折れても再び立ち上がる 作:Seasoned Seaweed
「ちょっと、どうするの車長?盗み聞きばれちゃったよ」
「初心者ばかりのチームだからバレないと思ったのに...。でもまぁ38(t)ごときでシャーマンにタイマンを挑むだなんて馬鹿でしょ!負ける筈ないわ。相手の提案に乗りましょう。私たちを脅したことを後悔させてやる!」
大洗は初心者ばかりのチームだから、通信傍受を使ってもばれないと思ったのだが、もしかしたらさっきの通信の相手が経験者なのだろうかと考えながら、指定された地点に向かった。念のため指定された地点の100メートル先で停止して索敵をすると38(t)しかいなかった。
「車長、敵フラッグへ砲撃してもいいですか?相手はこちらに気づいてないですし、これで勝ちですよ」
「待ちなさい。このまま勝ったら隊長に迷惑をかけることになるわ。どうせタイマンでも負けないしこのまま約束通り向かいなさい」
そして、指定された地点に到着して砲撃しようとした瞬間、周りから敵車両が現れて一斉に攻撃を受けた。
「あいつらよくも騙したわね!とりあえず攻撃中止で逃げなさい!私は今から隊長に報告するから」
「だから言ったじゃないです!あの時撃ってれば勝ちだったのに」
本当は隊長に報告したくないが、さすがに援軍なしでは万が一ということもあるので、葛藤することもなくすぐに報告することにした。
「すいません、隊長。敵4両に見つかり追いかけられています。援軍お願いします...」
「ちょっとちょっと、話が違うじゃない。何で?」
「はい...。無線傍受が相手にバレて逆手に取られました...」
「ばっかもーん!!」
「申し訳ありません,..」
「戦いはいつもフェアプレイでっていってるでしょ」
「でも、こっちも脅さ...「言い訳しない!いいからとっとと逃げなさい。Hurry up!」
「イエス、マム!」
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作戦通りにサンダースフラッグ車を誘導したところまではうまく行ったのだが、奇襲がうまく決まらず、追いかけっこ状態になってある意味膠着状態になった。現状の大洗の練度では行進間射撃をしても当てるのは困難だし、当たっても有効打を与えられないの、距離を縮めるまで攻撃を停止した。すると、シャーマンのキューポラから相手の車長が顔を出し何か喚き始めた。しかし、距離も離れているし、エンジン音などで何を言ってるのわからなかった。
距離が縮まってきたので、みほが攻撃の指示を出した。
「目標との距離が詰まってきています。60秒後攻撃を再開予定。順次発砲を許可します。前方に上り坂、迂回しながら目標に接近してください」
「柚子、遅れるな」
「わかってるよ、桃ちゃん」
「頑張れ~」
「会長は芋食ってないで、早く砲撃準備してください」
攻撃を始めようとした瞬間、遠くからものすごい爆音が轟いた。
「今のは」
「ファイヤフライ、17ポンド砲です」
「4両だけ?」
「距離約5000メートル」
「ファイヤフライの有効射程は3000メートル。まだ、大丈夫です」
「アヒルさんチーム、そっちで相手車両確認できる?」
「はい!でも、やっぱり相手は4両しか見当たりません。どうしますか?」
「もうしばらくそこで、待機して相手が通り過ぎたら後ろから発煙筒を投げつけて。あとは思いっきりぶつかったり砲撃するなりして、とにかく相手攻撃に集中できないように全力で妨害して」
「了解!」
「こっちはどうする、みぽりん?」
「うさぎさんは後方をお願いします。カバさんと我々あんこうチームは引き続きフラッグ車を攻撃します」
後方から激しい猛攻を受けて徐々に砲撃が近くなり、ついにフラッグ車の護衛をしていたウサギさんチームが直撃を受けてしまった。
「うさぎチーム!怪我人は?」
「大丈夫です!」
「すみません。鼻の長いのにやられました」
フラッグ車の護衛がやられてしまい、撃破されるのも時間のうちとなってしまった。早く撃破したいと少し焦り始めたが、アヒルさんチームから通信が来た。
「こちらアヒルチーム。これより、敵部隊の妨害を開始します」
「了解。こっちも早めに撃破を狙うけど、できるだけ時間を稼いで
「了解!よし、このまま全速力で追いかけるよ!発煙筒を上のほうに準備して!あと、追いついたらファイヤフライから離れないで。そのほうが安全らしいから。根性で行くよ!」
「おう!」
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「隊長、後方から89式が向かってきます。すぐ後ろですけど撃ちますか?」
「相手のフラッグ車は剥き出しだし、89式じゃシャーマンは倒せないから無視していいよ。それよりフラッグに集中して」
「了解」
相手フラッグ防御を減らしてまでこちらに89式を向けるメリットはさほどないし、相手は初心者ばかりのはずだから気にしなくてもいいと思い、このまま攻撃させているけど少しだけ気になる。できたとしても妨害くらいだけど89式じゃ大したことできないしフラッグに集中しようとした矢先、後方から赤い棒が飛んできてファイヤフライが白い煙に包まれた。
「発煙筒!?ナオミ、前見える?」
「すいません、まったく見えません!」
「やられた。他の車両は蛇行して発煙筒回避して!2号車は89式を迎撃して!」
「イエス、マム!」
発煙筒を投げつけくるなんて面白い事をするな思いつつも油断していたことを後悔した。次飛んでくるタイミング見るためにキューポラから顔を出し後ろを向くと、バレーのサーブのように発煙筒を手で打とうとしていた。まさかそんなはずはないだろうと見ていたが彼女の手から放たれた発煙筒はケイのシャーマンのすぐ前に落ちて一瞬白い煙に包まれた。
「ちょっと嘘しょ!?あの子やるわね。3号車も発煙筒に注意しつつ89式の迎撃に回って!」
「すいません、こちらファイヤフライ。2本目の発煙筒を乗せられました。」
「oops!ナオミは一旦離脱して安全なところで発煙筒を落としてから復帰して」
「イエス、マム!」
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「攻撃の数が減ってきてるね。あっちは上手くいってるっぽいね」
「こちらアヒルチーム。ファイヤフライに2本目の発煙筒を乗せたら、敵本隊から離れようとしてるんですけどどうします?」
「2本目乗せたならとりあえずは大丈夫。敵部隊までの距離は?」
「あと、20メートルくらいです。あと発煙筒が2本しかないです。」
「了解。出来れば2本とも乗せて。可能であればそのまま横にへばりついて」
「了解」
戦車戦では非常に近い20メートルで砲弾を避け続けるアヒルチームもすごいが、行進間射撃とは言え、この至近距離で当てられないのは強豪校としてはどうなのかと少し思った。しかし、相手からの攻撃が明らかに減ったのは事実なので、今度はこちらが攻撃に集中しやすくなった。ここから反撃が始まる。