我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第二十五節:復讐者と狂戦士

 武者……狂戦士(バーサーカー)は咆えて、影法師に突撃。

 刀を振るう。

 その刀を影法師は避ける。

 

 そして。

 

「おおっ!」

 

 影法師の手に炎……青黒い炎を纏わせバーサーカーを殴る。

 吹っ飛ぶバーサーカー。

 そのまま猛攻撃を加えていく。

 

 三次元的な高速移動。

 実戦経験がある達也やエリカ、十文字ですら、目で追えない凄まじい速さ。

 

「ぬぅっ!」

「アアア!」

 

 だが、バーサーカーも負けてはいない。

 吹き飛びながら、態勢を立て直す。

 右手に持った刀を振るい、影法師に対抗する。

 獣的な直感で対抗していた。

 

 ぶつかり合う両者。

 武器と無手。

 刀と拳が激突。

 

「ぜぇえあっ!」

「帰ルーーー!!!」

 

 バーサーカーは影法師に押されていた。

 

 武器を持っているため、リーチ的にはバーサーカーが上。

 ただし、今の彼は狂っているため、思考能力が低い。

 ……生前から若干脳筋気味だったが。

 そのため、力任せに刀を振り回す事しかできない。

 

 一方、影法師は武器を持たず、徒手空拳。

 だが、青黒い炎を利用し、纏わせて打撃の威力を上げるだけではなく、ビームのように飛ばし遠距離攻撃もこなす。

 それを使う事で着実に追い詰めていた。

 

 更に。

 

「ア、アア……」

 

 青黒い炎は怨念の炎にして毒の炎。

 直接ダメージに加えて持続ダメージやステータス異常を与える。

 そのせいでバーサーカーの動きは確実に鈍って来ていた。

 

「フハハハハ!」

 

 高笑いする影法師。

 そして抜き手がバーサーカーを貫いた。

 

「ア……」

 

 何かを握りつぶす音が響く。

 核を潰したのだ。

 そして、影法師が腕を引き抜こうとするが。

 

「!?」

 

 バーサーカーが腕を押さえつけていた。

 そしてそのまま。

 

「帰ルーーー!!!」

 

 影法師に斬り付けた。

 

「うぅく!」

 

 ダメージに叫びを漏らす影法師。

 だが、その刀を押さえつけてダメージを減らす。

 

(『霊核潰したのに!?戦闘続行!?』)

 

 そんな事を思う影法師……否、立華。

 

 これがこの影法師の正体だった。

 あの後、帰宅したのだが、どうにも不安が拭えず、使い魔を飛ばして見張っていたのだ。

 そして、あの事態が起こり、急いで駆け付けたのだ。

 

 自身の奥の手の1つを切ってまで。 

 

(『恐らくバラバラにしなければダメなのだろうな……』)

 

 それに答える声がある。

 今立華が力を借りているサーヴァントだった。

 

 彼が持つ宝具……の1つである「英霊召喚(システム・フェイト)」。

 サーヴァントを単純に召喚するだけでなく、英霊を自らの器に入れる事も可能。

 そうした場合、一種の疑似サーヴァント状態もしくは、クラスカードを使った夢幻召喚(インストール)状態になるのだ。

 

 今、彼は復讐者(アヴェンジャー)のサーヴァントである”巌窟王エドモン・ダンテス”の力を借りている。

 因みにその理由は、気分と姿を隠蔽できるからだった。

 

 これを使うと衣装が変わる。

 顔は変わらないため、知人には一発で正体がバレる。

 流石に自身の正体がバレる訳にはいかない。

 

 バーサーカーは健在だった。

 瀕死のダメージを負っているのに、未だ戦闘態勢だった。

 

 こういう敵に場合は木っ端微塵にするか、消滅させるか、バラバラにするしかない。

 

(「なら……使うしかないか」)

 

 立華がエドモンに確認を取ると。

 

(「いいだろう。好きにしろ」)

 

 許可が下りる。

 

「ふう」

 

 息を吐く。

 そして。

 

「慈悲などいらぬ!」

 

 立華の姿が掻き消えた。

 

「我が征くは恩讐(おんしゅう)の彼方」

 

 先程とは比べ物にならぬ高速移動。

 

虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)!!」

 

 あまりの速さに分身したように見える。

 そのまま攻撃をしかける。

 

 バーサーカーは全く対抗できない。

 手足が吹き飛び、上半身と下半身が別れる。

 バラバラになったバーサーカー。

 

「情けはかけぬ」

 

 そこまでしてやっと倒れるバーサーカー。

 

「存分に、朽ち果てよ」

 

 言葉を掛けた。

 

 青黒い炎に燃やされるバーサーカー。

 すると目に光が宿る。

 

「ああ、負けか……」

 

 はっきりとした声が聞こえた。

 余りの戦いに呆然としていた達也達。

 その言葉に起動する。

 

「……あんた喋れたの?」

「喋れるようになったは今じゃ」

 

 エリカの問いに答えるバーサーカー。

 

「ああ、おいは薩摩に帰れんのか……」

 

 悲しそうな顔を彼はしていた。

 

「親父どんは帰れたかのう」

 

 その言葉に立華は気づく。

 

(『もしかして……土方さんと同じタイプ?自分が死んだことに気づいていない!?』)

(『そのようだな』)

 

 なので彼は。

 

「バーサーカー。いや……島津豊久」

 

 声を掛けた。

 

「お前の伯父……島津義弘は薩摩に帰れたぞ」

「……ほんとか?」

「本当だ。しかも……あのタヌキに領地も削られずに済んだ。よっぽどお前らが怖かったんだな」

 

 そう言って笑う立華。

 それを聞いたバーサーカー……島津豊久は。

 

「そか。ならよか……」

 

 そう言って嬉しそうに笑い、眼を閉じた。

 そして、金の粒子になって消えた。

 

 その場に残ったのは1枚のカード。

 絵柄は獣の毛皮を纏った戦士の図柄だった。

 それを立華は拾い上げた。

 

「エイメン」

 

 祈りを捧げた。




クラス:バーサーカー
真名:島津豊久
性別:男性
身長:176cm
体重:68kg
出典:史実
地域:日本
属性:中立・狂・人
好きな物:首
嫌いな物:タヌキ、石田三成

ステータス   筋力:B
        耐久:A
        敏捷:D
        魔力:E
        幸運:C
        宝具:D++
        
クラススキル  狂化:B  保有スキル  戦闘続行:B+  勇猛:B  戦場の鬼:A

Buster×3  Quick×1  Arts×1

宝具【島津の退口(しまづのひきぐち)】

ランク:D++  種別:対軍宝具  レンジ:1~20  最大捕捉:1000人

捨て奸を申し出て、伯父である島津義弘と島津勢を無事に退却させた逸話が具現化した物。この宝具が解放された場合、迂回や退却は決して許されずバーサーカーに挑まなければならない。更にこの宝具発動中は、肉体の損傷による身体能力の劣化を無効化し、相手を屠るまであらゆる手段を使い戦闘を継続することが可能。例え霊核を砕かれても動き続ける。対処するには対軍・対城宝具相当の破壊力で消し飛ばすしかない。
ゲームにおける性能は味方全員に3ターン永続ガッツと色々バフ

・キャラクター詳細
戦場では鬼神の如き強さを見せる武人。
結構脳筋気味。狂っていてもあまり変わらない。
通称「妖怪首置いてけ」。

・絆レベル1
ー中略ー
結構美男子。黙っていればモテる。黙っていれば。黙っていれば。

・絆レベル2
島津豊久は安土桃山時代の武将で、島津家の家臣。
初陣は14歳でいきなり首級あげた。
父の死後、日向佐土原城の城主となった

・絆レベル3
父の死後は伯父である義弘の援助を受けていた。
そのため、彼の事をとても慕っている。
各地を転戦し、父親似の猛将の片鱗を見せる。

・絆レベル4
彼を有名にしたのは関ヶ原での島津の退き口、捨て奸である。
本隊が撤退する際に、殿の兵の中から小部隊をその場に留まらせ、追ってくる敵軍に対し死ぬまで戦い、足止めする。そうして小部隊が全滅すると、また新しい足止め隊を退路に残し、これを繰り返して時間稼ぎをしている間に本隊を逃げ切らせる壮絶なトカゲの尻尾斬りである。

・絆レベル5
関ケ原での際は志願者の数が多かった。多くの犠牲を出したが、島津義弘は生きて薩摩に戻れた。ただし、部下80余名しか残っていなかった。豊久の行動は無駄ではなかった。
……余談だが、捨て奸に巻き込まれた井伊直政はここで受けた傷が元で亡くなった。

・幕間の物語「終わらない関ケ原」
徳川家の名将達を相手に死力を尽くして奮戦し、井伊直政を撃退した島津豊久だったが、全身に無数の矢を受け、体中を切りつけられて見事な立ち往生を遂げた……が、彼は自分が死んだと思っていない。ここでは死ねない。薩摩に帰る。その執念で戦い続ける。
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