私はありとあらゆる事を公平にジャッジする!
チームミスリル~!バーサス、チーム武士っ子~!
レディ~!ファイト!
今日のIS学園には世界各国からIS関連の企業や軍から多くの観戦者が訪れていた。
この日、この学園では学年別トーナメントと呼ばれる行事が予定されている。
試合の結果では、各団体からのスカウトの申し出もあるほどこのイベントは注目されている。
「結構な人数が来ているな。」
「そりゃね。このイベントで将来有望な人材を引き抜きたい団体は多いし。」
「まぁ、俺は卒業したらそのままミスリル所属になるから関係ない事だが。」
「僕も、デュノア社に戻る事になってるしね。」
そんな話題で、花を咲かせる彼らはこの第一試合を控えてピットの中で待機している。
彼らの対戦相手は、ラウラと箒だ。
お互いにとってこの組み合わせはある意味、因縁めいたものを感じる。
試合の開始時刻が近づく。
「行くか。シャル!」
「うん。行こう、一夏!」
「来い!アルビノ!」
「来て、ラファール!」
其々の機体を纏いカタパルトに移動する二人。
その目にはピットの中の相手を見据えていた。
「先に行くね。」
「もっふ!」『おう!』
「シャルル・デュノア。ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ、行きます!」
「ふももふももっふほもるもっふ!」『アルビノボン太くん織斑一夏出るぞ!』
カタパルトから、アリーナに出るボン太くん。
ラウラ達の姿を確認するとシャルルの横に降り立った。
「来たか、一夏。」
「ふも。」『箒。』
「なんだ?」
「ふもっふ!」『ボン太くんだ!』
「あ~ぁ、うん。そうだったな…すまん。」
ボン太くんである事に、誇り持つ彼にとって。
対戦相手には基本ボン太くんと呼ぶ事を求めている。
その強い拘りに、呆れながらも敬服する箒であった。
「遂に、貴様を叩き潰す時が来たな!」
「僕の事、忘れてない?」
「貴様など、相手では無い!」
「ふ~ん。そう言う事言うんだ~。」
「何だ、貴様?」
「別に~。」
「ふももっふもふー。」『箒、ボーデヴィッヒ。』
「何だボン太くん?」
「ふもっふ!」『よろしくお願いします!』
「よろしくお願いします。」
武人同士の礼の後、試合が開始された。
「ボン太くん。例のやるよ。」
「ふもっふ!」『了解!』
「ふもるもーふ!ふーもっふ!」『白烏形態!発動!』
『モードホワイトクロウ。発動!』
開始直後、ボン太くんの叫びに応えてその体が光を放つ。
二回も経験した生徒と教職員は慣れたもので遮光眼鏡を掛けるが、来賓客はその発光に驚き目を瞑る。
光が収まるとその姿はまた違ったものと成っていた。
『モードホワイトクロウ。アクティブ。』
「くゎもっふ!」『忍んで参る!』
頭部のギアはカラスのデフォルメ額に兜巾と呼ばれる山伏の被る帽子の形を模した赤外線センサーが付いた。
背面から胴体全面を隠すようにカラスの羽根を片翼七本両翼十四本を取り付けた翼型ワイヤーダガーラック鞍馬を装備。
足にカラスの爪と高足下駄をイメージしたパーツが換装された。
腰には、小太刀型高振動刃カッター風魔を装備した。
そしてメイン装備は高圧放電ロッド狩魔丈が装備されている。
所謂、隠密強襲戦用形態それが白烏形態である。
「喩え、姿が変わろうと!」
「なっ!」
箒を無視してボン太くんに突撃するラウラ。
しかし、ボン太くんからしてみれば予想通りの動きであった。
「くゎーもっふ!」『あまいわ!』
ボン太くんは正面を向いたまま後方に飛ぶ。
そして、鞍馬を開き翼から羽根型のワイヤーダガーを二本取り出し投げる。
「この程度で、粋がるな!」
避けたラウラは、ボン太くんを捉えようと手を伸ばす。
これを宙返りの用量で躱し、背後に降り立った。
腰から、風魔を抜き斬る。
「ぬぁぁぁぁ!」
「私が相手だ!」
背面に一太刀を受け絶叫するラウラを助けるべく、箒がボン太くんに突貫する。
それを、シャルルが受け止める。
「君の相手は僕だ!」
ラウラと箒の連携は分断され、ボン太くん達の優位に試合が運ばれる。
「調子に乗るな!」
ラウラが、吠えてワイヤーブレードを放つ。
「くゎーくもっふー!」『それは見切った!』
狩魔丈で受け止めて、電流をワイヤーに流す。
「なっ!くぅあぁぁぁぁ!」
繰り出す攻撃全てを見切られ、返される。
この前の、戦闘から導き出された対抗策は見事にラウラを押し込めていた。
「ボン太くん!覚悟ー!」
「くゎーっふ!」『なに箒!」
シャルルの妨害を掻い潜り箒がボン太くんの目の前まで迫る。
突然の事に驚きつつ、冷静に鞍馬からダガーを抜き対処する。
「ボーデヴィッヒ!無事か!」
「ちぃ!邪魔をだー!」
「なっ!」
箒の救援も、ラウラには妨害に感じたらしい。
ワイヤブレードで箒を投げ飛ばしボン太くんの前に出る。
「漸く、捉えたぞ!」
AICの効果範囲にボン太くんを捉え、右腕からプラズマ手刀を発生させる。
「だから、僕を忘れてるよ!」
その声に、顔を向けるとライフルを構え此方に発砲するシャルルが見える。
急ぎ、回避した為直撃は避けたがボン太くんは解放される。
上手く連携を取り、ラウラと箒を追い詰めるボン太くんとシャルル。
試合の流れが決まりつつあるのは誰の目にも明らかだった。
「くゎーも!くゎーもっふ!」『アルファ。鞍馬の拘束機能を起動しろ!』
『了解。鞍馬対象の拘束を開始します。』
ボン太くんがラウラの周囲を飛行し始める。
アルファの操作で鞍馬がワイヤーダガーでラウラを拘束していく。
「くっ!またこれか!」
ラウラもレールカノンで応戦したが最後には身動きが取れなくなった。
「くゎーふ!くぁーもっふ!」『アルファ!ここで決めるぞ!』
『了解。エクストラアタックコード[ふもっふ流戦術雷光電招陣]発動!』
鞍馬の先端部がボン太くんの手に装着され、五本の手指となる。
そして、バイザーが降りて顔半分を覆いボン太くんは印を組み始める。
全ての印を組み終えると狩魔丈を天に掲げた。
「くゎーくくーくゎくっふ。くーくゎもっふ!」『ふもっふ流戦術。雷光電招陣!』
狩魔丈から膨大な電流をダガーに落としワイヤーを伝ってラウラに流れる。
「がぁぁぁぁぁ!」
この試合中、で一番強い電流を受け絶叫するラウラ。
『私は、負けるか…。』
電流を受け切り、満身創痍の中そう心の奥で呟いた。
『無様に負けてあの人にも見捨てられる…。』
精神では分かっていても心がそれを受け入れない。
そして、何処かから来る謎の黒い何かに飲み込まれていく。
ラウラ本人の意思に関係なく、仕組まれた悪意は今まさにその本性を曝そうとしていた。
箒「何だ、あれは…!」
ラウラ戦は、前後編の二回です。
という訳で、白烏形態いかがでしたか。
感想などありましたどうぞよろしくお願いします。