アルビノボン太くんを纏った、一夏は急いでいた。
今、戦っている仲間たちの下へ。
己の、可能性の覚醒とボン太くんの進化の為に、そして仲間と共に朝日に勝利を掲げる為に、ボン太くんは決戦の場へ急いでいた。
「ふぁーもっふ!」『見えた!』
白隼形態は、高速機動用の兵装である。
しかし、それだけではない。
近接戦闘は勿論熟せるが、遠距離精密狙撃用の機能も備わっていた。
その証拠に、ヘッドギアのゴーグルは光学スコープになっており、900m程度であれば僅かな誤差も無く精密狙撃を行えるようになっている。
「ふぁーふ!ふぁーるるふぁっもっふ!」『アルファ!早速始めるぞ!』
『了解。エクストラアタックコードⅡ[トライファルコンレイ]発動!』
ヘッドギアが顔を覆い、今度は目にゴーグルがセットされる。
サブブースターが外れ、ブースターのウィングが展開してエネルギーを纏う。
ファルコウィングシールドにファルコカリバーを収め、そのまま押し込むとシールドが展開してボーガン形状の狙撃用エネルギーライフルに変形する。
隼が翼をひろげた姿を模したライフルの嘴の部分から全体にエネルギーが集約される。
仲間たちの攻勢が止んで、標的が健在である事が判明するとボン太くんは集積させたライフルとブースターに集積されたエネルギー矢を解き放った。
「ふぁーもふぁーもるふぁーもっふ!」『トライファルコンレイ!』
其々の武装から放たれたエネルギー矢は隼の姿に変わり螺旋を描く。
やがて、一つに合わさり炎の螺旋矢と成ってシルバリオゴスペルに一直線に飛んでいく。
シルバリオゴスペルが翼を広げ、少女たちに反撃を仕掛けようとした時、炎矢が直撃して海に落とす。
通常であれば、必殺の一撃とも言えるこの攻撃でも相手は二次移行機。
海中に、まだ機体反応が感知される。
「ふぁーふ!ふぁーるるっふ!」『アルファ!形態変換白鯨形態!』
『了解。モードチェンジモードホワイトホエール!』
光を放ちながら海に潜るボン太くん。
今度は、海中での攻撃に移る。
白鯨形態は、火力砲撃戦形態であるが、それは地上に限った話ではない。
この形態の武装は、水中での使用も考慮された物であり、海中に於いても地上と変わらない威力の攻撃力を持つ。
そして、この海中という環境は今のシルバリオゴスペルにとって最悪と言ってもいい環境だった。
二次移行前から、武装を光学兵器に頼っていたこの機体は、二次移行後に、その特徴がより顕著な物になった。
その為か、光学兵器だと威力が分散しやすい水中では本来の威力の半分以下の攻撃力しか発揮できないのである。
「もっふーん!もふっふーん!」『アルファ!次に行くぞ!』
『了解。エクストラアタックコードⅡ[アイアンストームオーシャン]発動!』
ヘッドギアが下りて、全ての武装がマルチロック機能により連結される。
ニブルヘイムとインフェルノが水中モードに切り替わり、フィンメーザーが全門開放され、ダイダロスが発射準備に掛る。
シルバリオゴスペルが如何にか、海中から出ようともがくが先ほどの一撃で光の翼以外の推進器が故障し上手く作動しない。
当然、ここは海中の為光の翼での移動は制約されて移動速度も落ちる。
相手が、ごたついてる間に攻撃準備を終わらせ攻撃を開始する。
「ふもーんもっふーんふーもっふ!」『アイアンストームオーシャン!』
鈴音やラウラ、簪等が繰り広げた弾幕戦と同じ威力はあるであろう重厚な弾幕が海中で行われた。
凄まじい火力の嵐に呑まれながらその余波で如何にか空中に戻ろうあがく。
しかし、四方八方から繰り出される攻撃に阻まれ中々うまくいかない。
如何にか、攻撃の隙を見つけ海上に出るがボン太くんも動いた。
「もっふーん!ふーふーもっふ!」『アルファ!形態変換白烏形態!』
『了解。モードチェンジモードホワイトクロウ!』
海上に出た、シルバリオゴスペルを追って形態を変えた。
白烏形態の持ち味は、隠密強襲行動の為の認識阻害機能センサージャマーにある。
通常のカメラや熱源センサーは勿論、赤外線センサーなどにも認識されない特殊電磁波を放ち、更にボン太くんタイプには標準でステルス機能も付いて為に発見されづらい特性を持つ。
シルバリオゴスペルのセンサーには示されてはいないが、ボン太くんは確実に背後から接近していた。
風魔と狩魔丈を連結させた武装、風刃雷牙槍を手にして音もなく近づく。
「くぁーっふ。くーくぁーくっふ…。」『アルファ。最後のやつだ…。』
『了解。エクストラアタックコードⅡ[ふもっふ流暗闘術暗刃鳴雷斬]発動。』
風刃雷牙槍の刃が電気を帯び始める。
シルバリオゴスペルは背後の異変に気付いたがもう遅かった。
「くぁーるくーくぁっふ…くぁもっふ!」『ふもっふ流暗闘術…暗刃鳴雷斬!』
電気を帯びた風刃雷牙槍の上段からの振り下げで袈裟懸けに断ち切る。
今度は、浜辺に向けて斬り飛ばされるシルバリオゴスペル。
ボン太くん以外の誰もがボン太くんの勝利を確信したが次の瞬間、飛ばされた地点から広げられた光の翼を目にした。
信じられない光景に、今度こそ全てを諦めかける。
『二次移行に必要なデータの収集を完了しました。形態移行シークエンスの発動を承認して下さい。』
その、アナウンスはその場にいた全員が聞いていた。
「ふもっふ!ふももっふ!」『了解!二次移行開始!』
ボン太くんを中心に球体が展開して、二次移行が開始された。
『一夏。お前は諦めてないんだな…私も諦めない…!今度こそ、自分を信じて見せる。決して慢心や過信ではなく己の持つ可能性を信じてみせる。』
箒の決意が紅椿に伝わったのか、紅椿が輝き新たな力を解放した。
「これは…エネルギーが回復していく!」
自身の機体に起きた変化に驚く箒。
「絢爛舞踏…。これが、紅椿が持つ単一仕様能力。この機体の本来の力…これがあれば…!」
箒の単一仕様能力の覚醒とボン太くんの二次移行。
今、この戦場で起きた二つの奇跡が結びつきこの時を新たな局面へ進ませ始めたのである。
蓄えられた戦の記憶が、彼を新たなる力を宿した存在に生まれ変わらせる時は秒読みだ。
神聖を纏いしボン太くんの誕生は次回に明かされる。
一夏「今こそ、真の後継者となる時!」
ボン太くんのセカンドシフトを楽しみに待っていてください。
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