IS学園の地下にて出会った兄妹と、二機の兄弟関係にあるボン太くん。
彼らは暫く、微妙に噛み合わない会話を交わしていたが、一先ずこの状況を如何にかすべく行動を開始する。
「きゃーきゃっふ!」『先ずは、足止めです!』
「なっ!くぁぁぁ!これは…耳が!」
Rボン太くんの黒蝙蝠形態のヘッドギアから直接、音波攻撃を受けたガーベラは耳を押さえその場に蹲る。
「きゃーっふきゃふっふ。」『兄さん、じっとして居て下さい。』
手に主力装備の二本のダガーを持って、アラクネの捕縛ネットを切っていく。
「くぁーっふ。くぁぁ?」『助かった。えぇっと?』
「きゃるるっふ!」『リベリオンと呼んで下さい!』
「くゎーくーくっふ?くぁーふるくっふる?」『リベリオン?リベリオンボン太くんだからか?』
「きゃっふ!きゃっきゃっふ!」『はい!アルビノ兄さん!』
さっき迄とは異なり、和やかな会話である。
「あの…!いい加減!音波攻撃を止めて下さいませんか⁉」
自分に音波攻撃を続けながら会話をする、二人のボン太くんに心からの懇願をするガーベラ。
その声を聞いて、どうするか二人して考え出したボン太くんズ。
「いえ、あの…其方の白い方の着ぐるみは解放されたじゃないですか⁉」
焦ったガーベラは、ボン太くんファンに取ってのNGワードに触れてしまう。
「くゎーっふ!」『着ぐるみじゃない!』
「きゃ―もっふ!」『ボン太くんです!』
二人してガーベラの言葉を切り捨てた後、音波攻撃を止めステルスを機動させた。
如何やら、この二人は本気で絞め倒すつもりの様だ。
ステルスを起動させた状態でRボン太くんは背後に回り、Aボン太くんは頭上に陣取る。
「きゃーっふ!」『先ずは、こいつからです。』
「へぇ?な、何が起きて…!」
二人が見えなくなった事で、周囲を警戒していたガーベラは背後で突然聞こえた声に驚いた。
「!エネルギーが、どんどん吸われてる⁉」
突然現れた警告表示を見て、アラクネのシールドエネルギーが吸われている事に気が付く。
「きゃふっふ!」『それだけじゃありません!』
「なっ!操作が出来なく…!」
Rボン太くんがアラクネから離れると、急に制御を受け付けなくなった。
これがRボン太くん黒蝙蝠形態の主力装備、クラックダガーの力である。
クラックダガーは、刃の付け根にISのシステムを麻痺させるウイルスが仕込まれているつまり、攻撃を繰り出すと攻撃した部分からエネルギーラインに入り、直接システムをクラッキングして操作系統を麻痺させるとこが出来るのである。
エネルギー吸収は、その際に行われる副次的な効果であった。
コントロールできなくなったアラクネは、自らの背面ユニットを攻撃しだした。
「そんな…こんな事が…!」
「くゎっふ…!」『今度は、俺だ…!』
頭上から声がしたと思えば、ワイヤーダガーがガーベラを拘束するように降って来る。
「くーくっふくぁーくーもっふ…くゎっもっふ!」『さっきは良くもやってくれたな…お返しだ!』
手に持った大手裏剣を、ワイヤの引き戻しの勢いに乗せて叩き込む。
「ぐぁっは!」
お返しも何も、登場してから一回も攻撃らしい攻撃を出せてないガーベラからしてみれば踏んだり蹴ったりもいい所である。
「このままでは…!仕方ありません…。」
そう小さく呟くと、制御が利かないアラクネの背面ユニットを切り離し逃走を図る。
「きゃーもっふ!」『逃がしません!』
「くぁーもっふ!」『これで、終わりだ!』
二人のボン太くんが叫ぶ。
『エクストラアタックコード[ふもっふ流投擲術雷装大円光刃]発動!』
『エクストラアタックコード[ハウリングバットロアー]発動!』
アルファとベータから其々のエクストラアタックコードが告げられる。
Aボン太くんのヘッドギアが顔の半分を隠しオッドアイが輝く、首に巻かれていたビームクロスの発生器になっているクローヘッドを雲雷手裏剣の中心に取り付けた、雲雷手裏剣のプラズマ刃発生装置からビーム刃が生成される。
Rボン太くんも同様にヘッドギアが顔の半分を覆うと、被膜状の背部ユニットが反響スピーカーに機能を換えて耳の音波発生装置も最大放射モードになる。
見るからに、殺意しか感じられない二人の様相に怯えながら切り離した背面ユニットを盾にして逃げるタイミング図る。
先に動いたのはRボン太くんの方だった。
「ぎゃーもっふーーーー!ぎゃ!ぎゃっふーーーーー!」『ハウリングーーーー!バット!ロアーーーーー!』
凄まじい大音量の音声が部屋の中で暴れまわる、ロッカーは拉げてベンチは潰れ部屋に有ったあらゆる物が破壊される、勿論アラクネの背面ユニットも例外ではなく、辛うじて胴体だった部分は半分ほど形を残したがそれ以外は空間の振動に耐えられず粉砕された。
如何にか、Rボン太くんの攻撃を耐えきったガーベラだが安心しても居られなかった。
Rボン太くんのすぐ後ろで、エクストラアタックコードの影響を受けずに待機していたAボン太くんのエクストラアタックコードが直ぐに発動する。
「くーもっふくぁーっふ…くーくぁくゎもっふ!」『ふもっふ流投擲術…雷装大円光刃!』
ビーム刃を円形に発生させた雲雷手裏剣が高速回転しながら、残った胴体部ごと後ろに隠れてたガーベラに直撃する。
「がぁぁぁぁぁ!」
幾ら絶対防御があるとはいえ、高速回転しながら直進するビーム刃を纏った大手裏剣の一撃は重く、本日二度目の壁に激突からの突き抜けを体験する事になった。
「ふもっふ…。」『やり過ぎたか…。』
「ふも。ふもふもふももっふ。」『いえ。彼女は、あれ位じゃ死にませんから。』
「キング2!此方、クイーン3ですわ!先程の大きな音は何ですの⁉」
若干、遣り過ぎた感を思ってAボン太くんが小声で呟くと少しずれた返答をRボン太くんが返した。
その時である、部隊コードで通信が入った。
先程の戦闘の物音が外まで漏れていたらしい、慌てたセシリアの声が聞こえる。
「ふもふもるっふ。ふもふもっふ?」『いや、何でもない。それより、そちら如何だ?』
「え?あぁ、此方はもんだいありませんわ。」
「ふも。」『そうか。』
「それと…ん⁉何ですかあれは⁉」
「ふも!」『如何した!』
「謎のパワードスーツを着た一団が、学園敷地内に侵入した模様ですわ!」
「ふも!ふーもっふふもるるふもっふ!」『了解!一先ず、民間人を避難させるんだ!』
「了解ですわ。」
「ふもふももっふふーもっふ!ふもるっふふもーふもっふ!」『あとの指示は、合流でき次第行う!それまでは各員の判断で動け!』
「「「「「「了解!」」」」」」
通信が切れると、Aボン太くんはガーベラを確保する為に行動を開始させた。
遂に始まった、IS学園を戦場にしての初めての防衛戦、乗り込んできたのは亡国か?アマルガム残党か?今はまだ全容が知れないのであった。
一夏「操縦者が、生きていればいいが…。」
ボン太くん二体はオーバーキルでした。
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