東方染水記   作:ナンモナイト!

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最近、SCP-3519〝静かなる日々〟の記事と解説を読んでびっくらこいた、ナンモナイトです。SCP認定されてから約3ヵ月でXKクラス発動とかマジ?

今回は、ヤリカたちが旧地獄に入ります。

それでは、最後までゆっくりご覧ください。


五十九話 ~地獄行きの切符~

~紅魔館 地下図書館~

 

 

パチュリー「スキマ妖怪に相談するわ...って」

 

「いつの間にかいたのね、スキマ妖怪。」

 

「あら、以外と早く気付かれたわね。」

 

 

パチュリーの背後から、件のスキマ妖怪...八雲紫が、スキマから上半身だけを出して答える。

 

 

リアクター『( ´・ω・`)!?』←今気付いた

 

「どこぞの白黒魔法使いじゃないんだから、不法侵入は止めてほしいものね。まあ、手間が省けて助かったけど。」

 

「それは結構ですわ。それで?さっき、私に相談したいことがあると行っていたけど、どんなことかしら?」

 

「...どうせ、さっきまでの話も聞いてたでしょう。」

 

「ええ、もちろん。」

 

「悪びれもなしとはね...それで、どうすれば良いかしらね?」

 

「そうねえ...本当は私が行きたかったけど、地底には地底の、幻想郷には幻想郷のルールがあるし、地底との仲も、良いとは言えないし、それに...」

 

「地上の妖怪が地底に行くのは、色々と問題があるのよね...」

 

「それじゃあどうするのよ?」

 

「...霊夢たちに行かせましょう。」

 

「博麗の巫女に?」

 

「ええ。さっき言ったように、私たち地上の妖怪が地底いくのは、問題がある。だったら、安直な考えだけど、霊夢たち人間に行かせれば良いのよ。」

 

「博麗の巫女の強さは知ってるけど...大丈夫なの?」

 

「だから私たちが、周りにバレない程度に遠隔支援する。そうすれば大丈夫よ。」

 

「...ま、方法はそれしかないか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

~博麗神社~

 

 

「ということで霊夢、魔理沙、ヤリカ。頼むわよ。」

 

「嫌。」

 

「...そういうと思ったわ。」

 

「分かってたんだったら聞かないでくんない?私たち今、レボリューションに、間欠泉を元に温泉宿作ってもらおうとしてたんだけど。」

 

「あの科学者に?」

 

 

紫はレボリューションという名を聞き、露骨に嫌な顔をした。それは、レボリューションが〝科学者〟だからだ。

 

 

幻想郷は、博麗大結界によって外の世界との繋がりを断ち、妖怪や神といった、外の世界では〝伝承〟〝作り話〟などに成り果てた存在と人間が、ある意味での共存を続けることで成り立ってきた。

 

 

紫はそこに、妖怪や神を伝承にした一番の原因である〝科学技術〟が入ってくるのを嫌うのだ。...一部、河童たちが凄い技術を持っているが、紫が承認したからノーカンだ。

 

 

レボリューションは科学者...それも2100年という、今から80年後の未来からやってきた科学者だ。

 

 

科学技術というのは、10~20年という短い時間でも、劇的に進化する。ついこの前まではあり得ないとされていた技術が、今ではこのくらい当たり前、ということもザラにある。

 

 

ましてや、レボリューションは80年後からやって来た。10年でも発達するのに、80年後だと、一体どれだけ進化しているのか...だから、嫌な顔をしたのだ。

 

 

「あら、嫌そうね。そんなにレボリューションが嫌い?まあ、理由は何となくわかるけど」

 

「わかるなら聞かないでちょうだい。...取り敢えず本題に戻るけど」

 

「博麗神社の近くに湧いた間欠泉から、怨霊が出てきているのは知ってるわよね?」

 

「ええ。」

 

「色々調べた結果、あの間欠泉から地底の妖怪が出現してくる可能性が出てきたわ。」

 

「......」

 

「地底の妖怪は、地上の妖怪より危険よ。それに、幻想郷のルールを知らない。もしそんなのが出てきたらたまったもんじゃないわ。だから...」

 

「...わかった、行くわよ。」

 

「あら、以外と素直に聞いてくれたわね。さっきは、嫌って即答してたのに。」

 

「そういうことなら話は別よ。それに、私たちだけで行くわけじゃないんでしょ?」

 

「...読まれてたわね。ええ、私たち妖怪が遠隔サポートするわ。霊夢には私が、魔理沙にはアリス・マーガトロイドが付くわ。」

 

「おお、アリスか!」

 

「紫が付くのか...」

 

「何よその嫌そうな顔は」

 

「あれ?俺は?」

 

《私が付きましょう!!》

 

 

突如、ヤリカから...正確にはヤリカの腕から、ヤリカではない、だが聞き覚えのある声が響く。

 

 

「れ、レボリューション!?どこから話してんだ!?」

 

《ここですよ魔理沙!ほら、ヤリカの右腕!》

 

「右腕?...あ、ヤリカの手首に、なんか腕輪みたいのが着いてる」

 

《私特製、最新型情報通信端末〝BTCCT(ベットカット)〟です!つい先日、ヤリカに装着させました!》

 

「レボリューション、あんた今、妖怪の山にいるんでしょ?離れたところの人とそれで話せるってこと?」

 

《そういうことです。通信以外も出来ますがね。》

 

「凄いなレボリューション...」

 

 

魔理沙が呆れ気味に呟く。

 

 

「取り敢えず、俺にはレボリューションが付くってことで良いのか?」

 

《その通りです。》

 

「なら決まりね。ほら、さっさと済ませてレボリューションに温泉宿作ってもらうわよ。で、どこから地底に行くの?」

 

(霊夢のやつ、温泉宿で稼ぐつもりだな...)

 

 

霊夢の目に一瞬だけ〝$〟の字が浮かぶのを見て、ヤリカと魔理沙は、心の中でそう呟く。

 

 

「妖怪の山の麓の〝地獄谷〟に入り口の大穴があるわ。そこから行きましょう。」

 

 

紫は、地獄谷に繋がるスキマを開く。

 

 

「相変わらず趣味悪いわねえ...」

 

「うへっ、気持ち悪いぜ...」

 

「なあ、スパジャン(スーパージャンプ)で行って良いか?」

 

《スーパージャンプより、スキマで行った方が約10%ほど速いですが...私はスーパージャンプで行くのをオススメします。》

 

「...いいから、早く行ってちょうだい...」

 

 

紫の精神に80のダメージ!

 

 

 

 

~地獄谷 地下に通じる大穴~

 

 

地獄谷の大穴。幻想郷に昔からある穴であり、人里の人間からは、地獄に繋がっているとか、地球の中心まで繋がる穴だとか言われている。まあ、前者も後者も、ある意味間違ってはいないが。

 

 

「これが入り口の穴か...そこが見えないな...」

 

 

ヤリカが穴を覗き込み、そう言う。

 

 

《簡易音響距離測定では...深度約60km!?上部マントル直前じゃないですか!》

 

「え?それなんかヤバいのか?」

 

《ヤバいなんてもんじゃないです!密度は1〜6g/cm,温度は400〜1500℃程度、少なくとも、生物が住める環境ではないんですよ!》

 

《しかも現在、世界一深い穴と言われているのが、コラ半島超深度掘削坑の12.262kmなので、その約5倍ですよ!?》

 

 

驚愕するレボリューションの声が、通信機(ベットカット)越しに響く。実際、地下60kmは超圧力と超高温の、生物にとってはまさに、文字通りの〝地獄〟である。

 

 

《しかも今から、その地下60kmにある空間に行くと...地下60kmに空間がある時点で信じられないけど、何て言うか、もう...》

 

 

レボリューションの中で、今までの常識がガラガラと音をたてて、崩れ去っていく。

 

 

「...よくわかんないけど、とにかくヤバいのはわかった。」

 

 

一方でヤリカは、そこまでピンと来ていなかったようだ。

 

 

「あら、確かに地下60kmの深さにあるけど、人間でも、住もうと思えば住めない環境ではないわよ?好んで住もうと思う人間は全くいないけど。」

 

《......。》

 

 

レボリューションはもはや答えない。おそらく、ヤリカの腕に着けたベットカットの向こうでは、口をあんぐりと開けたまま固まっているのだろう、とヤリカは思った。

 

 

一方の紫は、自身が嫌う科学者に一泡吹かせることができて、すこし嬉しいようだ。

 

 

すると魔理沙がヤリカを見て、思い出したように言った。

 

 

 

「そう言えば、ヤリカはどうやって穴の底まで降りるんだ?私たちは飛べるけど、ヤリカ飛べないだろ?」

 

「...あ、確かに」

 

「気付いてなかったのヤリカ...」

 

「うーん...ジェットパックは、60キロを降りるには稼働時間が足りないしな...」

 

「スーパージャンプとかゆうので行けないのか?」

 

「スーパージャンプは、仲間がいるところか、ジャンプビーコンがあるところじゃないと使えないんだよ...うーん、どーすっべか」

 

???『その問題、俺が解決しよう!』(クソデカヴォイス)

 

 

突如、何処からともなく、()()()()()()()()大声が響く。

 

 

「うおわっ!?なんだ!?」

 

ヤリカ「うるせーんだよワルド!驚かすな!」

 

 

ヤリカの背後に、突如ワルドが出現する。

 

 

ワルド「すまんすまん、つい驚かせたくなってな。」

 

ヤリカ「ったくコイツは...」

 

「それで?今ワルド、俺が解決しようって言ってたけど、どーすんだ?」

 

「霊夢と魔理沙に先に降りてもらって、それからヤリカを、瞬間移動で降ろしてやろうと思ってな。」

 

「おお、なるほど!頼む!」

 

「よし。そんじゃあ、二人は先に降りててくれ。」

 

「ええ、わかっt」

 

ワルド「と思っていたのか!?」

 

霊夢&魔理沙&ヤリカ「へ?」

 

 

するとワルドは、ヤリカの左足をガシッと掴んで大穴の上に浮かび、ヤリカを宙ぶらりんの状態にする。

 

 

霊夢「え?」

 

ヤリカ(ああ、なるほど...)

 

 

すると...

 

 

ワルド「ヤリカ、お前は最後に降ろすと約束したな」

 

ヤリカ「そっ、そうだワルド、助け...」

 

 

ワルド「あれは嘘だ」

 

 

ヤリカ「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ.......」(断末魔)

 

 

霊夢「......」

 

魔理沙「......」

 

紫「......」

 

ワルド「......」

 

ワルド「...(^ω^)」(満面の笑み)

 

三人「(´゚д゚)」(空いた口が塞がらない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

See you next time...




染水記裏話

ヤリカの父、ヤイカの左目の傷は、ジャッジくんにひっかかれて出来た傷だったりする(夜中にこっそり撫でに行ったらひっかかれた)。あと猫好き。


スプラ軍兵1「ヤイカ司令の左目、なんで傷付いてんのかなぁ」

スプラ軍兵2「噂だけど、強敵との一騎討ちで勝った時に負った傷らしいぜ。」

スプラ軍兵1「なるほど...名誉の負傷ってやつだな。く~っ、かっけえな~!」

ヤイカ(ジャッジくんのひっかき傷なんて言えん...)


小五ロrゲフンゲフン...さとり様たちが出てくるのは、次回あたりからですかね。

それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました。次回も、イカよろしくー!

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