イベントストーリー…まじやばかったです。
りみside
「……俺は…誰だ……?」
「え…?」
彼の予想外の返答に私は困惑してしまう。そんな中お姉ちゃんはもう一度同じ質問を彼に問いかける。
「う、うそ…まさか記憶喪失?」
「お姉ちゃん…」
「お、落ち着いてりみ。まだ決まったわけじゃないから」
お姉ちゃんは動揺しながらも冷静に話しかける。
「……名前聞いてるだけだから?ね?」
「…だから俺は誰なんだ?」
彼はベッドから飛び起きてお姉ちゃんの肩を激しく揺さぶり始めた。
「なぁあんた教えてくれっ!!俺は誰なんだっ!?なんでここにいるんだっ!?」
「ち、ちょっと落ち着いて!?」
肩から手を離したお姉ちゃんは事情を話す。
「……俺がゴミ捨て場に血を流してずぶ濡れで倒れてた?」
お姉ちゃんと私は頷くけど彼は全く身に覚えがないみたいだった。そのままベッドに腰掛け頭を抱える。その時にズボンのポケットから何かが落ちたので私はそれをひろう。
「これって…生徒手帳かな?」
「この生徒手帳って、隣町の聖木松高校じゃない?…名前はっと…」
名前の欄には閃宮崎 菊乃と記載されていた。
「君、菊乃くんって言うんだね…?」
「菊乃…それが俺の名前……?」
私が菊乃くんに確認するけど菊乃くんはただ唸るだけだった。私が声をかけようとすると
グギュルルルルルルルゥゥ
すごく大きいお腹の音がした。発信源は菊乃くんのお腹だった。聞かれたのが恥ずかしかった菊乃くんはあっという間に布団にくるまり出した。その布団私のなんだけどなぁ…
そんなことを思ってるとお姉ちゃんが菊乃くんに話しかけた。
「菊乃くん、もしかしなくてもお腹すいてるの?」
菊乃くんはそんなことはないと言わんばりに目をそらす。けれどもまたもや菊乃くんのお腹が鳴り、私とお姉ちゃんは思わずクスッと笑っちゃう。
「……おい、笑うのは酷いんじゃないのか…」
「ご、ごめんごめん…でさ、何か食べたいものはある?」
「……食えればなんでもいい」
菊乃くんがそう答えるとお姉ちゃんは、「ごはん持ってくるから待っててね」と言って部屋を出ていった。
「………」
「………」
今、私は菊乃くんと一緒に部屋に残ってる。何か話したほうがいいのは分かってるんだけど記憶を失ってるから家族とか学校の事以外何を話せばいいんだろう…何か記憶を思い出せるきっかけがあれば……
「あ、あの…なにか思い出せた事とか分かった事…ある?」
私は思った事を菊乃くんに聞いた。菊乃くんはおもむろに口を開く。
「いや…思い出そうとすると頭が痛くてな…」
私は申し訳なさそうにしてる菊乃くんに頭を下げる。
「そ、そっか…ごめんね。無理に思い出して欲しいって言わないから…今は、ゆっくりして?」
「…すまない」
「…ううん、気にしないで」
ゆりside
何か持ってくるっては言ったんだけど…お粥とかでいいのかな?
「ゆりー」
持って行くものを考えてると母さんに声をかけられる。
「どうしたの母さん?」
「運んで来たあの人は起きたの?」
「うん。今りみと一緒に部屋にいるよ」
「そう…だったらこれ持っていって?」
母さんはそう言って私に夕食が乗せられたお盆を渡してきた。私はありがとうと言って部屋に戻る。
「菊乃くん。ご飯持ってきたよ?」
私はそう言ってミニテーブルにお盆を置く。
「りみ、下で母さんが夕飯できたよだって。行って食べよう?」
「う、うん。じゃあ菊乃くん…ゆっくり休んでてね」
私はりみを連れて下に降りていき、ご飯を食べ始めた。
菊乃side
「…美味い」
お盆に乗ってた焼き魚を1口食べて白米を頬張る。腹が減っていたからか、普段食べている筈なのにそれはすごく美味しく感じてしまう。そして用意されていた食事はあっという間に無くなった。
「ふぅ…ごっそさん」
テーブルにお盆を置いて俺は寝直そうとするとベッドの足元に氷水でキンキンに冷えてるであろうタオルがあり何回も交換したあとがみえる。
「………後でちゃんと礼言っとくか」
俺はそう呟き布団を被り目を閉じた。
『菊乃、お前は私に恥をかかせたいのか?』
……なんだ、これ?俺の夢?それとも…
『出来損ないのアイツみたくなりたくはないだろう?だったら自分にとって必要な事以外何もするな。いいな?』
……何を言ってんだこの人…出来損ない?アイツ?
『話は終わりだ』
………待って
『閃宮崎家から落ちこぼれを2人も出したとなればかつてないほどの恥になりお前の存在までもが汚点になる。お前にはまっとうに生きて貰い私の跡を継ぐ裁判官になってもらわなければなぁ。いいか菊乃……お前の人生は私の手の中にある、お前の意見が私に通ると思うな…』
待てよ…あんたは誰なんだよ!?落ちこぼれ?汚点って何なんだよ!?おい!応えろ!!
「……応えろよおぉぉぉぉぉぉ!!!?」
俺はベッドから身体を起こし怒号をあげる。
「……はぁはぁ、はぁ…何だ、今の…夢?…そ、それとも……」
思い出そうとしてるとドタドタを階段を駆け上がる音が聞こえてくる。そして勢いよくドアがあけられた。
「菊乃くんっ!?大丈夫!?」
ぜぇぜぇと息切れした牛込りみとその姉、牛込ゆりが俺の顔を心配そうに覗き込む。
「めっちゃ汗かいてるよ!?どうしたの!?」
「はぁ…はぁ…」
俺は額に手をやると汗をびっしょりかいていた。それだけではなく枕もシーツも今着ている服も全部がぐしょぐしょになるくらいの汗。
「菊乃くん…何かあったの?」
牛込りみがタオルを渡して俺の事を心配そうに見てくるので、俺は夢の中で何を見たのか2人に話した。
「……っていう感じで夢を見たんだよ」
「そうなんだ…その夢に出てきた人って菊乃くんのお父さんなのかな?」
俺は首を縦に降る。
「わかんない…俺にとってその人がなんなのか、どう言った存在なのか」
「やっぱりすぐには…思い出せないよね?ごめんね菊乃くん…」
「なんで謝るんだよ…」
「あれ?そう言えば閃宮崎家って…」
牛込りみと俺が話をしていると姉の牛込ゆりが何かを思い出したかのように手を顎に当てる。
「あっ!思い出した!確かお父さんが現役裁判官でその家族もその仕事に携わってるって!」
「そうなんだ…じゃあ菊乃くんってすごい家系の人って事?」
牛込姉妹が俺の事を見る。
「……例えそうだったにしろ今の俺は家族の事なんか知らないぞ?家で何があったのか、何をされたのかも全部な」
「今すぐに思い出すってのは流石にできないし私もそこまで言ってないから大丈夫だよ?気にしないで?」
「……そっか。アンタ、優しいんだな」
俺は牛込ゆりにそう言う。
「……あ、あのさ。今更言うことじゃないんだけど…私あなたより年上だから、ね?」
「マジか…」
「でも気にしてないから大丈夫。今みたく砕けた喋り方でいいからね?」
「そうしてくれると、助かる…」
話を終えると今度は妹の方が話に入ってくる。
「あ、あのさ菊乃くん…」
「どうした?」
「その…もし良かったらさ、しばらく家にいない?」
俺がその提案に首を傾げる。俺的にはこれ以上世話になるわけにも行かないからすぐに服を持って出ていこうかなと思ったんだが……俺は牛込りみに「なんでだ?」と問いかける。
「だ、だって心配だし…き、記憶がない状態だから尚更なんだよっ!?」
「りみの言う通りかな…私も同じ意見だよ。今の君は危ない状態だと思うしりみも言った通り記憶が無いんじゃあね」
「………」
俺は言われて考え込む。そして考え込むこと数分、俺は記憶が戻るまでの間だが牛込家に居候することとなった。2人の親には既に事情を話してあるから、との事。着替えなどは父親の服のお下がりのようなものを着ればいいということで問題はなかった。
「とりあえず…風呂借りていいか?汗で濡れちまったし」
俺は疲れを癒すべく風呂場に向かった。風呂から上がったあと牛込りみが代わりの布団を床に敷いてくれていて「今日からここで寝ていいからね」
と言われ俺はそのまま布団に入りゆっくりと目を閉じた。
翌日
???side
私とばあちゃんは朝から度肝を抜かすような衝撃的なニュースを観た。
『おはようございます。昨日起こったニュースについて取り上げていきます。昨日未明、現役裁判官の閃宮崎夫妻、そして4歳の娘が何者かによって惨殺され遺体として発見されました。調べたところによると夫の豪傑さんには刺傷と切り傷が多々あり妻は頭を鈍器で殴られたかのような痕跡が残っていました。娘さんは絞殺されて、階段から吊るされていたことが調べで明らかになっています。また、この家の次男である閃宮崎 菊乃くんは金曜日の学校帰りから行方不明となっており警察は事件の真相と彼の行方、そして発見次第保護をして当日に何があったのか話を聞いていく考えを示しています。尚、事件当日の詳細を近所の方に聞いて回ったところ……』
それは…隣町の高校に通っている幼馴染の菊乃…お菊の家族が殺されて更にはそのお菊本人が行方不明だということだった。
「………お菊」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
最近忙しいばかりに執筆に手が伸びない時が続きますけど僕なりに頑張っていきたいと思います。
次回更新は未定ですが待っていただけたら幸いです。
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