛要素がどこにもありません。
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●この話におけるトラファルガー・ロー(生前)のキャラクター解釈
▼一行で
ヤンデレと“D”と理屈屋をこじらせた、死にたがりのSAN値ゼロ狂人だよ!
▼詳しく
基礎となる本性はルフィと同等の【自分勝手】野郎かつ【頑固】者。“D”だから仕方ないね。
しかしそんな息子の将来を心配した両親は、自分たちが息子に向ける“愛”を引き合いに出しながら、他者との共存について念入りに教え込む。これによりローはそれなりの社会性と、弊害として過大な【愛情至上主義】、本性を抑制するための【自己欺瞞】を発達させていった。社会に適応するために好んで使うロジックは、【因果応報】と【医者としての誇り】である。
そして社会から弾き出された後、海賊としての在り方は、逆立ちしても【ドフラミンゴの教育】から抜け出せない。
故郷を滅ぼされた事で、それまでの価値観は崩壊するどころか逆に聖域と化し、ローの信念そのものとなった。
間違っているのは己ではなく世界の方。だから間違った世界は壊れるべきだ――間違って生き残ってしまった自分もろとも。全ての“愛”を奪われ、生きる意味を見失ったローは、かつての“愛”に縋って残りの命を捧げる事しか思いつかなかった。
一度はコラソンという新たな“愛”に、幸せな未来を見出しもした。だが手を伸ばした途端にまたしてもその“愛”は奪われ、より深まった絶望は最早、ローに二度と生への期待を取り戻させる事はなかったのである(※この時点でSAN値ゼロに)。
それからのローは『死に方を選ぶ』ためだけに生き足掻いていたが、ルフィを巻き込んだ結果、勢い余って生き延びてしまう。コラソンの本懐に殉じる死に方こそ最良と考えていたローには想定外の事態であり、もしかするとローが己の『生き方』を改める最後の機会かもしれなかった。
進むべき道に迷うローにとって、目の前のルフィは指針であった。けれど示された方向に、その文字盤に何と記すかはローの自由。
一つはこれまでと変わらぬ“死”。いずれ世界を引っくり返すだろうこの男の覇道の礎となるならば、それは有意義な『死に方』だ。
もう一つは三度目の“愛(※友愛だよBLじゃないよ)”。両親が産み育ててくれたように、コラソンが命をくれたように、死ぬしかないと思っていた己にこれからの人生を繋いでくれたルフィは、『愛=命=人生』という愛情至上主義を掲げるローにとって『愛をくれた』相手。その相手が共に生きようと望んでくれるなら、いつか夢見た未来を再び描く事も叶うだろう。
このローが選んだのは――“死”の方であった。
ルフィはあまりにも『都合が良すぎた』。コラソンがこだわった“D”であり、世界を引っくり返してくれる希望であり、ローの命を救ってくれた恩人であり……加えて、いつ死に瀕してもおかしくない無鉄砲さ。彼の道行きの傍らには常に死が見えており、ローはその死を肩代わりする手段を持っていた。
世界のため、コラさんのため、恩返しのため――幾つもの大義名分のもと、何はばかる事なく自殺できる。こんなに意義のある『死に方』はない、こんなに『都合の良い』相手はほかにいない!
そんな誘惑に抗えぬまま、このローは“愛”ならぬ打算によって、ルフィと進路を共にした。
このローがルフィへ真の“愛”を向けたのは、ロー自身の死後(※一回死んだので永久的狂気解除)。霊魂の状態でルフィの中から、その偉大なる生涯を見守るうち自然に湧きあがった想いだった(※ルフィの暴走を「見てるだけ」するうちに
そしてローの霊魂は並行世界へと流転し、そこで幼きモンキー・D・ルフィの精神の残滓を取り込んで変容する――。
▼そんなローに対して何か一言
ルフィ「トラ男は『仲間』だぞ! でも一発殴らせろ!」
ゾロ「男の死に様に対して他人が口を出すなんざ野暮ってもんだ」
ナミ「トラ男のバカアアァァァ!! ルフィのこと任せろって言っといて、あんたも生きて戻んなきゃ意味無いでしょ!?」
ウソップ「ほらァ! このおれのウソつきの勘が、あいつなんかやべーって言ってたんだよ!」
サンジ「ローお前よォ……そりゃ無いだろ……」
チョッパー「う゛あああぁぁ!! どらお、ごめんなぁ!! どらお゛の…こごろのビョーキ、おれわがんながっだ……!」
ロビン「そう……あなたはもう戻れなかったのね。私は間に合ったけれど、あなたは……」
フランキー「それがお前の選んだ道なんだろうが、ここまで人を巻き込んどいて挨拶の一つも無しとは、水臭ェ野郎だ」
ブルック「見えている穴に落ちるのを防げなかった……ルフィさんの信頼に応えられなかったのは私の力不足を痛感しますね……」
ジンベエ「わしにとっても恩人だが……遠慮などせず、一度正面からぶつかり合うべきだったのかもしれん」
ハートのクルー「なんでそこで! よりによって麦わら選んじゃったかなあぁぁ!! だいたいキャプテンは本当に(以下略)」
▼一言でおさまらないハートのクルーたちとの関わり
通常の海賊団における船長とクルーの関係と言うより、傍から見るとアイドルとファンクラブのような軽いノリの集団。……が、それは団内でメンタルケアを担当するシャチが発案した偽装であり、実際はローを何よりも優先する狂信者の群れである。
団立ち上げ時の二人と一匹は、その中でもローの少年期から見守ってきた『家族』。ほかのクルーたちはローが「おれの為に死ねる様(byドフラミンゴ流海賊団運営術)」になりそうな境遇の者のみを拾って集めた。必然的にSAN値やばい奴らばかりだったので、シャチとベポが頑張って精神分析した(その結果クルー総ロー信者化という洗脳状態に移行したとも言う)。
加入から日が浅いジャンバール含め、全員がローのためなら命を惜しまないが、ローが最も忌避しているのが自分たちが死ぬ事だと理解しているため、無理はしない。
ローを愛しているし、ローに愛されている事を知っていた。けれどロー自身がそれを認める事を拒否していたのも分かっていたし、下手につつくと衝動的に自殺に走られかねなかった。
ドフラミンゴとの対決は本当なら回避させたかったが、それなくしてはローが永遠に“死”の誘惑から抜け出す事もない(永久的狂気が解除されない)と理解していた。渋々ローの単独行動を了承した、準備段階でしかなかったはずのパンクハザードで海賊同盟が結ばれて、一気に詰みに入ったのは大誤算だった。
誤算が回り回ってドフラミンゴ打倒のロー生還というミラクルを達成したのにはクルー全員諸手を上げて喜んだ。
そのままローが自分たちの“愛”を認めてくれれば大団円だったのだが、センゴクの言葉に揺さぶられたローが事もあろうにルフィを標的に自己欺瞞&自殺願望続行してしまったので、上げた手を床につけてorzとなった。
その後はとにかくルフィが致命傷を負わないよう祈りながら同盟としての協力を続ける。
……祈りむなしく、ラフテルはローの最期の、本人にとってのみ最高の舞台となったのだが。
死と“愛”に焦がれ続けたローを知っているからこそ、「何故死んだ」でなく、「何故自分たちでなく麦わらの方を選んだ」という点を、最後の別れで責めてしまった。
▼ついでに可哀想()なドフラミンゴ
幼少のローの昏い瞳に、自身の過去を重ね見た。ただイエスマンとして傍に置くファミリーの者たちとは違い、完全なる自分の理解者としての在り方を求めて、自分のコピーとするべくローを育てる。
ところが順調だった教育は実弟の裏切りにより破綻。そしてそのコラソンを殺害した事で、自らの手でローの最後のSAN値を削り切ってしまったのがケチのつき始めであった。
加えてローは自己欺瞞からなる擬態が異様にうまく、特定のトリガーを引かない限りは全く正常にしか見えなかった。ローが既に狂っている事を見抜けなかったのが、ドフラミンゴが敗北した原因の一つである。
ローの狂人の理屈ではこうだ。
ローと“愛”を交わした相手は死んでしまう。ドフラミンゴはローに“愛(居場所や生きる術、つまり命)”を与えた相手であり、ローが“愛”を返して通じ合ってしまうと、ドフラミンゴは死んでしまう。だからローはドフラミンゴを生かすために、ドフラミンゴに反抗し続けなくてはならない。
どうせ誰とも生きて“愛”を交わせないのだから死にたいけれど、コラさんにもらった“愛(命)”を無駄にはできない。じゃあ無駄じゃない事に使って死ねばいい。必ず死ねる、無駄じゃない事。そうだコラさんの遺志を継いでドフラミンゴを邪魔しよう!
ドフラミンゴは裏切りを許さないから、ローを殺してくれる。ローが何をしても敵わないくらい強いから、ガンマナイフ叩き込んだって平気だし、麦わら一味と同盟して袋叩きにしたって大丈夫。ドレスローザの支配も解けたしコラさんに命をもらった成果は十分、さあそろそろおれを殺してくれ。
……こんな矛盾まみれの斜め下思考を想像しろとか無理である。
ドフラミンゴはローが狂人であるとは最後まで理解できなかったくせに、ローにドフラミンゴへの本気の殺意も憎しみも無い事だけは察してしまっていた。なまじ幼少時の優秀さを知るだけに、話が通じる相手だと思い込んでもいた。
それが最後までローの殺害をためらわせ、再び手元に呼び戻せるという期待を捨てさせなかった。
そして、損切りを決意した時には、既に遅かったのである。
●世界観や用語に関する捏造設定とか独自解釈とか
▼“D”について
血によって遺伝する資質。
性格は自分勝手で頑固なのが基本。
人だったり事件だったり、何かしらを引き付ける性質を持っている。複数の“D”が居合わせた場合、吸引力もどんどん累積する。
危機に陥っても『“天”運』に救われるが、“D”同士が対立した時には効果は相殺してしまう。