IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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謎の言葉〈世にボン太くんの幸せが有らん事を。〉の意味が明かされるお話です。


ただ一つの願いのふもっふdream

鈴音との再会した日の放課後、一夏とセシリアは一路新聞部の部室へと移動していた。

セシリアは昨日の事を聞くために一夏はまた別の目的の為にである。

新聞部と書かれた表札が見えて来る、目的地は近いようだ。

 

「いらっしゃい。」

「来たわね。ようこそ新聞部へいえボン太くん愛好会へ。」

 

二人を出迎えた薫子と他の部員は部屋のあちこちから手製と思われるボン太くんグッズを取り出した。

 

「まぁ!」

 

セシリアは目を輝かせてその様を見る。

一夏もどこか嬉しそうに新聞部部員の様子を眺めていた。

 

「正しく、これぞ俺たちボン太くんファンの証…。」

「そう言う事は、貴方も二年前から…?」

 

薫子と一夏は二人の言葉に他の部員も嬉しくはあるが沈痛な面持ちで会話に耳を傾ける。

そんな室内の状況に耐えきれなくなりセシリアは切り出した。

 

「どうして、そんなに辛そうな顔を?だってここにはこんなにボン太くんがいるのに。」

「オルコットさん、ここにあるグッズはみんな私達と同じようにボン太くんに救いを求めた人の作品なのよ。」

 

静かに語りだした薫子の言葉に驚くセシリア。

 

「救いとは何ですの?」

「それを説明するには先ず今の社会の在り方を見るべきです。」

 

一人の部員が声を出した。

 

「今の社会と言うと女性権利主義の事ですわね。」

「そう、一方に偏った意見が尊重された歪な社会よ。」

「一方に偏れば必ず何処かでしわ寄せが来る。」

「えぇ。だから男性は肩身の狭い思いをしておいでなのでしょう。」

「しかし、ここに居るのは皆さん女性じゃないですの?」

「女性利権主義は確かに一部の女性からしたら理想的だったかもしれない。」

「だけど全員じゃない大半の女性もその主義の在り方を押し付けられて疲弊したのよ。」

 

その言葉を聞いたセシリアは驚愕した女性利権主義社会の被害者が男性だけじゃない事もそうだが、何よりも庇護の対象である女性にも被害が及んでいた事に驚いた。

 

「例えば仲の良い夫婦が居たとするよ、奥さんは旦那さんに尽くすのが好きで旦那さんも奥さんに尽くしてもらえるが嬉しいと思える。それがれがその夫婦の幸せだったしよう。」

「それがもし女性優位の社会になって、いつもの生活ここでは旦那さん尽くす事が悪だと言われ始めたら?」

「ましてやその夫婦に子供が居たらどお?」

「それは…。」

 

セシリアは言葉に詰まる。

自分の生い立ちとよく似ていたからである。

彼女の両親、父親は母親にまるで隷属した様な態度で接していた。

それが原因で彼女は男性不信に陥ったがよくよく思い出して見ると二人とも辛そうだったのを思い出した。

 

「それにそれだけじゃ無い、社会的に立場の弱い女性は?もしくは性格的に強く出れない女性は?」

 

今度は部員が語り掛けて来る。

 

「もしそう言った女性が趣味が違ったグループと一緒に居ても発言はできないでしょうね、それでもし仲違いの原因になったら?」

「そのグループから爪弾きにされますわね…。」

「そうよ。それだけにそれにそのグループの人だって中心人物に従ってるだけかもしれない。」

 

重い空気が部屋に流れる。

 

「そんな中でボン太くんは登場したわ。」

「女性が可愛いと思える外見やしぐさ。」

「男性が理想とするカッコよさと強さ。」

「二つが揃った双方の願望を形にした体現者だった。」

 

薫子と一夏の掛け合いにも思えるセリフに確かにと頷くセシリア。

 

「この奇跡とも言える存在に疲弊していた人は互いに意見を言い合ったわ。」

「ボン太くんが如何に素晴らしいか、どこが気に入っているかなど取り留めのない話ばかりだった。」

「でも楽しかった。その場に居る者は皆、笑顔で溢れてた。」

「男も女も無い。在るのはボン太くんが好きたったそれだけだった。」

「そんな中でファンはある決まりを作ったの。」

「それは何ですの?」

「一つ、他者の言葉を遮ってはならい。」

「一つ、他者の在り方を否定してはいけない。」

「一つ、決して自分の意見を押し付けてはいけない。」

「この三つだ。」

「はあ。」

「簡単に言うとね。一つ目は人の意見の途中で割り込んではいけないよ。」

「二つ目はそれは間違っているって頭ごなしに否定してはいけないよ。」

「三つ目はこれが絶対って決めつけてはいけないよ。って意味。」

「そうやって自分達にルールを作って語らいの場を作っていったんだ。」

 

その表情は幸せそうだったが次で一変する。

 

「だが女権者達は気に入らなかったらしい。男が女と同等の立場で意見を言える環境が…。」

「だから圧力を掛けて来た。時に強引な方法も使って。」

「そんな…!」

 

セシリアは困惑する。何故?自分達はただ好きな物を共感したいだけなのにどうして?と。

しかし理解も出来てしまう嘗ての自分ならそうだっただろうから。

 

「いつしか語らいの場は少なくなっていった。世間がボン太くんファンをカルト宗教の信者の様に扱い始めたからだ。」

「私達にそんな気は無くてもね。」

 

言葉もなく佇むセシリアに構わず言葉を続ける。

 

「ボン太くんファンは皆一つの願いを持つようになった。」

「誰の目の憚らず好きな物を好きと言える世であって欲しいと。」

「誰かを否定することなくボン太くんで笑い合える世になって欲しいって。」

「それが、世にボン太くんの幸せが有らん事を。この言葉の真意だ。」

「ボン太くんを愛する者が皆願う幸せの形。」

 

セシリアは憤っていた、今までの話で彼ら又は彼女らは一回も女権主義を否定してはいない。

にも拘らず女権主義者は一方的に否定して追いやった。

 

「納得いきませんわ!」

「オルコットさん…。」

「セシリア…お前。」

「だってそうじゃありません事、こちらは何か危害を加える事をしましたか⁉」

 

セシリアは叫ばずにはいられなかった。こんな理不尽許されてはいけないと。

 

「わたくし決めましたわ!自分がボン太くんファンである事を隠したりなど致しません。」

「わたくしは一人のボン太くんを愛する者として誇りを持ちますわ。」

 

部室に居た全員がその言葉に目を見開いた。

 

「そうね…そうよね!私達は何も間違ってない!」

「ただ好きな物を追いかける。それだけの存在だ!」

 

セシリアに賛同と称賛の声が上がる。

 

「感動したわ!貴女の言葉にそしてありがとう。」

「お陰で目が覚めた。」

「俺もです。よろしくな同志よ!」

「はい!こちらこそよろしくですわ!」

 

この場に居たボン太くんファンの心は一つだった。

それを外から聞く少女が二人。

 

鈴音「箒。何やってるのあいつら。」

箒「さぁ。なんだろうな?」

 

 

 

 

 

 




ある意味この物語の重要な要素に触れました。
感想などありましたどうぞよろしくお願いします。
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