我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第十二節:模擬戦 前編

 そして放課後がやってきた。

 達也、深雪、立華、レイナは生徒会室に向かう。

 今度は2人共逃げなかった。

 

「むう。コレ何か起こるぞ……」

「その根拠は?」

「勘。直感。第六感」

「……あてになるのでしょうか?」

「立華の勘。予言、予知、近い。的中率99%」

「「それはもう勘じゃない!?」」

 

 レイナの言葉にツッコミを入れる達也と深雪。

 

 立華は常に獲得しているスキルがある。

 まずクラススキルである、〈■の■■〉〈単独■■〉〈自己改造〉の3つ。

 そして、固有スキルである、〈魅了(偽)〉〈■■・■■■■■〉〈対毒〉の3つ。

 この6つは元から持っているスキル。

 

 そのほかに、状況に応じて、スキルを色々増減させる。

 彼がいつも好んで入れているスキルの1つが〈直感〉である。

 結構便利なのだ。

 

 その気になれば高ランクの〈千里眼〉を取って、「あの3人」の真似事もできるが、それはしない。

 

 本人曰く。

 

『未来はわからないから、面白いんだよ』

 

 との事。

 

 閑話休題。

 

 そんな感じで彼らは生徒会室にやってきたのだが。

 

「その一年生を風紀委員に任命するのは反対です」

 

 立華の予感的中。

 昼食にはいなかった副会長である服部刑部少丞範蔵(本人曰く「服部刑部」会長曰く「はんぞーくん」)が反対してきた。

 しかも。

 

「過去に二科生(ウィード)が風紀委員になったと言う事例はありませんよ」

「……ほう。私の前で使うとはいい度胸している」

「今更取り繕っても仕方ないでしょう!」

 

 達也を置いてけぼりにして言い合いが始まる。

 ヒートアップしていく両者。

 そして、遂に深雪が爆発。

 それに、一般論で返す服部。

 それに対して。

 

「お兄様の本当のお力を()ってすれb」

「深雪」

 

 何かを言いかけた深雪を止める達也。

 そして。

 

「服部副会長」

 

 不敵に笑う。

 

「俺と模擬戦しませんか?」

「……は?」

 

 ◆◆◆

 

 そんな訳であれよあれよと内に模擬戦の準備が整う。

 それほぼんやりと眺めていた立華にレイナが声を掛ける。

 

「リッカ」

「ん?」

「賭けよう?」

「いいぜ」

 

 そんな会話をしていると七草が尋ねる。

 

「2人はどっちが勝つと思っているの?」

「「達也」」

 

 2人の意見が重なった。

 それを聞いていた深雪が嬉しそうな表情をする。

 

「重なったな」

「うん」

「じゃあどれくらいで終わるか賭けるか」

「わたし、5秒」

「じゃあ俺は3秒で」

 

 そんな2人の意見に呆然とする七草。

 そこへ市原が口を挟む。

 

「お2人は服部副会長が勝つとは思わないのですか?」

「まったく」

「うん。2人、全然、違う」

「「???」」

 

 レイナの言葉に疑問符を浮かべる2人。

 そんな中。

 

「試合開始!」

 

 立会人である渡辺の言葉。

 そして。

 

 数秒で試合は決着。

 勝者は……。

 

「勝者。司波達也」

 

 達也だった。

 

 魔法を発動させようとした服部だったが、達也の歩法で照準が狂ったところを、サイオンの波を浴びせて勝利したらしい。

 ……その時に達也のCADがシルバーホーンと言う事で中条が熱くなったが、それは些末事。

 

 それに驚く七草、渡辺、市原、中条。そして、一応意識はある服部。

 誇らしげな深雪と、するべきことをしただけという態度の達也。

 そして一方。

 

「賭けは俺の勝ちだな」

「むー」

 

 仲良しコンビは一喜一憂していた。

 そして、服部が深雪に謝罪し、これで解散かと思われたのだが。

 

「会長」

「何かしら?レイナさん」

「演習場、時間、余裕、まだ、ある?」

「え?ええ。一応あるけど……」

「なら、模擬戦、していい?」

 

 レイナの言葉に全員驚く。

 衝撃から立ち直った渡辺が尋ねる。

 

「……誰とだ?」

「リッカ。わたし達、力、確かめる、ぴったり」

「……お前が戦いたいだけだろ?」

「久しぶり、身体、動かしたい。リッカ。ダメ?」

「別にいいけど……」

 

 断る理由はない。

 視線を七草と渡辺の視線を送ると。

 

「いいんじゃないかしら?」

「確かに。風紀委員に入れるに当たって実力確かめるにはいい機会だな!」

 

 そういう訳で2人の模擬戦が決まった。

 念のために演習場の時間を延長して、レイナのCADを返却して貰う。

 彼女のCADは腕輪型を2つする。

 

「レイナ」

「何?」

 

 達也がある事に気づく。

 

「そのCADは特化型か?」

「正解。よくわかる。流石、お兄様」

「……俺はお前達みたいな妹を持った覚えはない」

 

 ニコリと笑うレイナに疲れたようにツッコミを入れる達也。

 その会話を聞いた七草が指摘する。

 

「待って!これが特化型?」

 

 腕輪型のCADを見る。

 普通特化型は銃形態が多いのである。

 が。

 

「拳銃。格闘、邪魔」

「なるほど……」

 

 納得する達也。

 確かにそうだろう。

 

「ではルールはどうする?」

「いつも通り」

「ああ。それでいい」

 

 再びの立会人の渡辺の疑問に2人が答える。

 

「いつも通り?」

「死ななければなんでもあり」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 一同絶句。

 

「ちょ、ちょっと待って!もしかして蹴りとかも?」

「当たり前」

 

 そう言ってレイナは軽く宙に向けて蹴りを撃つ。

 綺麗なフォームだった。

 

「いつも、わたし、リッカ、模擬戦。こう」

「ああ」

 

 最近はご無沙汰だったが、この2人の模擬戦はいつもこうだった。

 死ななきゃ、治してくれるのが何人もいたためだった。

 

「大丈夫。血、出るだけ」

「それは大丈夫ではないと思うのですが……」

 

 深雪が呟いた。 

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