東方染水記   作:ナンモナイト!

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昨日、HololiveERRORというプロジェクトが発表されて、どんなコンテンツが出るか楽しみにしているナンモナイトです。PVの制服姿のそらちゃん可愛い。

前回から四ヶ月も空いてしまい、ほんとにすいません...すっかりサボってました。次回から投稿ペースを早める...つもりです、はい。

ワルド「信用できねえな...」

それでは、最後までゆっくりご覧下さい。


六十二話 〜鬼と闘いと岩の魔人と〜

 

~旧都 飲み屋街~

 

 

勇義「フッ!」

 

ヤリカ「どわっ!?」

 

 

二人の闘いは、勇義の、顔に向けた上段蹴りから唐突にはじまった。

 

 

勇義はそのまま、上段蹴りで上がった足を利用した踵落とし、下からのアッパー、裏拳、中段でのパンチ三連撃、そして最後に掌底打(しょうていう)ちと、凄まじい速さのコンボを決める。

 

 

しかしヤリカは、自慢の動体視力でそれをなんとか見切り、対応した。

 

 

上段蹴りは、顔を横に傾けて避け、踵落としは、体を横にずらしてかわし、アッパーと裏拳は、勇儀の腕に横から力を加えて逸らし、パンチ三連撃は頭を、掌底打ちは体を左右に僅かに反らして避ける。それらの動きを全て、その場からほとんど動かず行う。

 

 

最小限の動きで攻撃を避け、避けきれない場合は、最小限の力でそれを逸らす。父親(ヤイカ)から教えられた軍隊式の近接防御術を、ヤリカが独自に改良した防御術だ。

 

 

レボリューション《(さ、最初の上段蹴りから最後の掌底打ちまで、僅か0.973秒...ベットカット(腕輪型コンパクト通信端末)の高性能センサーがなかったら、全く見えなかった...ていうか、それに対応出来たヤリカもヤリカで化け物ですか!)》

 

 

(速っや...それに、見ただけでもわかるが、威力がバカみたいに高い...こりゃあまともに受けたら、骨の一本二本は覚悟した方が良いかもな...だが!)

 

(どうしようもない程にゾクゾクすんのは、闘いが久しぶりってだけじゃねえよな...!)

 

「ほう、この連撃に対応するか。思ってた以上にやるじゃないかい。」

 

「そういうお前こそ、冗談みたいなパワーとスピードだな。出来れば、まともにはやりたくない相手だ。」

 

「へえ...でもその割には、ちょっと楽しんでるように見えるがね。」

 

「ああ!正直、楽しくてたまんねーよ!ナワバリバトルや弾幕ごっこも好きだが、俺はお前みたいなやつとのガチの殴り合いが一番好きなんだよ!」

 

「へへっ、そうかい...」

 

 

勇儀は右足を後ろに置き、下半身に力を込めると、

 

 

「私も、久しぶりにお前さんみたいなやつと闘えて、楽しいさ!」

 

 

ヤリカの横っ腹目掛けて、右から強烈な横蹴りをかます。

 

ヤリカはそれをバックステップで躱すと、地面を強く蹴って勇儀の懐に飛び込み、右腕全体を使ってタックルする。

 

 

「ほう、中々の力じゃないかい。」

 

 

勇儀はそれを、少しよろけつつ受け止める。

 

 

(い、今のでよろけただけかよ!?)

 

「だが、それじゃあ足りない!フッ!」

 

「え?...どわあっ!」

 

 

次の瞬間、ヤリカは背中へ、高所から落とされたかのような強い衝撃を感じたかと思うと、勇儀の後ろで、仰向けに倒れていた。勇儀が、懐に飛び込んで来たヤリカの腕を掴み、後ろの地面に叩き付けたのだ。

 

 

「いたた...チッ、投げもあんのか...まるでスネークを相手にしてるみてーだな...」

 

 

背中を擦りながら立ち上がるヤリカの脳裏に、四人のMSFスタッフを、それぞれ違う技で次々投げ飛ばす、格闘術指導中のスネークの姿が浮かぶ。

 

 

「スネーク?大蛇とでも戦ってたのかい?」

 

「俺の知り合いだよ。傭兵組織(国境なき軍隊)の司令官やってる。」

 

「へえ...強いのかい?」

 

「至近距離で爆弾が爆発しても怪我負う程度くらいの頑丈さで飯食っただけで傷治って遠距離近距離両方で複数人相手でも普通に勝って、かつ一人で世界を核戦争の危機から救うようなやつだけど」

 

「...人間なのか?そのスネークってやつ。」

 

「ああ、れっきとした人間だ。」

 

(...だよな、レボリューション?)

 

《(信じられない気持ちは分かりますが、れっきとした人間です...)》

 

「へぇ、それは是非とも闘ってみたいねえ...」

 

「多分、スネークにその話したら、同じこと言うと思うぜ...さて、続きだ!」

 

「〝バルカンジャブ〟!」

 

 

ヤリカは勇儀に、バルカン砲もかくやの連続パンチ〝バルカンジャブ〟を浴びせる。

 

 

「続いて〝スマッシュパンチ〟!」

 

 

腕に少し力を込め、前に突き出す。すると、練り上げられた練気の塊がエネルギーとして拳から撃ち出される。

 

 

「ふーむ、速いだけじゃなく、一発一発の威力も中々のもんだねえ」

 

 

勇儀は、バルカンジャブを片腕だけで全て防ぎ、スマッシュパンチは、横薙ぎのパンチで消し飛ばす。

 

 

「チッ、駄目か!だったらこれはどうだ!?」

 

「〝ハイパーチャクチ〟!」

 

ヤリカは、ESU(強化スペシャルウェポン)の一つ〝ハイパーチャクチ〟を発動し、5〜6mほど飛び上がる。

 

そして、自身の斜め下にいる勇儀に向かって急降下しながら、拳を叩きつける。更に同時に、周囲にオレンジ色の液体が飛び散る。戦闘用に改造してあるとはいえスペシャルウェポンはスペシャルウェポンなので、当然、インクを出すことも可能だ。

 

 

「なんだい、目潰しのつもりかい?」

 

「なっ!?」

 

「パンチ自体の威力は中々のもんだが...まだまだだ!」

 

 

それを、やはり片腕で止めた勇儀は、ヤリカの右腕をしっかりと掴むと、ハンマー投げのごとくその場で一回転して、ヤリカをほおり投げる。

 

 

「うおおおっ!?」

 

 

ヤリカはかなりの勢いで、近くの廃屋らしき古小屋に叩きつけられる。すると、小屋はその衝撃で歪み、バキバキガラガラと派手な音をたてて崩れ、一瞬のうちに瓦礫と化した。

 

 

「おっと、強すぎたかな?大丈夫かーい?」

 

 

......

 

 

廃屋...もとい瓦礫の中からの返事はなく、動きも見られない。

 

 

やり過ぎた?気絶でもしたか?

 

 

勇儀の頭の中でそんな考えが浮かぶが、次の瞬間、その考えは綺麗サッパリ消え去る。

 

 

「隙あり!」

 

(ぐっ!何!?)

 

 

背後から現れたヤリカが、勇儀に強烈なキックを食らわしたからだ。

 

ヤリカは、廃屋が崩れる瞬間にイカ形態に返信して、先程のハイパーチャクチの際に飛び散ったインクの中に潜んでいたのである。

 

 

ヤリカは、強敵に少しでもダメージを与えられたことに、一瞬歓喜の表情を見せる。

 

 

「どうやって後ろに来たかは知らんがやるね...だが、甘いッ!」

 

 

勇儀はそのまま、背後のヤリカのノーガードの腹に回し蹴りを叩き込む。

 

 

「ガッハアッ...」

 

 

ヤリカはそのまま倒れ込み、大の字になってのびてしまう。

 

 

「ふう...勝負あったみたいだね...ってのびちまったか」

 

「おーいお前さーん。大丈夫かい?」

 

「......う、うーん...ッ、いたた...」

 

「すまない、ちょっと強すぎたな。立てるか?」

 

「ああ...大丈夫だ、慣れてる。」

 

 

ヤリカは勇儀の手を借りつつ、腹を擦りながら立ち上がる。

 

 

「いやー、勝てると思ったんだけどなー。だー!悔しい!」

 

「私は鬼だぞ?確かにお前さんは強かったが...弾幕ならともかく、闘いで私に勝てるわけがないだろう。」

 

「ああ、思い知ったよ。俺、自分の強さにゃ結構自信あったんだけど...いやあ、上には上がいるもんだな。」

 

「その通りさ。...そう言えばお前さん、さっき行くところがあるって言ってたけど、何処に行くんだ?」

 

「地霊殿ってとこだよ。」

 

「地霊殿?なんだってまたそんなとこに?」

 

「今地上で、間欠泉から怨霊が出てくるっていう異変が起きてんだよ。そしたら、その地霊殿に怨霊の管理人が住んでるから言ってみろって言われたんだ。」

 

「ああ、さとりのことかい?」

 

「さとり?」

 

「その怨霊の管理人さ。地霊殿の主なんだが...そいつ、かなり危険だぞ?」

 

「紫もそんなこと言ってたし気になってたんだけど、具体的にどう危険なんだ?」

 

「実はさとりはな、()()()()()()()。」

 

ヤ&Re「心を!?」《読める!?》

 

《はっ、そうかなるほど...だから()()().().().()

 

「どういうことだ?」

 

《人の心を見透かす力を持つという、日本中で有名な妖怪ですよ。まあ、いわゆるテレパシーみたいなものですね。漢字だと、目が覚めるの覚で(さとり)と読みます。》

 

「心を読める妖怪...戦闘にでもなったら厄介だな...。でも、言うほど危険か?確かに心を読まれるのは厄介だが。」

 

《ヤリカ、心を読めるということは、その人の心の中を覗けるということですよ。つまり...》

 

「...知られたくないことまで読まれるってことか。なるほど、そりゃ確かに危険だ...」

 

「実際さとりは、その能力ゆえ、嫌われ者揃いの地底の中でも屈指の嫌われ者でね。どんなに強い妖怪でも、さとりだけは恐れるのさ。」

 

「うーん、出来れば戦いたくない相手だなぁ...まあ、俺一人だけじゃない分、まだマシか。」

 

《ですね...。ていうかヤリカ、そろそろ行った方が良いんじゃありません?怨霊を地上に放出しっぱなしにするのもいけませんし》

 

「そうだな。それじゃ行くk」

 

 

 

ドゴオオオンッ!!!

 

 

 

ヤリカが今まさに出発しようとしたその時、ヤリカと勇儀のすぐ近くに、()()()()()()()()()()()()()地面を叩き付けると同時に、そんな轟音が鳴り響く。

 

 

「うわっ、なんだ!?」

 

 

《なんですか今の音?とりあえずカメラを起動...なんだこれ、拳みたいな岩が...ん?拳みたいな...ッ、まさか!?》

 

「...レボリューション、そのまさかで合ってるぞ...」

 

 

ヤリカは、ベットカットのカメラを斜め上に向ける。

 

 

《なっ、アイツは!》

 

魔人ワムバムロック!

 

「その腕輪の向こうにいるお前さん、知ってるのかい?」

 

《ええ、ヤリカと一緒に見たことがありますので。あと、私はDr.レボリューションというものです。お見知り置きを。》

 

「てか、まずなんでワムバムロックがここにいんだよ!カービィが地底探検してた時に倒したはずだろ!?」

 

《知らないですよそんなの!地底の中で出てきたという点ではカービィの時と同じですが...何にせよ、敵であることは確かです!カービィみたいに倒しちゃってくださたい!》

 

「カービィみたいつったって、無茶言うなあ...」

 

《あっ!またパンチ来ますよ!》

 

「マジか!クソっ...」

 

「あー...よくわからんが、とりあえずアイツを倒しちまえばいいのか?」

 

 

ワムバムロックのパンチが迫り来る。

 

 

「ああそうだ!勇儀も一緒に頼...」

 

 

ヤリカがそう言いかけた時。

 

 

「フンッ!」

 

 

勇儀は、目前に迫っていたワムバムロックの拳に、自分の拳を正面からぶつけ合っていた。

 

 

そして次の瞬間には、ワムバムロックの拳は粉々に砕けていた。

 

 

すると、ワムバムロックは急に爆発しだし、最後に大きい爆発を残して消滅した。

 

 

「...へ?」

 

ヤリカはその光景を、ポカーンとした表情で見つめていた。

 

 

《......》

 

 

レボリューションは終始黙り込んでいたが、ベットカットの向こうで、開いた口が塞がらない状態になっているのは、言うまでもないだろう。

 

 

「ありゃ?もうやられたのかい?二人が怖がってたから強いのかと思ったら大した事ないじゃないか。ていうかあの...ワムバムだかバウバウだか知らんが、いつから地底にいたんだ?」

 

(カービィも苦戦したワムバムロックを一撃で...なんだか、久しぶりに〝恐怖〟という感情を抱いた気がしますね...)

 

(同感だ、レボリューション...)

 

「...ん?そう言えばお前さん、地霊殿に行かなくていいのかい?」

 

「あっ、そうだ忘れてた!」

 

「速く霊夢たちと合流しねーと!それじゃあ楽しかったぜ、勇儀...いや、勇儀姐さん!」

 

「ああ、私もだよ。気をつけてな。」

(...姐さん?)

 

 

 

 

 

「さて、家に戻って呑むか...ん?」

 

 

勇儀は、自分の服の一部に、一滴の水が垂れたような小さいシミがあるのに気付く。その部分に鼻を近づけてみると、嗅ぎなれた香りが鼻をつく。

 

 

それは、いつも飲んで居る日本酒の香りだった。それも、乾き具合からしてまだ新しい。

 

 

(...ふふっ、〝闘いで私に勝てるわけがない〟か...)

 

(どうやらこの言葉は、撤回しなきゃいけないみたいだねえ...強いじゃないか、ヤリカ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

See you next time...




ESU(強化スペシャルウェポン)とか久しぶりに使った...実は五十二話ぶりだったりする。

今回はなんと、星のカービィの魔人ワムバムロックの登場でした。かませになっちゃったけど。

次回からは、いよいよ地霊殿での話になります。

それでは最後までご覧頂き、ありがとうございました。次回も、イカよろしくー!
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