我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
そして放課後がやってきた。
達也、深雪、立華、レイナは生徒会室に向かう。
今度は2人共逃げなかった。
「むう。コレ何か起こるぞ……」
「その根拠は?」
「勘。直感。第六感」
「……あてになるのでしょうか?」
「立華の勘。予言、予知、近い。的中率99%」
「「それはもう勘じゃない!?」」
レイナの言葉にツッコミを入れる達也と深雪。
立華は常に獲得しているスキルがある。
まずクラススキルである、〈■の■■〉〈単独■■〉〈自己改造〉の3つ。
そして、固有スキルである、〈魅了(偽)〉〈■■・■■■■■〉〈対毒〉の3つ。
この6つは元から持っているスキル。
そのほかに、状況に応じて、スキルを色々増減させる。
彼がいつも好んで入れているスキルの1つが〈直感〉である。
結構便利なのだ。
その気になれば高ランクの〈千里眼〉を取って、「あの3人」の真似事もできるが、それはしない。
本人曰く。
『未来はわからないから、面白いんだよ』
との事。
閑話休題。
そんな感じで彼らは生徒会室にやってきたのだが。
「その一年生を風紀委員に任命するのは反対です」
立華の予感的中。
昼食にはいなかった副会長である服部刑部少丞範蔵(本人曰く「服部刑部」会長曰く「はんぞーくん」)が反対してきた。
しかも。
「過去に
「……ほう。私の前で使うとはいい度胸している」
「今更取り繕っても仕方ないでしょう!」
達也を置いてけぼりにして言い合いが始まる。
ヒートアップしていく両者。
そして、遂に深雪が爆発。
それに、一般論で返す服部。
それに対して。
「お兄様の本当のお力を
「深雪」
何かを言いかけた深雪を止める達也。
そして。
「服部副会長」
不敵に笑う。
「俺と模擬戦しませんか?」
「……は?」
◆◆◆
そんな訳であれよあれよと内に模擬戦の準備が整う。
それほぼんやりと眺めていた立華にレイナが声を掛ける。
「リッカ」
「ん?」
「賭けよう?」
「いいぜ」
そんな会話をしていると七草が尋ねる。
「2人はどっちが勝つと思っているの?」
「「達也」」
2人の意見が重なった。
それを聞いていた深雪が嬉しそうな表情をする。
「重なったな」
「うん」
「じゃあどれくらいで終わるか賭けるか」
「わたし、5秒」
「じゃあ俺は3秒で」
そんな2人の意見に呆然とする七草。
そこへ市原が口を挟む。
「お2人は服部副会長が勝つとは思わないのですか?」
「まったく」
「うん。2人、全然、違う」
「「???」」
レイナの言葉に疑問符を浮かべる2人。
そんな中。
「試合開始!」
立会人である渡辺の言葉。
そして。
数秒で試合は決着。
勝者は……。
「勝者。司波達也」
達也だった。
魔法を発動させようとした服部だったが、達也の歩法で照準が狂ったところを、サイオンの波を浴びせて勝利したらしい。
……その時に達也のCADがシルバーホーンと言う事で中条が熱くなったが、それは些末事。
それに驚く七草、渡辺、市原、中条。そして、一応意識はある服部。
誇らしげな深雪と、するべきことをしただけという態度の達也。
そして一方。
「賭けは俺の勝ちだな」
「むー」
仲良しコンビは一喜一憂していた。
そして、服部が深雪に謝罪し、これで解散かと思われたのだが。
「会長」
「何かしら?レイナさん」
「演習場、時間、余裕、まだ、ある?」
「え?ええ。一応あるけど……」
「なら、模擬戦、していい?」
レイナの言葉に全員驚く。
衝撃から立ち直った渡辺が尋ねる。
「……誰とだ?」
「リッカ。わたし達、力、確かめる、ぴったり」
「……お前が戦いたいだけだろ?」
「久しぶり、身体、動かしたい。リッカ。ダメ?」
「別にいいけど……」
断る理由はない。
視線を七草と渡辺の視線を送ると。
「いいんじゃないかしら?」
「確かに。風紀委員に入れるに当たって実力確かめるにはいい機会だな!」
そういう訳で2人の模擬戦が決まった。
念のために演習場の時間を延長して、レイナのCADを返却して貰う。
彼女のCADは腕輪型を2つする。
「レイナ」
「何?」
達也がある事に気づく。
「そのCADは特化型か?」
「正解。よくわかる。流石、お兄様」
「……俺はお前達みたいな妹を持った覚えはない」
ニコリと笑うレイナに疲れたようにツッコミを入れる達也。
その会話を聞いた七草が指摘する。
「待って!これが特化型?」
腕輪型のCADを見る。
普通特化型は銃形態が多いのである。
が。
「拳銃。格闘、邪魔」
「なるほど……」
納得する達也。
確かにそうだろう。
「ではルールはどうする?」
「いつも通り」
「ああ。それでいい」
再びの立会人の渡辺の疑問に2人が答える。
「いつも通り?」
「死ななければなんでもあり」
「「「「「「!?」」」」」」
一同絶句。
「ちょ、ちょっと待って!もしかして蹴りとかも?」
「当たり前」
そう言ってレイナは軽く宙に向けて蹴りを撃つ。
綺麗なフォームだった。
「いつも、わたし、リッカ、模擬戦。こう」
「ああ」
最近はご無沙汰だったが、この2人の模擬戦はいつもこうだった。
死ななきゃ、治してくれるのが何人もいたためだった。
「大丈夫。血、出るだけ」
「それは大丈夫ではないと思うのですが……」
深雪が呟いた。