IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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鈴との約束それは逆プロポーズだったのか?それとも…


少女は想いは届かずのふもっふ unsendable

一夏は新聞部いやボン太くん愛好会の部室での一件からとても機嫌が良かった。

世間での自分達の印象は恐らくいや確実に悪いのだろう。

しかし、遠い異国から来たセシリアはそんな事関係ないと声を挙げた。

自分達に理解を示しただけでなく理不尽に吠えボン太くんファンである事に誇りを持つとまで言ってくれた。

その事実はこの学園に居る全てのボン太くんファンを勇気づけてくれるだろう。

その事を考えながら一夏は寮の自室へ向かっていた。

部屋の前まで行くと部屋の中に二人分の気配がする。

一方は箒だろうがもう一方は誰だろうか?

疑問に思いながら扉をノックする。

 

「は~い。」

 

中から箒の声がした。

 

「俺だ。今は入ってもいいか?」

「あぁ、一夏か大丈夫だぞ。」

 

箒からの了承の返答が返って来たので戸を開ける。

 

「メールしてくれればノックしなくとも済んだんだがな。」

 

中に入ると箒がそう話し掛けてくる。

 

「今度から気を付けよう。」

 

その様は何も知らない第三者から見れば夫婦の会話の様にも聞こえる。

現に鈴音はそのやり取りを聞いてそう考えた。

 

「ちょっと箒!今は私も居る事忘れてなかった?」

 

一夏はもう一人の正体が鈴音と気づき声を掛ける。

 

「鈴。来ていたのか?」

「うん。さっき振りね一夏!」

 

鈴は再開から数時間経っていた為に一夏とは話を出来ていない。

その為か同室の箒に頼み一夏が帰って来るまで一緒に待っていた。

 

「久しぶりなんだから色々話したい事があるのよ。」

「うん。俺もだ小母さんは元気にしているか?」

「お母さんなら元気よ。寧ろ元気すぎるくらい。」

「そうか、今度連絡する時にでもよろしく言っといてくれ。」

 

それから鈴と一夏は昔話に花を咲かせた。

時々箒からも質問があり。

二人はその質問にそれぞれ答えた。

そうしていると話題は別れの日の事に触れた。

 

「そう言えばだけど、あんた覚えてる?最後に私が言った言葉。」

「あぁ。毎日、私の作った酢豚を食べてくれる。だったか?」

「そう、それ。あの時あんた答えを濁したからもう一度聞こうと思って。」

 

鈴の言葉に箒は驚く。

だってそれはどこからどう聞いても告白だから。

しかし、一夏はそうでは無かった様だ。

 

「済まない。流石に毎日は無理だ。」

「そう…。じゃあ時々ならいいのね。」

「まぁ、そうだな。」

「そっか、了解。」

「しかし、何故そんな事を聞く。」

「何故って。そりゃ…。」

「わざわざ、ただ飯食べさせる為に…。」

「なぁ!」

 

やはり正しく伝わってなかったらしい。

と、言うよりは一夏が気付いて無いだけなのだが。

 

「あんた!今までタダでご飯食べさせるだけの為にこんな事言ってたと思っていたの!」

 

急に怒り出した思い始めた一夏は宥めにかかる。

 

「落ち着け鈴。何をそんなに怒っている?」

「うっさい!なんでもなにもあれは…。」

「なんだ?鈴どう言う意味だんだ。」

「あ~ぁもう!何で分からないよ!一夏の馬鹿~!」

 

不躾に意味を問うてくる一夏に羞恥心と怒りで訳が分からなくなった鈴は捨て台詞を残しその場から逃げ去る様に出ていた。

 

「何だったんだ?」

 

不思議に思う一夏の肩に手が置かれた。

振り返ると後ろに般若の幻影が見える笑顔の箒が居た。

 

「一夏~。少し話そうか~。」

「…はい。」

 

今夜は大荒れである。

一方その頃一夏達の下から飛び出した鈴は廊下の端で泣いていた。

『何であんな事言っちゃたんだろ。ホントはもっと素直に話そうと思ってたのに。』

鈴は鈴で自己嫌悪の陥っているらしい。

『大体何であいつはあそこまで鈍いのよ!』

先程の一夏とのやり取りを思い出して腹が立ってくる。

『あそこまで言われたら普通気付くでしょ!』

しかし、気付かないのが一夏と言う少年である。

『明日からどうしよう。どう一夏や箒と接すれば…。』

明日からの事で憂鬱になっていると前方から見知った相手が歩いてくる。

 

「や~参った参った!あんな千冬ちゃん見たの久しぶりだよ。」

 

愛子である、如何やら今日の授業の事で千冬から愚痴を聞かされたらしい。

まぁ、仕方なくはあるが。

そう、言っていた愛子は廊下の端で蹲り泣いていた鈴音を見つけた。

 

「あれ!鈴音ちゃんどうしたのこんな場所で!何かあったの?」

「愛子さん…。」

「うわ!鈴音ちゃん辛かったんだね。いいよ、思いっきり泣きなさい。」

 

愛子の姿を見つめると抱き着き暫く泣いていた。

十分位だろうか、泣き始めてからそれ位経った頃漸く泣き止んだ鈴音に愛子が優しく語り掛ける。

 

「もう、いいの?」

「はい…ありがとうございました。」

「いえいえ。どういたしまして。」

「…何があったか聞かないんですか?」

「鈴音ちゃんが話したくなったら話して。それまでは私からは何も聞かない。」

 

やはり愛子には敵わないそう思いぽつりぽつりと今まであった事を語りだした。

一通り聞いた愛子は鈴音の頭を撫でながらゆっくり言葉を紡いだ。

 

「そっか。そんな事があったんだ。」

「はい。」

「一夏君も中々罪作りな事をするね。」

「本当です。」

「じゃあ鈴音ちゃんはこれからどうしたいの?」

「それは…。」

「諦める?」

「それだけはあり得ません!」

「そうだよね。だったら振り向かせなきゃ!」

「それはそうですけど…。具体的にどうやって?」

「そこは自分で考えなきゃ。人に教えて貰ってたんじゃ何時までも片思いだよ。」

「うっ!分かってる。分かってるんでけど…。」

「それじゃあ、ヒントになるか判んないけど今度のクラス代表戦が在るのは知ってる?」

「はい。それが何か?…あっ!」

「うん。そう言う事。」

「分かりました。だとしたらこうしちゃいられない!明日クラスの人に頼んで代表を変わってくれるように頼もう。」

「やる事は決まった?」

「はい!ありがとうございました。愛子さん!」

「いいの。それより今は許してあげたけど。学校では相良先生だからね。」

「うぅ。気を付けます。それじゃあ!」

「うん。また学校でね鈴音ちゃん。」

 

そう言って愛子の下を離れていく鈴音の目にはさっきまで迷いは無かった。

そして翌日、昨日の事をクラス代表の生徒に話て変わってくれるよう頼んだ鈴音は事情を知った生徒から快くそも座を譲り受けたのだった。

こうして鈴音と一夏の試合が決定した、勝利の女神はどちらに微笑むのか。

そして同じ頃代表戦に黒い影が迫ろうとしていた事はまだ誰も知らない。

 

鈴音「覚えてなさい!一夏!」

 

 

 




次はクラス代表戦です。
恐らく二話に分けて更新すると思います。
感想などありましたどうぞよろしくお願いします。
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