折れても再び立ち上がる 作:Seasoned Seaweed
何故ここに西住みほがいるのかわからなかったが、とりあえず指定された席に着いた。しばらくすると、西住みほが教室に入り、後ろの席に着いたので、私は後ろを向いて彼女に声をかけた。
「久しぶりね、西住みほ。私の事覚えてる?」
「え?なんで夏樹さんがここにいるの?」
「その台詞、そっくりそのまま返すよ」
「えっと........そ、それは........」
ガラガラガラ
「はーい、新学期最初のホームルーム始めるよー!みんな席に着いてー!」
このまま話しを続けることはできないので、あとで改めて聞くことにした。
しかし、彼女はホームルームが終わったら、すぐ帰ってしまったので、聞きそびれてしまった。仕方ないのでとりあえず、知っているとは思うが一応西住みほのことを報告するために生徒会室に向かった。
生徒会室に入り、彼女のことを報告すると、やはり知っていたようだった。
「西住ちゃんのことは知ってるよ〜。転校届私が受理したし、それに西住流の子で、すっごく戦車道強いんだよね〜」
「そうですね、彼女は強いです。西住流ならではの力強い戦車道をして、時折混ぜてくる、常識はずれの戦法をする、優れた指揮官でした。」
「それは心強いね〜。西住ちゃんの勧誘頼んだよ〜」
「まずは、会長ご自身が勧誘しに行くのが筋なのではないですか?1番困っているのは会長ですし」
「貴様!会長の言うことが聞けないのか!」
「かーしま、そんなに怒るな。夏樹ちゃんの言う通りだよ。明日行こう」
今日はもう生徒会室に用はないので一言断ってから退室した。おそらく会長は私の時と同様に脅迫まがいのことをするのだろうと思ったが、彼女なら大丈夫だろうから特に気にすることはなかった。
次の日学食へ行く途中に教室に財布を忘れたことに気づいて教室に戻ると、
「へい、彼女!一緒にお昼どう?」
西住が婚活戦士にナンパされていた。武部のやつ男にモテないから、女に手を出すのはどうなんだと一瞬考えたが、優しくて面倒見のいい武部のことだから、転校したばかりで緊張している西住を気遣って敢えてナンパっぽく声を掛けたのだろう。さすが、大洗のオカンだ。五十鈴は武部と違って、落ち着いた雰囲気で西住が緊張しないように誘った。
西住は戸惑いながらも武部の誘いを了承した。私は聞きそびれたことがあるから、
「婚活戦士〜私も一緒にお昼いい?」
「もう〜西住さんの前で婚活戦士って呼ばないでよ〜。で、どうする?西住さん」
「私も大丈夫です」
「じゃあみんなで食べよう!」
こうして、私達は学食へ行き、長蛇の列に並んだ。しばらく並んでいると、武部と五十鈴が西住に話しかけた。
「えへへ、ナンパしちゃった!」
「私達一度西住さんとお話してみたかったんです」
「え、そうなんですか?」
「だって、いつもあわあわしてて面白いんだもん」
「面白い...」
面白いと言われて、西住は若干へこんでいたが、武部が自己紹介しようとしたら、西住が武部の名前と誕生日言って、さらに五十鈴の名前と誕生日まで答えた。西住によると、クラスの人全員いつ友達になっても大丈夫なようにするために覚えたそうだ。でも、誕生日まで覚えなくてもいいだろうと思った。まあ武部達は喜んでいたからいいか。すると武部が
「じゃあ、涼の名前も知ってるんだ」
「うん。夏樹涼さん。5月23日生まれ」
「そもそも、私達中学の時何度か会ってるし」
「え!そうなの?2人はどういう関係なの!?」
「そのうち話す」
私は中学の時のことをあまり話したくなかったから、適当にはぐらかした。武部は少し不満気な顔をしたが、とりあえず見逃してくれたようで、今度は西住に名前で呼んでいいかを尋ねた。西住は友達みたいだと喜んで、お盆を持ったまま一回転し、危うくガッシャーンするところだった。その後4人で座れる場所を探して席に着いた。
「よかった〜友達ができて。私1人で大洗に引っ越してきたから」
「そっか〜、まあ人生色々あるよね〜。泥沼の三角関係とか、告白する前に振られるとか、5股かけられるとか」
「それ全部武部のことじゃん」
「全部私のことじゃないよ!」
西住が答えないから、五十鈴が家族の不幸か骨肉の争いとか遺産相続かと聞いたが、家族の不幸はあるかもしれないが、後の2つはないだろう。ていうか、五十鈴のやつ、よくそんなこと思いついたな。
やはり、武部達の推測は全て違うようで、肯定はしなかったが、答えを話したくないようだった。しかし、私は自分の推測を言ってみることにした。
「もしかして、黒森峰でなんかあったの?」
そう言った瞬間、西住の表情が強張った。多分、戦車道関係で何かあったのだろう。後は、自分で調べることにして、早く食べようかと促した。
その頃、生徒会室では何やら企んでいるようであった