IS世界のボン太くん   作:マガガマオウ

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学園祭編の終わりです。


IS学園の祭りは内密に終わるfinal curtain

襲撃騒動から一夜明け、負傷したラウラと鈴音を除いた防衛部のメンバーがほぼ全員ルアド・ロエサに詰めていたが、ここにはそれ以外の人間も居た。

円夏と数馬の二人が、其々の円卓の席についたメンバーたちの注目を受けながら向かい合う様に立っている。

その他にも教師陣の代表者として千冬、防衛部の顧問の愛子それから何故かテッサと護衛のスコールとオータム、更には円夏の同行人としてクララとアデリーナもこの場に集められていた。

 

「二人とも楽にしてくれ、この場は尋問の場ではない。飽く迄、君達其々の事情を聞かせて貰う語らいの場だとことわって置こう。」

「はぁ…理解しました。」

「此方も承知した。」

 

全員の前で起立したまま発言のする様子が無い二人に、一夏は緊張をほぐす為に話し掛ける。

 

「隊長、彼女に一つ質問がしたいのですが。許可を頂けますか?」

 

箒が手を挙げ、一夏に質問する許可を伺う。

 

「クイーン5か、良いだろう質問を許可する。」

「ありがとうございます。では…。」

 

一夏が許可を出して、箒が円夏に視線を向け言葉を続ける。

 

「若しかしたら、今からする質問は貴女に取って答えたくない事に当たるかもしれない。その場合は答えなくても構わないが、もしそうで無ければ答えて欲しい。」

「分かりました。」

「貴方の容姿について聞きたい。貴女は、こうして見ても織斑先生とよく似た容姿をしている。如何言った関係にあるのかを聞きたい。」

「それは…。」

「その質問は、私達が答えるわ。」

 

箒の質問の答えに窮していると、見兼ねたスコールが代わりに答える。

 

「彼女は織斑円夏、織斑夫妻の下に居た千冬さんと一夏君の実の妹よ。」

「なっ!」

「……。」

 

スコールが語った衝撃的な事実に箒は驚き円卓に座るメンバーも殆どが無言の困惑を示した。

だが一夏に驚いてる様子は見られず、寧ろ承知していたんじゃないかと思わせる態度を取る。

 

「隊長…いや一夏、お前は知っていたのか?」

「知らなかった。だが予想は出来たよ、何せ彼女が初対面の筈の俺を兄さんと呼んだからな。」

「そうなのか、織斑。」

「はい。疑問に思っていましたが、彼女の容姿を見て合点がいきました。」

「ふむ……円夏と言ったか?」

「は、はい!姉さ…千冬さん。」

「……私の事は、姉とは呼んでくれないのだな…。」

「えっ?あっ!いえ、決して悪気があった訳じゃなくて……その、今まで会った事も無い私に姉さんって呼ばれるのは嫌じゃないのかなって…。」

「…はぁ、嫌な訳ないだろう。普通に姉さんで構わん。」

「!はい!姉さん!」

 

千冬の呆れた様な慈しむ様な声音を聞き、こみ上げて来るものを抑えられず少し涙ぐみ元気よく答えた。

微笑ましくも暖かな織斑家の会合は、緊張が取れてなかったこの場の空気を緩ませてくれた。

 

「あの…隊長、わたくしからも一つ宜しいでしょうか。」

 

円夏と織斑姉弟の事で流れつつあった状況を、おずおずと手を挙げたセシリアが引き戻した。

 

「何だ、クイーン3?」

「いえ。何故、彼が…数馬さんが、ISを動かしていたのかをまだ話し合っていませんので。」

「「「!」」」

 

セシリアの発言で出席者達は其々二種類の反応を示した、一夏以外の男性がISを動かした事実を思い出して困惑する者と訳を知っているのか平静を保った者、前者は真耶と円卓の席に座る防衛部のメンバーで後者はミスリルに深く関わりを持っている人間であった。

 

「クイーン3、それからここに居る全員にはこれから言う事は口外厳禁で頼む。」

「?はい…?」

「数馬、お前にも言っておかなければならない事だ…。」

「……分かった。」

 

全員に注意喚起を行い、一息入れてから一夏は語りだした。

 

「先ずは、何故数馬がISを起動させられたかについてだが、これの答えは数馬のBボン太くんが現在試験段階の男性反応型ISコアを使用されているからだ。」

「なっ!」

 

一夏の説明はとても衝撃的だった、それは何故一夏がそんな事を知っているかと疑問に思うよりも男性に対応できるISコアの開発が早すぎる事の方が大きかった。

 

「俺と言うベースが有るとは言え、研究から開発に至るまで膨大な時間を要する筈だったんだが…。」

「私が束さんの研究のお手伝いさせて貰いました。」

 

言葉を区切った一夏の後にテッサが続いた。

 

「そう言う事だ。他にも相良先生も関わっているからな、開発自体は早期に完成していたらしい。」

「成る程…理解しましたわ。」

 

この世界でもトップクラスの頭脳を持った人間が集まれば、原型が有る物ならばそこまで時間をかけずに形にできるのは道理である、しかも財力もあるから資金面の心配も無かった。

 

「ただ問題が一つあった、国際IS委員会の承認を得る為の実機試験を誰にやって貰うか、当然最初はミスリルの社員が候補に挙がったが直ぐに取り止めになった。」

「何故ですの?」

「一夏君の事があって警戒され始めてたんだよ、それで一般から応募を募ろうって案が出たんだけど…。」

 

セシリアの疑問に、今度は愛子が回答を示し最後は言葉を濁す。

 

「今度は女性権利団体からの妨害の可能性が出て来てしまった。だから最終案として、現状で唯一の男性IS操縦者である一夏君に候補者の選定を一存しようってなった訳よ。」

 

言葉を濁した愛子に代わり、スコールが続けた。

 

「そこで候補者として数馬を推薦した、勿論女性権利主義者からの目を逃れる形でBボン太くんを起動出来るように準備も整えてな。」

「…そう言う事ですの、何だか話が大きすぎて理解できてない部分も有りますが大体は読めましたわ。」

「待ってくれ!」

 

事情を理解して話をたたみに係る時に、件の話の中心人物であった数馬が声を出す。

 

「その話の内容だと、今日俺がこのBボン太くんを動かすのは確定事項だと聞こえるが、俺がBボン太くんの場所まで辿り着き更に起動できる確証なんてなかったはずだろ!」

「いや、確証は有った…。」

 

確かに数馬の意見も至極当然な事だった、だが一夏は静かにそれを否定した。

 

「Bボン太くんの機動のカギとなるのは、特定の誰かを強く意識する事とボン太くんへ愛の深さだった。俺が想定していた状況では、十中八九その条件が揃うと踏んでいた。何せお前は俺より熱くなりやすいタイプの人間だからな、あの場に居合わせれば必ず戦闘中のセシリアと遭遇する。」

「なっ!」

「へぁ!」

 

一夏の爆弾発言に揃って顔を赤くする二人、またも場の空気が生暖かくなる。

 

「さて、初々しい二人は置いておくとしてこれから如何する?」

 

そろそろこれからの方針についての話をしたい楯無が、一夏に話を振った。

 

「それについてですが、明日の全校集会で我々の事を公開しようと思います。」

「うん、私もそれは考えていたわ。でも、その後の事を此処で決めておきたいの。」

「大丈夫です。その後についても策は有ります、抜かりは有りません。」

「そう…今ここで、その策ってやつを聞かせて貰えないかしら?」

「すいません指令。実はこの策は即効性に優れる分、多少荒業な部分が有るんです。今ここで話したら、多分ですが数馬が反対します。」

「…おい、何やらせるつもりだ?」

「ふっ…当日のお楽しみだ。」

 

不穏さを隠さずに外に出す一夏の言動に、一同は一抹の不安が過ぎった。

 

数馬「何か…寒気がする。」




すいません遅くなりました。
そして、まだまだ後日談は続きそうです。
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