折れても再び立ち上がる   作:Seasoned Seaweed

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大変お待たせいたしました。今回は文章中にチャットと会話文が出てくるのでチャットは『』で会話は「」で表記しました。

また、今回新オリキャラがでます。


仲間はずっと私を待っていた

『久しぶり、元気だった?頼みたいことがあるんだけど』

 

色々と葛藤し、何度も何度も入力しては消してを繰り返し、たったこれだけの文字入力するのに10分もかかってしまった。送信後しばらく何も反応のないスマホ画面を緊張しながらただ見つめていた。1時間しても反応がなく、もうみんなこのグループチャットを見ていないのかと諦めようとしたところ、先程送信したメッセージに既読になり、すぐに返信が来た。

 

『久しぶり、元気だよ。とりあえず大洗に行けばいいんでしょ』

『連絡遅いぞ。こっちはいつでも準備はできてるから』

『手続きとかで2回戦に間に合わないかも』

 

一年以上連絡していなかったし、まだ本題も話していないのに何故か私の頼み事がわかっているようだった。返信を待つ緊張感と相まってかなり動揺してしまい、何度もメッセージを推敲していたことも忘れてすぐに返信をした。

 

『まだ何も言ってないんだけど、何でわかるの?』

『サンダースが無名校に負けたって聞いたから気になって調べたら、涼の学校だったからまた始めたんだなって思って』

『それに涼ならどうせまた始めると思っていつでも行けるように準備してたよ。戦車乗ってたの雫だけだったけど、私たちも練習はしてたし』

『あとは、涼からの連絡待つだけだった』

『みんな何でそこまで...』

『涼が車長じゃないと、全力を出せないし』

『どうせ乗るなら涼が車長の戦車に乗りたいし』

『というわけで、私たちに何か言うことない?』

 

そう言われて、自分から本題を話していないことを思い出した。彼女たちの察しの良さに動揺していたがそろそろ落ち着いてきたため改めて本題を話すことにした。

 

『皆の反対を押し切って辞めたのにどの口が言うのかって思うかもしれないけど、もう一度だけ私と戦車に乗ってほしい』

『もちろん!』

『おk』

『いいよ』

『みんな...ありがとう』

『それで、私たちの乗る戦車はあるの?89式使ってるし5両しかないので察しはついてるけど』

『お察しの通りない』

『戦車は私が手配するね。”あの子”でいいでしょう?』

『最初からそのつもりだったよ』

『やったー!また”あの子”に乗れるのか』

『そうだね。私たちはすぐに転校手続きするから待ってて』

『わかった。生徒会長に頼んですぐに受け入れできるように手配するね。それじゃ』

 

かつての仲間の協力を得られてホッとしつつも緊張から解放されて疲労感に苛まれた。それと同時に、彼女たちは私が戦車道に復帰することを信じて待っていたことに、申し訳なさと嬉しい気持ちになった。

 

翌日すぐに会長に報告するために生徒会室に赴いた。

 

「会長、昨日の件ですけど、近々3名の転校の申請があると思います。スムーズに手続きを進められるように手配をお願いします。あと、“大きな荷物”の学園艦への搬入の申請もあるのでそちらもよろしくお願いします」

「はいよ〜。上手くいったんだね。ありがとね。それとね、小山と五十鈴ちゃんが書類を整理してたらね、この艦にまだ戦車があるみたいなんだよね」

「この書類なんだけど、見てもらえる?」

「いいですよ。......こっちは兎も角、何でこんなレア戦車がうちにあるんですか?」

「そんなに珍しい戦車なのか?それで、強いのか?」

「そうですね、戦車道の試合で見かけることはほぼないですね。足回りに難があり過ぎて碌に使えないので。ただ、火力だけで見ればうちのどの戦車よりも優秀ですね」

「なるほどね〜。要するに、足回りさえどうにか出来ればうちの最高戦力になり得るって事だよね」

「そうですね。そして、うちには、その足回りをどうにか出来る人達がいますよね」

「そうだね。発見次第自動車部に連絡してね。明日みんなで探すからよろしく~」

 

次の日練習を休止し、全員で戦車を探して、沙織とうさぎチームが遭難したこと以外は何も問題なく戦車を見つけることができた。見つけた戦車はルノーB1bisとポルシェティーガー、またIV号戦車に搭載可能な長砲身の43口径75 mm砲の2両と1つの武装だった。ポルシェティーガーは艦の下層部で見つかった上に状態もよくはなかったので準決勝にも間に合わないかもしれない。一方ルノーや75mm長砲身は2回戦には流石に間に合わないが、準決勝には十分間に合う。幸い2回戦も1回戦と同様に10両までしか出場できないため、とりあえずは5両でも決定的な戦力差にはならない。

 

また、次の相手はアンツィオ高校に決まり、使用車両が予想通りのCV33とセモベンテだったので、数的不利はともかく車両性能ではそれほど大きくない。噂によると新戦力を導入したようだが、アンツィオの資金力だと1両が限界だと予想されるので、油断はできないがサンダースの時ほど苦戦を強いられる可能性はそれほど高くないだろと涼は考えていた。

 

ただ、どの競技にもいえることだが相手の情報を知ることは非常に重要なことである。アンツィオの戦力がそれほど高くないとはいえ、新戦力という不確定要素を明らかにしておきたいと考えていた。しかし、アンツィオに知り合いなんていないし、もちろんハッキングなんてできないから、どうやって情報を手に入れるかを悩んでいると、秋山に声を掛けられた。

 

「夏樹殿、どうかされましたか?何か悩んでいたようでしたが?」

「噂のアンツィオの新戦力が気になって。イタリアの車両だと少ないからある程度予想できるけど全然違う国の戦車を導入してるかもしれないから、少し不安でね」

「それなら偵察すればいいんじゃないですか?確かルール上認められていましたよね?」

「まぁ一応認められてるけど...でも、形振り構ってられないか。私明日アンツィオに行ってくるよ。バレないように頑張るね」

「私に任せてください。それに副隊長が抜けると練習や指揮に問題が発生するかもしれません。私に任せてくれませんか?」

「確かにその通りだよね。それに秋山なら戦車に詳しいしより詳しい情報を入手できそうだね。お言葉に甘えてお願いしようかな」

「了解であります!まっかせてください!」

「一応会長には話して公欠扱いにしてもらうから安心して」

「ありがとうございます」

 

翌日、彼女はアンツィオ高校へと潜入するのだった。

 

 

 




涼の以前のチームメンバーを3人登場させました。一人だけ下の名前が出てますが、名前は後々登場するのでその時まで待ってください。

あと次回こそ早く投稿出来たらいいな...

ps UA10000越えました。ありがとうございます!

追記:1/19 優花里のアンツィオ潜入について少し内容を変えました。執筆間隔があきすぎてサンダース戦ですでに潜入済みなのを完全に忘れていました。お詫びして訂正し、内容も少し変更しました。
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