我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
「じゃあ、行ってくる。新シン頼んだぞ」
「おうよ」
自身の召喚したサーヴァントである新宿のアサシン……略して新シンにそう言う。
「姿見せたり、宝具解放は自身の判断で。……まあお前の宝具はそこまで派手じゃあないし」
「……いいのか?」
「うん。だってオレ信じてるもん」
立華の断言に思わず新シンは笑ってしまう。
そして、立華は自身のマスター……レイナに視線を移す。
「大抵の敵は大丈夫だと思うけど、もしもの時h」
「わかってる」
レイナが頷く。
そして、右手を見せる。
そこには何もないように見えるが……。
実は「ある印」が隠れている。
主従の証がある。
「じゃあ、また後で」
「うん」
そう言って立華は出かけようとするが。
「待って」
「?」
レイナが立華を呼び止め。
「御守り」
そう言って軽く立華の頬に口付けた。
それに立華は笑う。
そんな2人を見ていた新シンは。
「お熱いね~」
笑って見ていた。
◆◆◆
そして、ついに、公開討論会となる。
因みに立華(の姿を借りた新シン)とレイナも風紀委員として警備に加わる。
因みに立華が偽物である事は今の所は誰にもバレていない。
元々彼含め身代わりを担当する3人はかなりの精度で化けれるので是非もない。
気づかれる可能性があるのは……数名位だろう。
「達也、違和感、持ってる」
「そのようだねえ」
一応違和感ないように振舞ったのだが、達也は何か変だと感じたようだ。
「どうする?」
「状況に応じて明かしてもいいとは言われてますがねえ」
「そう」
そんな感じで話す2人。
因みに誰も話を聞いていないので新シンも地の喋りを使っている。
「それでは公開討論会を始めます」
始まった。
なのだが……。
「討論会になってねえじゃん」
「同感」
最初は討論会の形だった。
だが、七草の合理的な反論に押され、完全に演説会と化していた。
「私は退任時の生徒総会で、生徒会役員を一科生のみに限定する制度を撤廃するつもりです」
「そうすることによって、一科生と二科生の間に存在する差別意識が少しでも無くなることを切に願います」
そう言って七草は締めくくる。
割れんばかりの拍手。
これで終わりかと思われたのだが。
突然の轟音。
投げ込まれる榴弾。
混乱を巻き起こそうとする一部生徒。
乗り込んで来たマスク着用の不審者大勢。
だが。
榴弾は炸裂する間もなく、外に戻る。
……服部の魔法である。
生徒は取り押さえられた。
風紀委員達が動いた。
そして、不審者は……。
「奥義、装填」
飛び出す新シン。
不審者達の目の前に出現。
「
数秒で全滅。
影さえ映らぬ歩法で間合いを詰める新シン。
そして、分身打撃。
立華の姿のままでもある程度なら色々使える。
気づけば倒れている不審者。
そして、その近くには立華。
彼が倒したのはわかったが、何をしたのか全く分からない。
それに呆然とする一同。
……達也や深雪なども含め視覚に全く捉えられなかった。
「いいんですか?まだ終わってませんよ?」
その言葉に我に返った一同。
ここでのテロは未遂で終わったが、これ終わるはずがない。
なので各自散開。
鎮圧に動き始めた。
「流石。梁山泊豪傑。百八魔星」
「……それって褒め言葉なのかね?」
「褒めてる、安心して」
レイナの褒め言葉に首を捻る新シンだった。
◆◆◆
そういう訳で襲撃者の鎮圧に動く生徒達。
因みに小国の軍隊程度なら単独で退けるほどの武力を保有しているため、圧倒間に鎮圧……されるはずだったのだが。
「敵、装備、いい」
「そのようですねえ」
テロリストは頑張っていた。
……言い方が若干おかしいかもしれないが。
武装が結構いいうえ、人数が多いのでほぼ互角な戦況だった。
一校側にまだ大きな怪我人はいない。
だが、このままではどうなるかわからない。
なので。
「新シンお願い」
「……え、でも」
「わたし、大丈夫」
その言葉に新シンは動いた。
生徒と教師がテロリスト達の戦い。
銃弾や魔法が飛び交う。
その真っただ中に割り込む。
そして。
「はっ!」
蹴る。
「ふっ!」
殴る。
「せいっ!」
殴って蹴る。
「千山万水語るに及ばず」
あっという間にテロリストたちを倒していく。
それはまるで演武の様。
思わず両者共に手を止めてしまう程。
彼の乱入で勝利は一校に傾いた。
その状況で。
「ん?」
新シンが突如動きを止める。
「……よしきた」
そう言うと、その場から消えた。
そして、レイナの傍に現れる。
「失礼」
「うん」
抱え上げて、その場から消えた。
彼らが向かった場所にいたのは。
「よ」
立華だった。
本物である。
手には大きな鞄を持っている。
「いつ、いた?」
「さっき、色々とね」
そう言って笑う立華。
「ご苦労様新シン」
「おう。また呼んでくれ」
そういうと新シンの姿がカードに変わる。
そして、そのカードが消えた。
それを見て。
「じゃあ行くか」
「……?」
「危ない場所へ」
ニヤリと笑う立華だった。