IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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学園祭の話に、漸く入ります。


祭りの準備は騒がしくのふもっふplanning meeting

ここIS学園は、その名が示す通り少しばかり特殊な学校である。

しかし、その一部の特例を除けば一般的な私立の女子高等学校と変わらない。

当然ながら、全校集会も行われる。

 

「続きまして、生徒会長より本年度の文化祭についての説明をお話しいただきます。」

 

虚が口上を述べて、舞台袖から楯無が壇上に上がる。

 

「皆さん、おはようございます!」

 

壇上のマイクから、全体に聞こえる様に朝の挨拶をする。

 

「今年度、入学の方は初めまして。トラブルが立て続けに起こり、挨拶が遅れた事をこの場で謝罪します。」

 

素の彼女を、知っている者からすれば違和感を覚える態度である。

 

「私が、本校の生徒会長の更識楯無です。」

 

外向けの、凛とした佇まいの生徒の代表者足りえる姿で自己紹介を終える。

 

「皆さん、今年度の学校行事を思い返してどう感じていますか?」

 

本題に入る前に、質問を集まっている生徒全員に投げ掛ける。

 

「クラス代表対抗戦より始まり、学年別トーナメントそして一年生の臨海学校とこれまで何かの催しが始まる度に妨害に遭い中止になってきました。」

 

ゆっくりと諭す様に、語られる言葉に多くの生徒がその表情を曇らせる。

 

「ここに居る、誰もが思う事でしょう。今度の学園祭も、何かしらの妨害を受けるのではないかと。」

 

皆、言葉には出さないが不安ではあるらしく、内心の感情が表に出る。

 

「これ迄は、学園の警備を先生方に任せ切りになっていました。しかし、一学期の結果を見た学園上層部との協議の結果、生徒勇士の防衛部隊を設立する事になりました。」

 

集められた生徒達の間に、どよめきが起こる。

自分達が、学校生活を送る裏でそんな事が起きていると知らずにいた事に戸惑いを隠せない。

 

「メンバーは明かせませんが、生徒の中でも腕利きの人間を選出しました。だからと言う訳ではありませんが、皆さんは文化祭の準備に専念して下さい。」

 

楯無の演説が効いているのか、生徒達が次第に落ち着きを取り戻す。

 

「今回、防衛部隊の隊長と相談してとあるイベントを企画しました。今年度は、イレギュラーとは言え男子生徒が本校に入学しました、各部活動に所属している方は彼の勧誘に躍起になっている事と思います。」

 

防衛部の存在は、まだ一般生徒には公開されていない為にいまだ多くの部活動が彼を引き入れようと画策していた。

 

「今回、この状況を利用して彼がどの部活に所属するかを決めるイベント名付けて!」

 

煽り文句と共に手を挙げた、そして背後の大型空間ディスプレイが起動する。

 

「各部対抗織斑一夏争奪戦!」

 

ディスプレイに、一夏の姿が大きく映る。

そして、生徒全体が色めき立つ。

 

「ルールは、とても簡単です。基本的には、例年通りに各部活で催される企画に対して投票を行うだけです。ただし、今回は景品として授与してきた特別助成金ではありません…。」

 

勿体つけて、次に言葉の間を引き延ばす楯無。

 

「一位となった部活には、織斑一夏君を強制入部させる事になりました!」

 

一夏は、背後から複数の視線を感じた。

 

「これについては、生徒会長の権限を持って必ず実現させると約束します!」

「「「「「「うぉぉぉぉ!」」」」」」

 

生徒達の雄たけびが会場全体を揺らした。

盛り上がる生徒達を眺め見て、一夏に視線を送る楯無。

一夏はその視線を返して、静かに頷き合図を送る。

その合図に、楯無も頷き返した。

その後、教室に戻った一夏達は早速、企画会議を始めた。

だが、話が上手く纏まって無いらしい。

 

「ダメだな、却下だ。来てくれた、来場客が困惑する事は確定だな。」

「でも、私達は満足できるわ!普段隙の無い一夏君と、合法的に触れ合えるんだから!」

 

主に上がってる議題は、文化祭の出し物としては如何なものかと思わせる、[織斑一夏と○○]や[織斑一夏の○○]と言った、男性客も来るであろう文化祭からしたら余りにマニアック過ぎるものばかりであった。

気合の籠った熱弁で人数に物を言わせ大量に候補を挙げる女生徒と、冷静に捌きかなり鋭角に尖った反論で却下していく一夏。

物量で勝っても、辛辣に淡々と捌かれ二の句も上げさせない一夏の前では、女生徒側が明らかに劣勢だった。

 

「セシリア、何かいい案はあるか?」

 

このままでは、先に進めない思いセシリアに意見を求める。

 

「わたくしですか?そうですねぇ…ボン太くんと触れ合える、催しが良いと思いますわ。」

 

ボン太くんファンのセシリアらしい意見が出た。

 

「それなら、いっそ喫茶店と組み合わてみては如何ですか?」

 

ラウラがセシリアの意見に追従する。

 

「ボン太くんと喫茶店か…ボン太くんカフェと言えばいいか?」

「うん!良いよそれ!」

 

一夏が二人の意見を纏めると、シャルロットが賛同する。

他に意見も上がらず、一年一組の出し物はボン太くんカフェとなった。

 

「という事に、なりました。」

「うん…分かってた、こう言う結果に成る事は薄々気付いてた…。」

「ボン太くんカフェ…良い…!」

 

千冬が遠い顔をしている横で、真耶は高揚した顔で小さく呟いた。

千冬達への報告を終えて、今日のからの事を防衛部の面々と話し合う為、一路ルアド・ロエサの方へ足を進めた。

ルアド・ロエサに到着すると、自分以外のメンバーは揃っていた。

 

「俺が、一番最後か…。」

「あぁ。とは言っても、隊長が来るのが遅いわけじゃないけどな。」

「寧ろ、時間ピッタリっす。」

「そうですか…では、本日からの予定を話し合う。」

「その前に、一ついいだろうか?」

 

会議を始めようとした一夏を、箒が遮る。

 

「なんだ?」

「今朝の全校集会で、指令が言った事は本当か?」

「あぁ、本当だ…。」

「何故、あのような事を?」

「理由は、いくつかある。一つは、敵の狙いが俺である可能性が高い事だ。」

「それと、今回の事に何の関係が?」

「俺が、大々的に表に出ればそれだけアクションを起こしにくくなる。」

「注目が集まってる人間ほど、手を出し辛いと…。」

「うん。それに、紛れ込んだ敵を炙り出し易くなるのもある。」

「それが、もう一つの理由か?」

「あぁ。まだ、いくつかあるが解り易いのはそれだな。」

「…対策は、出来てるんだな…?」

「無論だ…。」

「なら…良い。」

 

その言葉を最後に、箒は沈黙する。

そして、本題に戻り文化祭期間の間の警備などの話し合いが行われた。

 

箒「一夏…お前の事は、私達で…。」

 

 

 




漸くです…漸く、話が進む。
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