IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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ラウラ戦後半
張り切って行きましょう!


王者の模造品と対決のふもっふforgery

それはまるで虚無から這い出した憎悪の塊だった。

意思を持ち全ての憎しみをかき集め誕生した負の感情のヘドロ。

今それが、ラウラを飲み込み形を得ようとしていた。

次第に、形作られ輪郭がはっきりしてくる。

その姿は、鎧を纏った女性に変わった。

 

「ふも!」『あれは!』

「如何したのボン太くん⁉」

 

ボン太くんが、その異形の姿を確かめた時。

その声は、驚愕したものと成っていた。

 

「ボン太くん、あれはもしや⁉」

「ふも。ふーもふーもっふもっふ!」『あぁ。間違いない雪片だ!』

「じゃあ、やはりあの姿は暮桜…千冬さんの現役の姿…。」

 

箒は困惑した、何故ラウラがシュヴァルツェア・レーゲンがあの姿になったのか。

そして、一夏もまた噴き上がりそうな怒りを抑えていた。

『これが、違和感の正体か!』

ラウラに、感じ続けた違和感。

本来なの彼女であるならば感じるはず無い気配。

何処か、他者からの陰謀めいた意思の気配を常に感じ続けていた。

 

「ふもっふ。ふももっふふもるるもふっふ?」『アルファ。奴が今の状態の原因は何だ?』

『おそらく、VTシステムと思われます。』

「ふもっふ?」『VTシステム?』

『ヴァルキリー・トレース・システム。過去にモンド・グロッソでの優勝者した選手の戦闘データを再現、実行する為に開発されたシステムです。現在では、研究及び開発が禁止されています。』

「ふもっふ。ふもるふももふーもっふ。」『成る程。ただの悪質な模造品か。』

 

ボン太くんが、そう言い捨てると千冬から通信がはいる。

 

「お前達、試合は中止だ退避しろ。」

「ふもっふふもーもっふふもるもっふ。」『いえ、自分達で対処します。』

「…一夏、お前は何を言ってるか分かってるのか?」

 

怒気を孕んだ声で、ボン太くんに問いかける。

 

「ふも。ふももふもるるふももっふ。」『はい。しかし、あんな贋作とは言え貴女だ。』

 

憮然とした態度で応え更に続ける。

 

「ふももーふふもるもっふふーも。」『今の俺がいや、俺達が何処まで通用するか試したい。』

「…勝算は、あるんだな。」

「ふも。」『はい。』

「それならば、見せてみろ。今のお前達の実力を。」

「ふもっふ!」『ありがとうございます!』

「とは言うが、如何するつもりだ?」

「ふもふももーふふーもっふ。」『箒、お前に引き付け役を頼みたい。』

「引き付け役…?」

「ふもふもるふもっふふももっふ。」『あぁ、この中で千冬姉に対抗するだけの剣の腕を持つ者はお前だけだ。』

「それは!しかし…。」

「ふもっふ。ふもふーもふももっふ。」『アルファ。打鉄に強制強化を掛ける。』

『了解。打鉄の強制アップグレードを開始します。』

「えっ!それって、まさか!」

「デュノア?ボン太くんの言ってる事が判るのか?」

「うん。強制アップグレードっ言うのは、一時的にISに設定されてるリミッターを解除して限界値を引き上げる事だよ。早い話が一般機を専用機並みの性能に強制的に引き上げる事だよ。」

「そんな事が出来るのか!」

「うん。だけど、その為に機体の方には相当負荷が罹るんだ。それこそ、オーバーホールも充分あり得るかも。」

「ふもっふ。ふもるもっふふももふもっふ。」『そうだ。だが、今の状況を如何にかするにはそれ以外ない。』

「ふもっふふもるっふ。」『シャル、時間を稼いでくれ。』

「またっく。しょうがないなぁ、後で一緒に怒られてよ。」

「ふもっふ。ふもっふ!」『了解。アルファ!』

『強制アップグレード完了まで残り70%。』

 

打鉄の強制アップグレードの作業に専念する為に一夏も整備モニターを開いて操作し始める。

その間も、シャルルは贋作を引き付け気を逸らす。

 

『強制アップグレード完了。』

「ふもっふふももっふ!」『行けるな箒!』

「あぁ、行こうボン太くん!」

「やっとか~。早く代わって!」

「ふも!」『おう!』

「待たせたデュノア、後は任せろ!」

 

シャルルが下がり、ボン太くんと箒が前に出る。

箒は、贋作に切り込む。

『なんだ、この機動性はさっきまでの打鉄じゃない!まるで、別の機体だ!』

箒は、専用機相当まで性能の上がった打鉄に戸惑う。

『そうか、これが専用機の機動。成る程、さっきまでは確かに私が打鉄を動かしてる感覚だった。だが今は、私が打鉄に動かされている。』

訓練機と専用機の違いは操縦者の技量の違いが出やすい。

その上で云えば彼女はまだ専用機を御するに至っていない。

『こんな事も知らずに専用機を欲したのか。我ながら恥ずかしいものだ。』

専用機を与えられという事は、それだけの年月を費やし努力し続けたという事。

その事実から目を背けた自分を恥じる。

そして見据える今、己が、立ち向かうべき相手を。

『もう、泣き言は言わない。引き付け役を任せてくれた一夏の為にも!』

箒の動きが変わる、それまでよりも巧みに鋭く剣を奔らせる。

その後ろで攻撃の期を伺うボン太くん。

そして、その時は来た。

 

「ふももーふもっふ!」『白狼形態発動!』

『モードホワイトウルフ。発動!』

 

この日、二度目の形態変化は最初に発動した白狼形態である。

 

「がるふ!がるるもっふ!」『アルファ!新技で決めるぞ!』

『了解!エクストラアタックコードⅡ[白狼乱撃]発動!』

 

これまでの、データの蓄積が白狼形態に新たな力を宿した。

雪片を地面に刺し、いつもの様にギアが顔半分を覆う。

四肢のクローが発光して、風を纏う。

 

『イグニッションブースト発動シークエンス完了。』

「がるっふ!」『スタート!』

 

贋作までの距離を一気に詰める。

 

「がる!」『一撃!』

「がるる!」『二撃!』

 

一撃当てては引きまた一撃当てては引く。

群れをなし獲物に攻撃を仕掛ける狼の様に攻撃を続ける。

それが百回を数えた頃、遂に贋作は膝を着く。

 

「がるる!」『今だ!』

 

地面に刺した雪片を抜き正面に走る。

 

『零落白夜、発動。』

「がるがるるもっふ!」『白狼乱撃!』

 

ボン太くんの一太刀が贋作を裂き、ラウラが現れる。

その時、二人の意識は別の場所に飛んだ。

 

『何故だ?何故、お前はそこまで強い?』

『ボーデヴィッヒよ。強さとは何だろうな?』

『わからない…今の、私には…。』

『俺は、夢幻の様なものだと思っている。』

『夢幻?』

『あぁ、どんなに強くなったと思っていても。結局は、自分の中だけの話。夢幻の様に見せかけだ。』

『では、私の強さも夢や幻だったのか?』

『そうかもしれん。しかし、夢や幻を現実に変えるものがある。』

『それは…?』

『思いだ。借り物じゃない確かな自分だけの思い、こう強くありたい願う願望。』

『願望…そうか、私はずっと教官の背中ばかり追って。』

『如何やら、もうここまでらしい。後は、現実でな…。』

『なっ!待って!待って下さい!私はまだ貴方に教わりたい事が…!』

 

その不思議な空間から二人の意識は戻っていった。

この日の出来事は世界を駆け巡る事になったが、それはこの次に語ろう。

 

箒「私は、未熟だ…。」

 

 

 

 

 




長くなったので続きは後日になります。
感想などありましたどうぞよろしくお願いします。
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