我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第二節:光と雫

 シャワーを浴びて、着替える。

 朝食を食べながら、学校へ向かう2人。

 だが、このままでは間に合わない。

 なので……。

 

「……是非もないネ!使うぞ!」

「うん!」

 

 宝具使用を決意。

 マスターの許可を貰い、出したのは一枚のカード。

 金色に馬が引く戦車に乗った騎兵の姿が描かれている。

 

 立華はレイナをお姫様抱っこする。

 

「借りるぞ!」

『おう!』

 

 且つて契約をしていたサーヴァントの1人と接続。

 許可を取り、宝具を借りる。

 

■■宝具(イミテーション・■■■■■)彗星走法(ドロメウス・コメーテース)!」

 

 ギリシャの大英雄と呼ばれる1人の英霊の力を借りる。

 「あらゆる時代の、あらゆる英雄の中で、最も迅い」という伝説が具現化する。

 凄まじいスピードで駆け抜ける。

 レイナは凄まじすぎるスピードから自身の身を守るために、魔法で気流や衝撃を緩和する。

 そして。

 

 

「間に合った」

「ギリギリ……」

 

 寸前に何とか到着。

 乱れた髪を直しながら一息つく。

 入学式が始まる寸前なので、人通りはもう少ない。

 

「とりあえず講堂に向かおう」

「うん」

 

 2人仲良く向かう。

 

 講堂の席はほとんど埋まっていた。

 前半分に八枚花弁があしらわれているという制服を着た一科生と、無印の制服を着た二科生。

 元々は発注ミスで始まった物なのであるが、差別の温床となっている。

 

 この2人の制服には花弁があった。

 

「空いて、ない?」

「いや、空いてる」

 

 そして、前半分の丁度空いている席に座る。

 だが。

 

「……見られてる?」

「遅刻したしネ。是非もないよネ」

 

 見られてる。

 視線を感じる。

 少し居心地が悪い。

 それでも空席に腰を落ち着ける2人。

 

「ふう間に合ってよかった」

「一時、どうなるか……」

 

 そう会話をしていると。

 

「ちょっといい?」

 

 自分達に声を掛ける者がいた。

 その方向……左横を向くと表情の変化が乏しい大人びた顔立ちの黒髪の少女が少年の横にいた。

 

「俺達?」

「うん。……2人はハーフ?」

「いや、純粋な日本人だよ」

「わたし、同じく」

 

 初対面の人には若干あんまりな質問。

 それに答える立華とレイナ。

 だが、この少女が聞いたのも無理はない。

 

 レイナは瞳は日本人だが、白い髪に白い肌で日本人離れしている。

 一方立華も白い髪に浅黒い肌である。

 そう聞かれても無理はない。

 この2人は遅くなったから、目立っていると思っていたが、そうではない。

 見た目で目立っているのだ。

 

「雫!なんて事聞いてるの!?」

「……ほのかは気にならなかったの?」

「それは……」

 

 更にその左にいた茶色の髪の少し気の弱そうな少女に嗜められるが、あんまり気にしていないようだ。

 そんな2人に立華とレイナは声を掛ける。

 

「気にしなくていい。なあ?」

「うん。気持ち、わかる」

「本当にすいません。……あ、私は光井ほのかっていいます」

「北山雫」

 

 2人が名乗って来た。

 ならばこちらも名乗ろう。

 

「藤丸立華。よろしく」

「鷹山レイナ」

 

 2人で名乗る。

 そして。

 

「あ」

「「「?」」」

「2人。補足」

「「はい?」」

 

 レイナが2人に続ける。

 

「わたし。口調、少し、変。だけど、気に、しないで」

「は……はい!」

「人それぞれだから別に気にしないけど」

 

 そんな2人の答えにレイナは笑った。

 

 

 ◆◆◆

 

 

「レイナ」

「なに」

「クラスは?」

「A」

「俺もだ♪」

「「イエイ!」」

 

 クラスの確認で同じクラスと言う事が分かる2人。

 拳を打ち合わせる。

 そんな仲良しな2人に。

 

「2人は付き合ってたりする?」

「ちょっ……雫!」

「付き合う?」

「う~ん……」

 

 雫が尋ねる。

 それをほのかが嗜める。

 一方聞かれた当事者は少女は疑問符を浮かべ、少年は考え込む。

 

「付き合う?恋人、婚約者、と言う事?」

「うん。2人は恋人同士なのかなって?」

 

 雫の疑問にレイナは迷う。

 しょうがないので彼に尋ねる。

 

「リッカ。わたし、あなた、恋人同士?」

「う~ん。わからん」

 

 立華の答えにズッコケる2人。

 

「友達以上ではあるな、うん」

 

 最初は主従関係から始まった。

 だが、どちらが上か下かは最初からなかった。

 お互いがお互いを対等と認識していた。

 ……している行為的に友達は超えている気がする。

 

「わたし、あなた、友達?」

「かな?でももっといい言葉がある気がする」

「どんな?」

「う~ん……」

 

 暫く考えると。

 ふと思いつく。

 

「相棒?」

「わたし、あなた、相棒?」

「うん。嫌か?」

「ううん!それ、いい!」

「そうか!」

 

 そんなやり取りを見た雫とほのかは。

 

「やっぱりこれ付き合ってるよね……」

「うん。そうとしか見えない」

 

 そういう感じで同意した。

 

 閑話休題。

 

「ところで、2人、これから、どうする?」

「私はもう少し残ります」

「私はほのかに付き合う」

 

 どうやら2人は残るらしい。

 何でも新入生代表の答辞を行った女生徒が気になるらしい。

 

「俺らは帰る」

「また、明日」

「さようなら」

「また明日」

 

 そう言って立華とレイカは帰路についた。

 

「あの人、美人?」

「誰が?」

「司波深雪」

「ああ……」

 

 新入生代表の答辞を行った女生徒……司波深雪。

 黒く澄んだ瞳に、背の半ばまである艶やかなストレートの黒髪、白く透き通った肌と非の打ち所が無い脚線美。完璧な左右対称で均整の取れた容姿をしていて、声色も鈴を振るように可憐。

 非の打ちどころが無い美人で、近寄りがたい感じがする。

 

「確かに美人だったけど……」

「……見慣れてる?」

「まあね」

 

 レイナの言葉に苦笑する立華。

 彼がかつて契約していたサーヴァント達は結構美男美女揃いなので慣れている。

 それに。

 

「同級生とか集まっていたけど、どうみても……」

「見ても?」

「アレだった」

 

 あれはまるで……。

 

「食虫植物と、それに集まる虫」

「ちょっと、失礼」

「うん。俺もそう思った」

「でも、同意」

「……嬉しいねえ」




『■■宝具(イミテーション・■■■■■)』

ランク:E~EX
レンジ:ー
種別:対全宝具
最大捕捉:ー

藤丸立華が生前に契約していたサーヴァントの宝具を一時的に借り受ける宝具。
武具などのアイテムだけではなく、英雄を象徴する攻撃方法や身にまとった呪い、技、技術、逸話を反映した能力すら借り受ける事が可能。
ただし、条件や限度がある。
――――――これ以上は今は閲覧不可――――――
 
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