我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第十八節:立てこもり

 長かったようで、短かった新入生勧誘週間も何とか終わった。

 その間巡回を行っていた立華やレイナ。

 

 この2人も勧誘されたのだが……。

 

「便利、だね」

「ああ」

 

 逃げ切っていた。

 暗殺者(アサシン)のサーヴァントなら大抵持っている(偶に持っていないのがいる。踊り子や拳法家等。……まあこの2人はそれに代わるスキルを持っているが)〈気配遮断〉を使う事で対処していた。

 しかも自身だけでなく同行するレイナの気配をも断つタイプを使っていた。

 なので見つからずに済んだ。

 それでも。

 

「鬱陶しい」

「……まあねえ」

 

 レイナが不満を漏らすのは無理なかった。

 まるで虫か金魚のフンだった。

 

 だが、それも終わり、ここの所は平和だった。

 

 達也と剣道部の上級生がカフェで話しているのを見かけ、その理由を聞いたり。

 雫とほのかと一緒にお茶をしたり、御飯を食べたり。

 エリカとレオの実技の居残りに付き合ったりしていた。

 

「こういうの、学生らしい?」

「ああ。それは保証する」

 

 レイナの言葉に笑う立華。

 学生生活は通算2度目なのでわかる。

 

 そして、この日は2人で帰り支度をしていた。

 

「平和が続くといいなあ……」

「多分無理」

「……だよなあ」

 

 レイナの言葉にため息を吐く立華。

 なぜならまだ火種はくすぶっている。

 何でも反魔法国際政治団体【ブランシュ】の下部組織が動いているそうなのだ。

 【エガリテ】と言うらしく、生徒にもメンバーがいるそうだ。

 彼らの秘密を知る3人の内の1人である「軍人」からの情報だった。

 ……まあ「彼女」の知っている割合は、残り2人よりも圧倒的に少ないが。

 メールをくれたのだ。

 

「それにアイツに頼んで調べて貰ってるから、そろそろ結果出ると思う」

「誰?」

「パライソちゃん」

「……ああ」

 

 レイナがあの属性てんこもりのくノ一の姿を思い浮かべる。

 

 (「戦国、未亡人、くノ一、少女、巫女。属性、多過ぎ」)

 

 服装が露出過多の黒包帯から、忍びになったり、巫女になったりするあの黒髪を思い出す。

 彼女は数少ない常駐しているサーヴァントの1人だった。

 

 立華はこの世界に現れてから、自身の宝具を使う事でサーヴァントを何度も召喚している。

 だが、それはあくまでも一時的な召喚であり、時間経過や送還で消える。

 因みに一応全員一通り召喚している。

 ……まあ一部のトップサーヴァントや単独顕現持ち、空間操作持ち、愛が重い面々は、勝手に現れる時もあるが。

 

 そして、彼は契約していたサーヴァントの内の何騎かを常駐させている。

 パライソ……アサシン・パライソはその1人だった。

 

 理由?

 戦闘や諜報、暗殺、呪術と上手くこなせるうえ、性格に問題もないからである。

 彼女はそれを仕事としている。

 それにレイナとの仲も悪くはない。

 

 そうしていると。

 

『第一高校の生徒の皆さん!』

 

 男の声が校内に響き渡る。

 大音量で。

 思わずクラスメイトの何人かが耳をふさいだ。 

 

『失礼しました。第一高校の皆さん!』

 

 ボリュームを調整したようだ。

 これなら平気である。 

 

『我々は校内における差別の撤廃を目指す有志同盟です!』

「差別?」

「二科生が一科生や学校から受けている待遇じゃない?」

 

 頭上に疑問符を浮かべるレイナに立華が答える。 

 

『我々は生徒会、また部活連に対し、対等な立場においての交渉を要求します』

 

 話の続きは流れてこない。

 どうやら電源を切ったらしい。

 

 なので。

 

「じゃあ帰るか!」

「うん!」

「「こんな状況で!?」」

 

 ツッコミを入れたのは丁度近くにいた雫とほのか。

 

「わたし達、関係、ない」

「うん」

「連絡来ているかもしれませんよ?」

 

 ほのかの言葉に端末を除くと。

 メールが一件。

 

 至急来るように!   渡辺

 

 とあった。

 

「今日、わたし、非番」

「俺もだよ。……見なかった事にできないかな」

「無理、後で、絶対、何か、言われる」

「だなあ。是非もない。じゃあな2人共」

「いってくる、しずほの、また明日」

「「しずほの!?」」

 

 レイナの呼び方にツッコミを入れる雫とほのかだった。

 

 そして放送室へ行くと。

 

「遅い!」

「帰らなかった、だから、感謝」

「何で威張る!?」

 

 その前には、司波兄妹、生徒会役員、風紀委員会、部活連の実行部隊がいた。

 

「突入しないのですか?」

「マスターキーは向こうが持っている」

「なら……」

 

 立華が扉に近づいていく。

 

「……言っておくが壊すのは無しだぞ?」

 

 渡辺の言葉に立華は下がる。

 壊すのなら出来るが、壊さないで開ける手段は……。

 

「あ」

「?」

「あった」

「「「「「「え」」」」」」

 

 立華が扉に近づく。

 こういう時は電気の力……獅子と紳士の力を借りる。

 軽く扉に手を当てる。

 

「ええと、こういう時は何て言うんだっけ?」

 

「そうだ!」

 

「1、2、3ダー!」

 

 バチバチバチ

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 レイナ以外全員驚く。

 立華の手で電気がスパークした。

 そして。

 

 ガチャ

 

「電気があれば何でもできる。……開きました」

 

 それを見ていた一同唖然とする。

 それに唯一平然としていたレイナが実行部隊を見た。

 

「いいの?」

「!お前ら行け!」

 

 そんな訳で立てこもり犯はあっという間に取り押さえられた。

 が、その後、七草との交渉で有志同盟との討論会が行われることになった。




『英霊召喚(システム・フェイト)』

ランク:EX
レンジ:ー
種別:ー
最大捕捉:ー

彼が契約していたサーヴァントを双方合意の元に召喚できる。
本来は成立していない英霊すら召喚可能なうえ、状況によって一時的、数日等、永続等色々できる。ただし、上限や限度がある。
――――――現在は閲覧不可――――――
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