IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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唐突の学園祭スタート!


学園祭の始まりのふもっふthe curtain

IS学園の正門ゲート、普段は部外者を阻む役目を持ったこの場所も、今日は学園の外から来る来客を迎える為に開かれていた。

 

「遂に来たな!女の園、IS学園!」

「うん?如何いう意味だ、良く分からんな?」

「数馬…お前…!」

「まぁ、良いさ。今日の、目的は一夏達のクラスでやっているボン太くんカフェだ!」

「数馬ぁぁ!お前はぁぁぁぁ!」

 

実質、女子校とも言えるIS学園を前に思春期真っ盛りの順当な反応を示す弾と、ボン太くんファンを地で行く数馬の会話は何処か噛み合わない。

 

「ふん!」

「げっふー!」

 

数馬に掴み掛ろうとする弾の腰に、蘭の蹴りが炸裂する。

 

「おい!大丈夫か弾!」

「気にしないで下さい!お兄なら、慣れてますから!」

 

勢いよく転んだ弾を心配して、駆け寄る数馬に静止の声を掛ける蘭。

 

「慣れてるって…蘭、流石にそれは…。」

「そうだ!もっと、言ってやってくれ数馬ぁ!」

 

思ったよりも、元気そうな弾を見た数馬は蘭の方を向く。

 

「…済まんな蘭、さっきの言葉は撤回しよう。」

「いえ、いつもの事ですから…。」

「いや!さらっと聞き流してるけど、何気に酷いからなお前ら!」

 

蘭に、同情の念を込めて謝罪する数馬と、その謝罪を受け取り疲れたような疲れた表情を見せる蘭、そんな二人に起き上がりツッコミを入れる弾。

普段から、よく会う三人のちょっとした寸劇を通行人が遠巻きに眺めていた。

 

「それにしても、数馬さんも招待状を送って貰えたんですね。」

 

純粋な疑問を口に出す。

 

「あぁ、ボン太くんサマーフェスの時に知り合った方から送って貰えてな。」

「そうなんですか!如何いう人なんですか⁉」

「確か、セシリアさんと言ったかな…?」

 

この手の話題は女性が食いつきやすい、無論蘭も興味津々で詳しく聞いてくる。

 

「数馬ぁぁぁ!お前だけ、既に出会いが在ったと言うのかぁぁぁ!」

「あぁ、もう!今は、私が聞いてるの!お兄は、大人しくしてて!」

「がっふ!」

 

再び数馬に掴み掛ろうとする弾の腹部に、蘭の右拳が炸裂する。

 

「はぁ…弾、蘭まだやるのか?先に、行くぞ?」

「あっ!待って下さい数馬さん!」

「ちょっ!待って…くれ…さっきの一撃が思ったより効いて…。」

「ふう…肩を貸してやるから、ほら掴まれ。」

「済まん数馬…。」

 

蘭の一撃を諸に受けて、動けない弾に肩を貸してやり、ゆっくり入場ゲートまで歩く。

 

「招待状の呈示をお願いします。あの…大丈夫ですか?」

 

入場整理をしていた、虚が数馬に肩を借りてる弾を気に掛ける。

 

「えっ!あぁ、こいつですか?弾、大丈夫そうか?」

「あぁ…うん、まだ少し辛いかな…。」

「そうですか…ここで少し休んで行かれます?」

「お願いできますか?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「じゃあ、弾暫く休ませて貰え。」

「おう…回復したら追いかける…。」

「おっと、忘れる所だった。招待状の確認をお願いします。」

「私も、お願いします。」

 

懐から、招待状を出して虚に見せる。

 

「はい、確認できました。どうぞ、楽しんできてくださいね。」

「はい。弾の事は、頼みます。」

「お兄がご迷惑をお掛けします。」

 

蘭が、虚にお礼を言っていると、弾が思わず反論する。

 

「蘭…元はと言えば…お前が…!」

「はいはい、じっとして居て下さいね。」

「うぅ…お世話をおかけします。」

「いえいえ。」

 

弾を虚の下に預け、数馬と蘭は一年一組に向かう。

入場口で受け取ったパンフレットを頼りに目的地まで進むと、長い行列が見えて来た。

 

「並んでるな、最後尾は何処だ?」

「これって、一夏さんのクラスの出し物の行列ですよね?」

 

行列の最後尾を探して彷徨っていると数馬は、よく知る人物の姿が見えた。

 

「セシリアさん…。」

「まぁ!数馬さん!来てくださいましたの⁉」

「はい。ボン太くんファンとしては、ここに来ずして何処に行くってものです。」

「ふふ。それじゃあ、精一杯お持て成ししなければいけませんわね。」

「それで、最後尾は何処に?」

「そこの、廊下を突き当たった辺りですわ。」

「ありがとうございます。行こう蘭。」

「っ!あぁ、はい…!」

 

目の前で起きた事に驚きしばし固まっていた蘭が、列の最後尾に向かう数馬を追う。

あの、異性よりボン太くんを第一に考えていた数馬が、金髪の美しい女性とにこやかに会話をしていた、その事だけで色々理解が追い付かない。

 

「あの、数馬さん?」

「なんだ蘭?」

「さっきの人が、セシリアさんですか?」

「ん?あぁ!そうだ、あの人がセシリア・オルコットさんだ。」

「何だか、驚きました…数馬さんが、女の人と普通に話していて…。」

「うん…俺も、不思議なんだ。セシリアさんとは、初めて会った時から話の馬が合ってな。」

「はぁ…世界は広いですね…。」

「まぁ…な。」

 

行列の中間ぐらいまで進んだ頃、復活した弾が合流してきた。

 

「随分、時間が係ったな?」

「あぁ、あの人…虚さんって言うらしいんだけど、俺が回復を待ってる間話し相手になって貰ってさ…。」

「…それで、遅くなったと…。」

「お兄…!」

「いや、虚さんが話題の振り方が上手くてさ、つい話しこんじゃって…。」

「やれやれだな…。」

「ホントです…。」

 

何処までも、呑気な弾に呆れを滲ませる数馬と蘭。

その場で、立場が無く小さくなる弾であった。

それから、順当に列は動き数馬たちの番になる。

 

「いらっしゃいませ!ボン太くんカフェへようこそ!」

 

ボン太くんのファンキャップを付けたスタッフが対応してくれる。

 

「3名様ですか?」

「はい。」

「では、お席に案内します。」

 

スタッフに連れられ、ボン太くん一色に飾り付けられた教室に入る。

 

「こちらの席にどうぞ。」

 

丸形のテーブルにボン太くんの顔の形をした背凭れの付いた椅子が三つ並んだ席に通される。

 

「此方、メニューと為っております。」

 

背中のバックからメニュー表を取り出して渡す。

 

「ご注文が決まりましたら、声を掛けて下さいね。」

 

そう言い残し、その場を離れる。

 

「素晴らしい…ここまで、ボン太くんが前面に出ている催しは久しく見てないぞ。」

「当然ですわ。」

 

数馬が感嘆の声を漏らしていると、さっきも聞いた声が聞こえる。

 

「内装の大部分は、わたくしがデザイン致しましたの。」

「セシリアさん。」

「ご注文は決まりまして?数馬さん。」

「いえ、何かおすすめは?」

「では、このボン太くんワッフルなど如何でしょう?」

「おお!形が、ボン太くんの顔になってるのか!」

「はい!そこは、拘って型を選びましたの!」

「じゃあこれを、二人も同じ物で良いか?」

 

さっきの蘭同様、弾も目の前の光景にしばし固まっていた。

 

「あっあぁ!同じ物で…!」

「私も…。」

「ふふ、かしこまりました。」

 

オーダーを取り厨房に注文を伝えに行ったセシリアを見送り、弾は数馬に詰め寄る。

 

「数馬…おま、お前…女性と普通に…。」

「蘭と同じ反応だな。あぁ、彼女とは、何故か普通に話せる。」

「一体、それは…?」

「さぁ、自分でもさっぱり分からない。」

 

数馬は、それ以外はセシリアについて何も話そうとはしなかった。

だが、五反田兄妹は何だかんだで真相に近い物に気付いていた。

気付いていないのは、本人たちだけである。

 

セシリア「フフフ、数馬さんが来てくれました。」

 

 

 




此方の世界線だと、数馬君は一夏よりかは劣るもののそれなりにモテます。
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