折れても再び立ち上がる 作:Seasoned Seaweed
割と無理やり時間作って書いたので誤字脱字あるかもです
あとシトナイちゃんお迎えしました。可愛いですね
河島さんが痺れを切らして先に撃ってしまったため、追いかけっこになっている。辛うじて速度で優っているためほんの少しづつ距離は離れてきているが、砲撃はどんどん正確になってきていくら行進間射撃とはいえ、そろそろ当たりそうになってきた。
どうやって倒すか考えるために地図を見ると次のカーブを曲がったらしばらく直進になるようだ。直進になると狙いやすくなって危険だが、私はここで決めることにした。
「ここを曲がったらアクセル全開でしばらく走ってから反転して、私の合図山の中の入って背面に回りこんでください。ここで決めます」
この作戦は成功する可能性は低いというのは確信しているが、このままやられるよりはマシだ。しかし、やられるつもりは一切ない。何度も言うが相手は初心者だから、全速力で向かってくる戦車に焦ってミスをしてくれる可能性があるのでうまくいけば十分撃破できるはずである。
カーブを曲がり直進に入ってしばらくすると道の左端の方に少し大きな岩が落ちていた。私はそれを見てある作戦を思いついた。はっきり言ってかなり無理がある作戦だがうまくいけばみほでさえ出し抜けるはずである。
「作戦を変更します。説明している暇はないのでとりあえず指示通りに動いてください」
「りょ~か~い」
「次の砲弾を躱したら反転して、私の合図で右に寄ってください」
そして、辛うじて砲弾を躱して若干ドリフトっぽく反転して再び走ってきた道を全速力で逆戻りした。すると、Aチームは停車してじっくり狙いを定め始めた。そして、私は撃ってくるタイミングを見極めて指示を出した
「小山さん!合図で右に寄って岩に片輪だけ乗せてください!」
「え?何するの?」
「いいから指示に従ってくださいい。上手くいけば勝てます。3、2、1はい!」
合図で右に寄った瞬間にIV号が放った砲弾が砲塔の左側を飛んで行った。うまく片輪だけ岩に乗ることができた。全速力で片輪だけ岩に乗せるとどうなるか、岩に乗せたほうの履帯が宙に浮き、片輪走行になる。
「え!すごい!戦車で片輪走行なんて初めて見ました!」
「急いで次弾装填!砲塔も後ろに旋回して下さい!」
「うわぁぁぁ!傾いてるよぉぉぉ柚子ちゃぁん!」
「落ち着いてください!このまま左側を抜けます。片輪走行なのでぶつからないはずです。河島さん急いで砲塔を後ろに旋回してください。小山さん、IV号と行き違う少し前から減速して背面に来たら停車してください。停車の際すごく揺れると思うので気を付けてください。」
IV号とぶつからずに行き違い背面、IV号の後方1mほどのところに停車することができた。この距離なら確実に撃破できる。
「車体も旋回してください。間に合いません」
「了解」
「河島さん撃て!」
これで勝ったと思ったが、38(t)が放った砲弾はIV号には当たらなかった。
「桃ちゃんここで外す~」
「全速ぜっ…」
私が全速前進と言い切るまでに砲弾が直撃し、白旗が上がった。
「DチームM3、Eチーム38(t)、CチームIII号突撃砲、Bチーム89式、いずれも行動不能。よってAチームIV号の勝利!」
「わ、私達勝っちゃったの?」
「...みたいです」
「すごーい!西住殿のお陰です!」
「Eチームの最後の攻撃が当たってたら負けてただろうな」
また、負けた。今回は私の作戦ミスが原因だ。いきなり片輪走行させ、着地の衝撃に動揺したなかで撃たせるのは初心者には困難なことだ。以前のメンバーの時と同じような指示を出しても出来るはずがないのにそのような指示を出してしまったのは、私のミスである。やはり,一時期戦車道から退いていたとはいえ、体にはしっかりとあの時のメンバーとの戦車道が染み付いていてなかなか消えないようだ。
しかし、初乗りで片輪走行をして完璧な位置に停車した小山さんの操縦技術はなかなかのものだ。もっと練習すれば、強豪校の幹部クラスの操縦手にもなれるかもしれない。
「すいません、会長。以前のメンバーに出していたような指示を出してしまいました。初心者にはかなり厳しい指示だったと思います。ですが、初めてでこれだけ戦えたら十分だと思います」
「気にしなくていいよ〜。思ったよりは上手く動かせて良かったよ」
校庭へ戻ってきて、色々片付けなどを済ませると蝶野教官が練習試合の講評するから全員整列するように言われ、各チームごとに整列した。
「みんなグッジョブ、ベリーナイス!初めてでこれだけガンガン動かせたら上出来よ!特にAチームとEチーム 。よくやったわね。あとは日々、走行訓練と砲撃訓練に励むように。わからないことがあったらいつでもメールしてね」
「一同、礼」
「「「ありがとうございました」」」
授業が終わった後、会長に呼ばれて一緒に生徒会室に向かった。
「いや〜西住ちゃん強かったね〜。さすが、西住流だね」
「そうですね。私がもう少し上手く指示を出せたら勝てたかもですけど」
「最後かーしまが当てたら勝ってたのにね〜」
「まあ、初めてなんで仕方ないですよ。それで何か私に話があるんですよね?」
「うん。今日初めて戦車を動かしてみて思ったよりは出来たと思うし蝶野教官もそう仰っていた。だから練習していけばどんどん上手くなっていくと思うけど、あと3カ月で全国大会で勝てるレベルになれるかな?全国大会の試合を見たけど私じゃイマイチ力量差がわからなくてね」
「今のままだとトーナメントのあたりが良くて2回戦勝てるか勝てないかぐらいですね。そもそも戦車の性能があれなんで、いくら砲撃が上手くてもダメージが入らなければ倒せません。戦車の強化および新戦車の導入は必須だと思います。あとは実戦経験の少なさですね。実戦経験があるのと無いのでは大きく違ってきますから。ただまあ今の時期だとどこも練習試合受けてくれないでしょうけど」
「なるほど練習試合か〜。とりあえず虱潰しで申し込んでみるよ。今日はありがとね〜」
「失礼します」
私が生徒会室から出た後会長は戦車道チームがある学校に片っ端から電話を掛けるのであった