ハメ作家として忘れ去られてる頃かと思いますがお久しぶりずぎますです。(ハメ作家としての人権無いかもと個人的に思ってます)
今回のお話は有咲につい言ってしまった言葉が頭から離れない香澄、ふらっと商店街を歩いているとそこで会ったのは……おっと。
ここから先は読者の皆様にはまだ未来のお話でしたね。では、本編どうぞ。
〜花咲川警察署 【閃宮崎家惨殺事件特別対策本部】〜
「ふぅ…よく寝た」
自身の職場の机の下に布団を敷いて寝ていたタツヤはもぞもぞしながら布団から出てスマホを手に取り、時間を確認する。
「……もう6時だ。そろそろ陸奥さん起こさないと」
共に職場で寝泊まりをしてる陸奥を起こす為、タツヤは陸奥の机まで行き下を覗き込むとぐごぉぉと鼾をかいている陸奥がいた。
「陸奥さーん、起きてくださーい。6時ですよー」
タツヤが揺すると陸奥は頭を掻きむしりながら嫌々起き上がる。
「あ?もう6時かよ…もうちょっとくらい寝かせてくれよ…俺朝弱えーの知ってんだろ?」
「そんなこと言ってもダメですよ、いくら陸奥さんが上司だからって二度寝を見過ごすほど僕は腑抜けではありませんからね?」
「冗談だっつーの…ったく」
起き上がった陸奥とタツヤは洗面台に向かい顔を洗い、服を着替える。
「事件、中々進展が起きませんね…」
タツヤは自信が調べた菊乃についての資料に一通り目を通しながら眠たい目を擦る。
「そもそも閃宮崎菊乃の行方すら分からないままですよね?捜索隊が探してもう1ヶ月は経ちましたよ?」
「まぁそうだな…最悪の場合どこかで野垂れ死んで死体の腐敗が進んでる可能性もありうるぞ」
「し、死体の腐敗って…陸奥さん、冗談に聞こえませんよ…」
「可能性だって言ったろうが」
陸奥はテレビのリモコンを手に取りテレビを着けると、ちょうど朝のニュースをやっていた。
『続きまして、臨時ニュースをお伝えします。1ヶ月前にあった【閃宮崎家 惨殺事件】で行方不明になっていたと見られる裁判官、閃宮崎豪傑さんの息子である閃宮崎菊乃が都内の花咲川総合病院に搬送されて行くのを目撃したとの情報が入りました。また、目撃者によると同行している女子校生が救急車に乗って行くのを見たということだそうです。尚、同時に先月から姿を消していたと思われる八代空牙検事と津上秋人捜査官の遺体が捜索隊により町外れから発見されました、繰り返します…』
陸奥とタツヤはそのニュースを唖然として見つめていると勢いよく他の検察官や上司達が慌てた様な表情で入ってくる。
「陸奥、タツヤくん!今のニュースをみたか!?」
「え、ええ。今ちょうどテレビをつけたところです」
「事件の進展があるかも知れない、早急に花咲川総合病院に行って彼の保護を頼むっ!それと同行してる女子高生からも話しを聴けるなら聴いてきてくれ!我々は検事達の遺体の方に向かう!」
「了解しました。タツヤ行くぞ!」
「病院から彼を勝手に警察が保護して大丈夫なんですか?人権だの病院の決まり事だの色々あるはずだと思いま…って陸奥さん待ってくださーい!?」
〜有咲side〜
〜花咲川総合病院3F 菊乃の病室〜
「……お菊」
お菊が運ばれてから1週間、未だに目を覚まさない。脈は正常でピコンピコンと鳴っていて、一緒に様子を見に来たりみもお菊を心配そうに覗き込む。
「有咲ちゃん…菊乃くんの様子はどう?」
私は一緒に来たりみに首を横に振った。
「一体、どうしちゃったんだろう菊乃くん…?」
「さあな…でも、あの時私の持ってた楽譜とお菊の持っていた楽譜のせいだっては思ってる」
「有咲ちゃん…」
あの時と言うのは1週間前、お菊がりみと一緒に私の家に来た時だ。りみから何故お菊と一緒にいたのか等事情を聞いて持っていたピアノの楽譜をお菊が見た事が今回の件につながった。あの時私は風邪を引いていてお菊が倒れた際に私も頭がぐらぐらしてそのまま寝込んだが、ばあちゃんの看病のおかげで今はすっかり元気になっている。私はトートバッグの中から問題となったその楽譜を取り出す。
「……これがお菊の記憶となんらかが関係してるってのは確かだと思うんだ」
「それって有咲ちゃんと菊乃くんが一緒に作った楽譜だよね…?引いてみたら有咲ちゃんもなにか分かるかも?」
「いや、楽譜はこれで全部じゃねーよ」
「そうなの?」
りみが不思議そうに尋ねる。
「元々この楽譜は表裏で12ページあるんだ。だからあと4枚楽譜があるはずなんだけど…その4枚は私もどこにあるか分からねぇ」
「き、菊乃くんの家に行けばあるかもしれないよ?」
「警察が家宅捜索した後だからもう無いかもな。もしくは見つかってないか、とかだな」
「そんな…」
私はもう一度お菊の方に顔を向ける。
(お菊…今は休んでいてくれ…私とりみでなんとしても記憶を戻すからな)
「…りみ、そろそろ行こう」
「う、うん…」
私とりみは病室を後にした。
香澄side
「…………はあぁぁ」
私は大きく溜息をつきながらいつもより少しだけ重ためな足取りでゆったりと商店街を歩く。
「なんであんなこと言っちゃったんだろ…言うはず無かったのにぃ…」
それは1週間くらい前の事、いつもの様に蔵に向かったら有咲が熱を出して倒れていて看病しようとした、その時言い合いになってつい有咲にはなった私の言葉がまだ頭の中で再生される。
『こんなの……私の知ってる有咲じゃない!!ばかばか!有咲のばーか!!大っ嫌いだよ!!!!』
実はあの一件以来有咲と話そうとすると、またあの時みたいに拒否されちゃうんじゃないか、有咲を傷付けちゃうかも知れないって思うようになって中々声も掛けづらくなっていた。さーやとおたえも原因はなんだかわからないーって…
「あーんもうっ!どうしたら〜っ!?」
「おーい!」
ふと声を掛けられて私が振り向くとこっちに向かって走ってくる人がいた。それは蘭ちゃんと同じバンド、Afterglowの上原ひまりちゃんだった。
「やっほー香澄!一人でいるのって珍しいね?」
「う、うん。今日は蔵練ないから商店街回ろっかなーって…あは、あはは…」
「へぇ〜…っあ、そうだ!有咲見なかった?この前一緒にキャンディショップ行ったんだけどさ…って香澄?おーい?聞いてる?」
「っへ!?う、うんっ!聞いてるよっ!」
ひまりちゃんはムスッとした表情で私を見てる。
「いつもの香澄となんか違うなー?何かあったの?」
「え?それは、その…」
「……もしかして有咲が関係してたり?」
「っ!?」
ひまりちゃんの言葉に私は驚く。ひまりちゃんはずいっと顔を近づけて、更に追討ちをかけてくる。
「その表情は有咲関連なんでしょー?」
「う、うん…」
「そっかそっかー、やっぱり有咲の事だったんだね」
「やっぱりって…どういう事?」
「ゆうまが言ってた!『最近香澄を見掛けるんだけどなんかいつもと違うなー』って!」
「そ、そうなんだ…」
ひまりちゃんはなんでかよく分からないけど胸を張ってドヤ顔だった。
「あ、もし私でよかったなら話聞くよ?なんだったら私の家来る?」
私はひまりちゃんのお言葉に甘えてひまりちゃんの家に行くことにした。
「香澄ー、私の部屋で待ってて?直ぐにジュースとケーキ出すからさ」
「う、うん」
ひまりちゃんの家に来た私は言われた通りひまりちゃんの部屋に向かい、クッションの上に座る。待つこと数分でひまりちゃんはケーキとジュースが乗ったお盆を持ってテーブルに置く。
「お待たせー。さぁ、何があったか教えて?」
ここまで来たら隠すこともないだろうと思った私は有咲と何があったのか、ひまりちゃんに全部話した。有咲が熱を出して苦しんでいた事、口論になって思わず頬を叩いちゃった事、言いたくないのに有咲を傷つけちゃった事、最近話せないでいる事も全部含めて話した。
「……って言うわけなんだ」
「…そっか、そんなことがあったんだ」
ひまりちゃんは自分で持ってきたジュースをぐいっと一気に飲み干す。
「ちょっと簡単に言えば風邪引いた有咲と揉めてケンカしちゃってそれで有咲が根に持ってないかとか考えてるうちに話しかけづらくなった感じなのかな?」
「うん…」
その時、私の頭の中に有咲の言葉がよぎる。
『大体私がなんで焦ってるかなんて皆には関係ないだろ!私には時間がねーんだ!身体ぶっ壊れてでも私にはやる事があるんだよっ!!』
『いくら香澄達でもこればっかりは関係ねぇんだから!!だからほっといてくれよ!!こんな事してる間にもアイツがどこか彷徨ってるかも知れないんだ!!だからぁ!!』
あの事を思い出しただけで私は思わず泣きそうになってしまう。あんなこと言うつもりなんて無かったのに…なんで私は有咲に"大っ嫌い"て言っちゃったのか今でもすごく悔やんでるし、もっと有咲の話を聞くべきだって思ってる。そんな事を考えてるとひまりちゃんが口を開く。
「今の香澄の気持ち…私も痛いほどわかるよ」
私はひまりちゃんの顔を見て黙って話を聞く。
「私もね、ゆうまとちょっとした事でケンカして暫く口聞かない時があったんだ。でもよく考えたらお互いに悪いとこがあったのが分かってその翌日直ぐに仲直りしたんだけどね、あはは…。ゆうまとだけじゃなくてね、Afterglow内でも口ゲンカした事あってね?つぐが頑張りすぎて倒れて病院に運ばれた事があってその時にモカと蘭と巴が言い争いしたんだ…何度もぶつかってきたよ」
「そ、そうだったんだ…」
Afterglowのみんなと雄天くんはすっごい仲良しだからそういうのって無いんだろうなって思ってたけどそうじゃなかったんだ…
「でもね香澄。私…ケンカとかしてよかったなって思ってる」
「そうなの?」
「うん!だって誰かと意見ぶつかったりケンカするなんて当たり前なんだもん!よく言うでしょ?誰かとぶつからなきゃ前に進まないし成長しないって!」
ひまりちゃんの話を聞いて私ははっとなる。
(私も何度もぶつかってきたことがある…有咲とりみりん、さーやをバンドに誘った時、おたえを勧誘した時、それ以外にも私は……)
「…なんでそんなことにも気づかなかったんだろう」
有咲の事ばっかり考えてたから大事なことを忘れてた…そして、私が今やるべき事がわかった気がする。私はひまりちゃんの手をぎゅっと握る。
「か、香澄?」
「ひまりちゃん、ありがとう!ひまりちゃんのお陰で私のやること分かったよ!」
私は食べかけていたケーキを食べ、ジュースを一気に飲みほしてひまりちゃんの部屋を出て行く。玄関まで来るとひまりちゃんが階段を駆け下りてくる。
「ま、待って香澄どこ行くの〜?」
「有咲のとこ!」
私はそのままの勢いで有咲の家へ向かった。
ひまりside
「香澄、すごい勢いで行っちゃった…」
香澄が食べたケーキと飲んだコップを片付ける。私の言葉で思った事とか体験した事を香澄を話したんだけど大丈夫だよね…?その時私の携帯が鳴る。相手はゆうまだ。
「もしもしゆうま?どうしたの?」
『ひ、ひまり、今ニュースのこと調べてたんだけどさ…とにかく僕の部屋に来て!』
「えっ?う、うん分かった!」
私はゆうまの家に行くべく、自分の部屋のベランダから隣のゆうまの部屋のベランダに飛び移る。
「とうっ!ひまりちゃん参上っ!」
私はパソコンに向かっているゆうまに飛びつく。
「ゆーうまっ!」
「おっとと…ひまり危ないって!眼鏡壊れちゃうから…」
「あ、ごめんごめん…ところでゆうま、電話の時すっごく慌ててたけどどうしたの?」
「そうだよ!これ見てこれ!」
ゆうまが見せてきたのはついこの前隣町で起きた事件『閃宮崎家惨殺事件』で被害者となった家の主、閃宮崎豪傑に関する記事だった。
「どれどれ…ってえぇ!?」
そこに書き込まれていたのは『人を人として見てない悪魔』、『裁判官を金で操る醜悪男』、『裁判所の怪物』、『犯罪支援者』、『あんなクズ死んで正解だよ!』とか他にも数え切れないほどの誹謗中傷ばかりだった。この人を正当化してる意見なんて無いに等しい、そう言えるくらいに書き込まれている。
「この人…相当恨まれてたみたいだね…」
「テレビで観た時は全くそんな素振り無かったのに…」
私が呆気に取られているとゆうまはイスを私の方に向けて眼鏡を外す。
「ひまり…上辺や肩書きだけが人間の全部じゃないよ。それと…多分この事件、殺人犯を捕まえても終わらない気がする」
「そ、それってどういう?」
「それは…」
〜花咲川総合病院 ロビー〜
ひまりが雄天から話を聞いていると同時に、花咲川警察署の陸奥とタツヤは菊乃が搬送された病院のロビーまで来ていた。
「閃宮崎家 惨殺事件対策本部の陸奥です」
「同じく対策本部のタツヤです。えっと、ここに閃宮崎菊乃が搬送されたって聞いたんですけど…」
「え、えっとあの…その…」
警察が来たことに驚きを隠せないのか受付の女性職員はあたふたしている。
「は、搬送されてきたんですけど…ずっと昏睡状態で…」
「昏睡状態?」
「はい、ですから言ったとしても事情聴取どころか何一つ話しませんよ…しかも酷く身体も弱ってるみたいですし」
職員の言葉に陸奥はなんだよそりゃと嘆息する。陸奥が諦めてロビーから離れようとすると職員が思い出したかのように話し出した。
「あ、そう言えば1時間前に2人の女の子があなた達と同じように閃宮崎さんの容態を聞きに来たんですよ」
「それは本当ですか?」
それを聞くやいなや陸奥は再び身体を職員の方に向ける。
「はい、閃宮崎さんが運ばれてきた一週間前からずっと来てますよ?」
「名前とかは分かります?」
「確か来た人の名簿一覧に…あ、ありました!市ヶ谷さんと牛込さんです。それと牛込さんの方はたまにですがお姉さんと一緒に来ることもありますよ?」
「ありがとうございます」
陸奥とタツヤはロビーから離れ車の方に戻る。
「陸奥さん、これからどうします?」
「とりあえず上層部に戻って報告するか。タツヤ、車出してくれ」
「了解しました!」
タツヤは駐車場から車を出し警察署まで戻って行った。
有咲side
お菊の容態を見に行った私とりみは蔵に戻ってこれからどうするか考えていた。
「有咲ちゃん…菊乃くんいつ目覚ますんだろ?このまま寝たきりになるなんてことないよね?」
「それはないと思いたいな…けどあんなに弱々しくなってベッドで寝てるお菊みたのは始めてだ…」
「ね、ねぇ有咲ちゃん…沙綾ちゃんとおたえちゃんには言わないの?」
りみは俯きながら私に問い掛ける。私は分かり切ったかのようにすぐ答える。
「巻き込まないって言ったろ?これ以上心配も迷惑もかけるなんて出来ねぇよ」
「……香澄ちゃんにも?」
「ゔっ…」
香澄とはあれから全然話す機会どころか蔵練も無かったからな…相当話しかけづらいし香澄を私の自分勝手で怒らせるわけにはいかない。あんな悲しい顔した香澄なんてみたくないから。
「か、香澄にも言わねーよ…」
「有咲ちゃん…」
その時、蔵の扉が開けられる音がした。
(婆ちゃんは今買い物行って家に居ないし沙綾は店手伝うからって言ってたし…もしかしておたえか?練習は無いはずだが…)
まぁなんにせよ練習は無いって伝えないとな。私はりみに、ちょっと待ってろと言い残して立ち上がり階段を上がって行く。
「おたえー、今日は練習無しだって沙綾から聞い……て……」
そこにおたえは居なく、代わりに居たのはぜぇぜぇと息を切らして汗だくの香澄だった。
「はぁ…はぁ…有咲ぁ…」
「か、香澄…?なんでお前が…?」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
亀更新過ぎるのはもう…ホンットにすいません(そもそも僕を覚えてる方いるのかって話ですけどね)
プロットはあるのに投稿できないこの辛さ…
仕事の極限残業ラッシュ…
こんなですが次回も頑張って書きますので何卒よろしくお願いします。
ひまり小説もRoselia2期もハロハピもR18も頑張ります。