今回は、ヤリカたちが旧地獄に入ります。
それでは、最後までゆっくりご覧ください。
~紅魔館 地下図書館~
パチュリー「スキマ妖怪に相談するわ...って」
「いつの間にかいたのね、スキマ妖怪。」
「あら、以外と早く気付かれたわね。」
パチュリーの背後から、件のスキマ妖怪...八雲紫が、スキマから上半身だけを出して答える。
リアクター『( ´・ω・`)!?』←今気付いた
「どこぞの白黒魔法使いじゃないんだから、不法侵入は止めてほしいものね。まあ、手間が省けて助かったけど。」
「それは結構ですわ。それで?さっき、私に相談したいことがあると行っていたけど、どんなことかしら?」
「...どうせ、さっきまでの話も聞いてたでしょう。」
「ええ、もちろん。」
「悪びれもなしとはね...それで、どうすれば良いかしらね?」
「そうねえ...本当は私が行きたかったけど、地底には地底の、幻想郷には幻想郷のルールがあるし、地底との仲も、良いとは言えないし、それに...」
「地上の妖怪が地底に行くのは、色々と問題があるのよね...」
「それじゃあどうするのよ?」
「...霊夢たちに行かせましょう。」
「博麗の巫女に?」
「ええ。さっき言ったように、私たち地上の妖怪が地底いくのは、問題がある。だったら、安直な考えだけど、霊夢たち人間に行かせれば良いのよ。」
「博麗の巫女の強さは知ってるけど...大丈夫なの?」
「だから私たちが、周りにバレない程度に遠隔支援する。そうすれば大丈夫よ。」
「...ま、方法はそれしかないか。」
~博麗神社~
「ということで霊夢、魔理沙、ヤリカ。頼むわよ。」
「嫌。」
「...そういうと思ったわ。」
「分かってたんだったら聞かないでくんない?私たち今、レボリューションに、間欠泉を元に温泉宿作ってもらおうとしてたんだけど。」
「あの科学者に?」
紫はレボリューションという名を聞き、露骨に嫌な顔をした。それは、レボリューションが〝科学者〟だからだ。
幻想郷は、博麗大結界によって外の世界との繋がりを断ち、妖怪や神といった、外の世界では〝伝承〟〝作り話〟などに成り果てた存在と人間が、ある意味での共存を続けることで成り立ってきた。
紫はそこに、妖怪や神を伝承にした一番の原因である〝科学技術〟が入ってくるのを嫌うのだ。...一部、河童たちが凄い技術を持っているが、紫が承認したからノーカンだ。
レボリューションは科学者...それも2100年という、今から80年後の未来からやってきた科学者だ。
科学技術というのは、10~20年という短い時間でも、劇的に進化する。ついこの前まではあり得ないとされていた技術が、今ではこのくらい当たり前、ということもザラにある。
ましてや、レボリューションは80年後からやって来た。10年でも発達するのに、80年後だと、一体どれだけ進化しているのか...だから、嫌な顔をしたのだ。
「あら、嫌そうね。そんなにレボリューションが嫌い?まあ、理由は何となくわかるけど」
「わかるなら聞かないでちょうだい。...取り敢えず本題に戻るけど」
「博麗神社の近くに湧いた間欠泉から、怨霊が出てきているのは知ってるわよね?」
「ええ。」
「色々調べた結果、あの間欠泉から地底の妖怪が出現してくる可能性が出てきたわ。」
「......」
「地底の妖怪は、地上の妖怪より危険よ。それに、幻想郷のルールを知らない。もしそんなのが出てきたらたまったもんじゃないわ。だから...」
「...わかった、行くわよ。」
「あら、以外と素直に聞いてくれたわね。さっきは、嫌って即答してたのに。」
「そういうことなら話は別よ。それに、私たちだけで行くわけじゃないんでしょ?」
「...読まれてたわね。ええ、私たち妖怪が遠隔サポートするわ。霊夢には私が、魔理沙にはアリス・マーガトロイドが付くわ。」
「おお、アリスか!」
「紫が付くのか...」
「何よその嫌そうな顔は」
「あれ?俺は?」
《私が付きましょう!!》
突如、ヤリカから...正確にはヤリカの腕から、ヤリカではない、だが聞き覚えのある声が響く。
「れ、レボリューション!?どこから話してんだ!?」
《ここですよ魔理沙!ほら、ヤリカの右腕!》
「右腕?...あ、ヤリカの手首に、なんか腕輪みたいのが着いてる」
《私特製、最新型情報通信端末〝
「レボリューション、あんた今、妖怪の山にいるんでしょ?離れたところの人とそれで話せるってこと?」
《そういうことです。通信以外も出来ますがね。》
「凄いなレボリューション...」
魔理沙が呆れ気味に呟く。
「取り敢えず、俺にはレボリューションが付くってことで良いのか?」
《その通りです。》
「なら決まりね。ほら、さっさと済ませてレボリューションに温泉宿作ってもらうわよ。で、どこから地底に行くの?」
(霊夢のやつ、温泉宿で稼ぐつもりだな...)
霊夢の目に一瞬だけ〝$〟の字が浮かぶのを見て、ヤリカと魔理沙は、心の中でそう呟く。
「妖怪の山の麓の〝地獄谷〟に入り口の大穴があるわ。そこから行きましょう。」
紫は、地獄谷に繋がるスキマを開く。
「相変わらず趣味悪いわねえ...」
「うへっ、気持ち悪いぜ...」
「なあ、スパジャン(スーパージャンプ)で行って良いか?」
《スーパージャンプより、スキマで行った方が約10%ほど速いですが...私はスーパージャンプで行くのをオススメします。》
「...いいから、早く行ってちょうだい...」
紫の精神に80のダメージ!
~地獄谷 地下に通じる大穴~
地獄谷の大穴。幻想郷に昔からある穴であり、人里の人間からは、地獄に繋がっているとか、地球の中心まで繋がる穴だとか言われている。まあ、前者も後者も、ある意味間違ってはいないが。
「これが入り口の穴か...そこが見えないな...」
ヤリカが穴を覗き込み、そう言う。
《簡易音響距離測定では...深度約60km!?上部マントル直前じゃないですか!》
「え?それなんかヤバいのか?」
《ヤバいなんてもんじゃないです!密度は1〜6g/cm,温度は400〜1500℃程度、少なくとも、生物が住める環境ではないんですよ!》
《しかも現在、世界一深い穴と言われているのが、コラ半島超深度掘削坑の12.262kmなので、その約5倍ですよ!?》
驚愕するレボリューションの声が、
《しかも今から、その地下60kmにある空間に行くと...地下60kmに空間がある時点で信じられないけど、何て言うか、もう...》
レボリューションの中で、今までの常識がガラガラと音をたてて、崩れ去っていく。
「...よくわかんないけど、とにかくヤバいのはわかった。」
一方でヤリカは、そこまでピンと来ていなかったようだ。
「あら、確かに地下60kmの深さにあるけど、人間でも、住もうと思えば住めない環境ではないわよ?好んで住もうと思う人間は全くいないけど。」
《......。》
レボリューションはもはや答えない。おそらく、ヤリカの腕に着けたベットカットの向こうでは、口をあんぐりと開けたまま固まっているのだろう、とヤリカは思った。
一方の紫は、自身が嫌う科学者に一泡吹かせることができて、すこし嬉しいようだ。
すると魔理沙がヤリカを見て、思い出したように言った。
「そう言えば、ヤリカはどうやって穴の底まで降りるんだ?私たちは飛べるけど、ヤリカ飛べないだろ?」
「...あ、確かに」
「気付いてなかったのヤリカ...」
「うーん...ジェットパックは、60キロを降りるには稼働時間が足りないしな...」
「スーパージャンプとかゆうので行けないのか?」
「スーパージャンプは、仲間がいるところか、ジャンプビーコンがあるところじゃないと使えないんだよ...うーん、どーすっべか」
???『その問題、俺が解決しよう!』(クソデカヴォイス)
突如、何処からともなく、
「うおわっ!?なんだ!?」
ヤリカ「うるせーんだよワルド!驚かすな!」
ヤリカの背後に、突如ワルドが出現する。
ワルド「すまんすまん、つい驚かせたくなってな。」
ヤリカ「ったくコイツは...」
「それで?今ワルド、俺が解決しようって言ってたけど、どーすんだ?」
「霊夢と魔理沙に先に降りてもらって、それからヤリカを、瞬間移動で降ろしてやろうと思ってな。」
「おお、なるほど!頼む!」
「よし。そんじゃあ、二人は先に降りててくれ。」
「ええ、わかっt」
ワルド「と思っていたのか!?」
霊夢&魔理沙&ヤリカ「へ?」
するとワルドは、ヤリカの左足をガシッと掴んで大穴の上に浮かび、ヤリカを宙ぶらりんの状態にする。
霊夢「え?」
ヤリカ(ああ、なるほど...)
すると...
ワルド「ヤリカ、お前は最後に降ろすと約束したな」
ヤリカ「そっ、そうだワルド、助け...」
ワルド「あれは嘘だ」
ヤリカ「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ.......」(断末魔)
霊夢「......」
魔理沙「......」
紫「......」
ワルド「......」
ワルド「...(^ω^)」(満面の笑み)
三人「(´゚д゚)」(空いた口が塞がらない)
See you next time...
染水記裏話
ヤリカの父、ヤイカの左目の傷は、ジャッジくんにひっかかれて出来た傷だったりする(夜中にこっそり撫でに行ったらひっかかれた)。あと猫好き。
スプラ軍兵1「ヤイカ司令の左目、なんで傷付いてんのかなぁ」
スプラ軍兵2「噂だけど、強敵との一騎討ちで勝った時に負った傷らしいぜ。」
スプラ軍兵1「なるほど...名誉の負傷ってやつだな。く~っ、かっけえな~!」
ヤイカ(ジャッジくんのひっかき傷なんて言えん...)
小五ロrゲフンゲフン...さとり様たちが出てくるのは、次回あたりからですかね。
それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました。次回も、イカよろしくー!
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