IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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前話のその後です。


裁かれる悪と許し合う絆のふもっふchain

IS学園の校門に急ぐ人影が二つ。

 

「くそっ!何なんだ、奴は!」

「無駄口を言ってないで急げ!ここには、現ウルズ7がいるんだぞ!」

 

二人は、ドイツ軍でIS部隊の前指揮官の隠し刀とも呼べる将兵だった。

彼らが恐れるウルズ7とは、初代と当代で合わせて600人以上の凶悪犯やテロリストの捕縛及び200以上の犯罪組織を壊滅させた伝説を持つ傭兵である。

そして、二人が逃げる理由は今日の試合の中で発動したVTシステムに原因がある。

二人は、前指揮官と現在でも通じており現指揮官のリチャード失脚の為にラウラの洗脳とシュヴァルルツェア・レーゲンにVTシステムを仕込ませる指示を出した張本人達であった。

 

「しかし、これでリチャードも終わりだな。」

「あぁ、開発が禁止されたシステムを代表候補生の専用機に積んだんだ。軍もただでは済まさんだろう。」

 

急ぎながらも上機嫌で話す彼らは前方に居る人影に気付かなかった。

 

「ふ~ん、そう言う事だったんだ~。」

「「!」」

 

前から聞こえる声に驚き足を止める二人。

恐る恐る、前の人物に目を向けた。

 

「今の聞こえた~。二人とも。」

「えぇ、ばっちりよボス。」

「はっきり聞こえたぜ。こいつらの魂胆!」

 

女性が、携帯端末越しに二人の部下と思われる女性たちとこっちを見て話していた。

 

「誰だ貴様!」

「そこを退け!私達は…!」

「ドイツ軍IS部隊指揮補佐官アイフマン中佐とベートレン少佐ですね。」

「知っていたか。」

「ならば、通せ。今回の事は、上層部に急いで報告する義務がある。」

「そうですか。ですがお二人にはこの場での捕縛命令が出ておりますよ。」

「なっ!何故、貴様がそんな事を知っている!」

「ドイツ軍上層部からの依頼です。貴方がたが命令した技術士官の告発でね。」

「なん…だと!」

「大人しく捕まって下さいね。」

 

そう言って、その人物が手を挙げると自分達を囲う様に特殊装備に身を固めた集団が現れ拘束されて連行される。

 

「あぁ、忘れる所でした。お電話です。」

 

端末を捜査してとある人物に繋ぐ。

 

「やぁ君達、気分は如何かな?」

 

二人の良く知る人物からの声が聞こえる。

 

「如何やら、余りよろしく無い様だ。では手短に言おう、よくも私の可愛い部下に手を出してくれたな。」

 

静かだが怒気の籠った声が続く。

 

「私は、君達を決して許しはしない。」

 

その後に、続く言葉は無かった。

そこで漸く、彼らは自分達が獅子の尾を踏んだと気が付いた。

場所は替わり保健室だは第一試合に出ていた四人が居た。

ラウラは未だに眠っており一夏はついさっき目を覚ました。

 

「本当に大丈夫か?」

「あぁ、それよりお前達は?」

「検査の結果は異状なしだって。」

「そうか。」

「それより、織斑先生が後で職員室に来いって。」

「あ、あぁ。分かった…。」

 

あの後、打鉄はあらゆる個所に損傷が見つかり部品を総取り換えになった。

その事も、含め今回の責任者の一夏に呼び出していた。

 

「じゃあ、逝ってくる。」

「あぁ、頑張れ。」

「健闘を祈ります。」

 

もう既に怒られているシャルルと箒は死地へと赴く一夏を見送った。

 

「私も、失礼するぞ。」

「あれ?もう行くの?」

「あぁ、少し外の風に当たりたい。」

 

そう言って、保健室から出ていく箒を見送ってシャルルは一人になる。

ラウラを一人で寝かせておくのも気が引けた。

如何、暇を潰そうか考えていると携帯が鳴りだした。

相手の名を見て、一瞬だけ出る事を躊躇うが意を決して電話に出る。

 

「シャルロット無事か!」

「おゎ!声が大きいよ、お父さん!」

「むっ!済まん…。」

 

電話の相手は父親だった。

とても心配した声で叫ばれたので驚きで変な声が出た。

 

「全く、如何したの?急に、電話なんて。」

「いや、日本に行ってた社員から事件の事を聞いたらな…。」

「お父さん?」

「…済まなかった。」

「急に、如何したの?」

「お前の為とは言え、私達はシャルロットに…。」

「もう、いいよ。」

「シャルロット…。」

「辛かったけど、今ので大切にされてた解ったし。」

「…。」

「それに、僕より二人の方がずっと辛かっただろうし。」

「ありがとう。シャルロット…。」

「あっ!でも、家に帰ったらちゃんと教えてね。今まであった事やお母さんとの思い出とか。」

「あぁ、勿論だ。」

「約束だよ。じゃあ、もう切るね。」

「うん、またな。」

 

電話が切れると暫く感傷に浸る。

 

「父親からか?」

「うわ!何だ、ボーデヴィッヒさんか。起きてたの?」

「つい、先ほどな。」

「そっか、声うるさかった?」

「いや、大丈夫だ。」

「そっか、良かった。」

「…責めないんだな。」

「何を?」

「忘れた訳ではあるまい。私は、お前達に随分無礼な事を言った。」

「あぁ、気にしてないよ。一夏だって、本心じゃないって判ってたし。」

「それでも!」

「気が収まらない?」

「うむ…。」

「じゃあさ、今度からラウラって呼んでいい?僕はシャルロットでいいから。」

「そんな事で良いなら構わんぞ。」

「うん。よろしくねラウラ。」

「よろしくな、シャルロット。」

 

二人が名前で呼び合い握手を交わす。

 

「話は纏まったか?」

 

千冬が保健室に入って来る。

後ろに、疲弊した一夏を連れて。

 

「デュノア、織斑を連れて山田先生の下まで行け。彼女が呼んでいた。」

「はい。行こう一夏。」

「あぁ、行こう…。」

 

疲弊した一夏を庇いながら保健室を後にする二人を見送ると千冬はラウラに向き合う。

 

「ボーデヴィッヒ。VTシステムを知っているか?」

「はい。開発が禁止されたシステムの筈ですが…?」

「シュヴァルツェア・レーゲンにそれが搭載されていた。」

「なっ!」

「下手人はもう捕まっている。」

「狙いは?」

「現指揮官の失脚だそうだ。」

「…私は、教官になりたいと思っていました。それを、利用されたのでしょう。」

「今は、どうだ?」

「私が、思う強さは見せかけだけの夢幻と変わらないと判っただから、自分だけが見つけられる強さを探したいと思います。」

「そうか。まぁ、頑張れ。」

「はい!」

 

その頃、真耶の説明で今回にから時間を別けて男子にも大浴場が開放されることを聞いた一夏達は大浴場に来ていた。

勿論、一夏はモザイクゴーグルを着けてである。

 

「このモザイクゴーグル、完全防水な上に湯気の曇り防止レンズなのか。その上、対象以外はモザイクを外す事が出来るって凄い盛沢山だな。」

 

先に、湯に浸かっていた一夏は一人ミスリルの技術力に驚いていた。

 

「お待たせ~って、やっぱりそれ着けてるんだね。」

「あぁ、まぁな。親しき中にも礼儀ありって奴だ。」

「ふ~ん。あっ!そうだ、少し前にお父さんから電話がきたんだ。」

「そうか。どうだった?」

「心配してた。…一夏、ありがとう。」

「礼を、言われる事じゃない。それに、実際に動いたのは愛子姉さんだ。」

「うん。それでも、感謝してるんだ。」

「シャル…。」

「僕の本当の名前、まだ言ってなかったね。」

「聞いて無いな。何て言うんだ?」

「シャルロット…シャルロット・デュノアだよ。」

「良い名前だな。」

「うん。」

 

こうして、夜は更けるそして翌朝。

 

「えぇ、皆さんにお知らせがあります。」

 

一年一組は、朝から騒然としていた。

ある二人の生徒の姿が見えない為である。

 

「今日から、このクラスに転校生が来ます。」

 

真耶の言葉に動揺が奔る。

 

「入って来てください。」

「はい。」

 

返事と共に入ってきた姿にクラス中が困惑する。

 

「シャルロット・デュノアです。またよろしくお願いします。」

 

しばしの沈黙の後、嵐が来る。

 

「美少年かと思ったら、美少女だった何て…。」

「あやしいと思ってたのよ。男子の転校生何て…。」

 

教室あっちこっちから聞こえて来る落胆の声。

そして誰かが気付く。

 

「あれ?そう言えば昨日って、男子が大浴場を使ってたような?」

 

ドッカン!

その言葉の後、入り口の方から爆音が響く。

 

「一夏…質問に応えなさい。あんたなら気付いてたと思うけど。昨日、どうやってお風呂に入った?」

「一つ目の質問ならはい、だな。二つ目はミスリル特製モザイクゴーグルを着けて入ったが。」

「そう、なら良いわ。疑って悪かったわね。」

「気にするな。」

「でも、これもケジメって事で。」

「待て鈴…。」

 

龍咆の狙いを一夏にさだめる。

一夏は慌てずに説得を試みようとする。

しかし、放たれた後だった。

 

「お怪我はありませんか?師匠。」

 

それでも直撃する直前で一夏と鈴音の間にラウラが割って入った。

 

「助かったで、ボーデヴィッヒ。その師匠とは?」

「はい!先日の事件の後、ドイツに居る仲間に敬愛するに値する人物を何と呼べいいか聞いたところ、この呼び方が良いと聞きました。」

「織斑先生とは、違うのか?」

「はい。違いました、織斑先生から感じた力へ憧れとは違った。言い表すのなら、心からの感服。」

「…。」

「力じゃない、信念の強さそれを感じたました。だから、私は貴方から学びたいその心の在り方を。」

「そうか、だが俺もまだ半人前だ故に弟子はとらん。」

「師匠!」

「しかし、そう呼びたいだけであるならば好きにしろ。俺は、その自由を遮る事は許されない。」

「!ありがとうございます。師匠!」

「あと、練習相手位なら引き受けてやる。」

「流石は、ウルズ7を継ぐ者。」

「ラウラ、それはただ呼ばれてるだけだ。俺自身では、まだ名乗れない…継承の証が無い俺ではな…。」

「それは、如何ゆう…。」

 

ラウラの言葉に、陰りを見せた一夏に訳を問おうとするがその言葉は遮られる。

 

「お前達、そろそろ席に就け。凰、お前は自分の教室に帰れ。」

 

目に前の茶番に呆れつつ千冬は自分の役割をはたした。

斯くして、ここに奇妙な師弟関係が生まれ転校生を中心に起きた一連の騒動は終息したのである。

 

鈴音「何だったのあれ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




綺麗に纏めようとしたらこんな事に…。
感想などありましたどうぞよろしくお願いします。
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