我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
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会談が終わり仲良く帰宅した司波兄妹。
帰った達也は立華から貰った物を調べていた。
一見するとフォトニック結晶のような石。
だがこれには。
(「なるほど。魔法式の保存が可能。それ以外には疑似的な不死に、元素変換か……」)
袋に入っていた手紙によるとそういう効果があるそうだ。
専ら立華は身代わりに利用しているらしい。
魔法式保存はやって見た結果、成功した。
(「これが複製できれば……」)
達也には夢がある。
魔法師が兵器でなくなる世界の実現である。
その為に彼は「常駐型重力制御魔法式熱核融合炉」を作ろうとしている。
そのためにこれが量産出来ればいいのだが……。
「……構造の解析はできるが……」
解析は出来た。
恐ろしく苦労したが。
だが、どうやって作るのかが見当もつかない。
「立華に聞くか?」
正確にはこれを作ったサーヴァントであろう。
恐らくキャスター。
正体……真名は恐らく……。
「お兄様」
考え事から深雪の声で戻る。
手には飲み物を持っていた。
持ってきてくれたらしい。
受け取り、飲む。
ふと深雪を見ると彼女は嬉しそうにしていた。
「どうした?」
「深雪は嬉しいのです。お兄様」
「?」
「ご自分で気づいておいでにならないのですか?お兄様、今とても嬉しそうですよ?」
「……俺が?」
「はい。とっても」
そう言ってニッコリ微笑む。
「お兄様が嬉しいと私も嬉しいのです」
「そうか」
微笑む達也。
そういう感じで司波家の夜は過ぎていった。
一方。
立華は。
とある人物を回線で呼び出した。
出てきた人物は……。
『何かあったかね?』
九島烈だった。
彼に今回の件の報告をまだしていなかった。
それに今回で一応ひと段落なので連絡したという訳である。
「ブランシュの件と……報告があったであろう”あの件”です」
『聞こう』
何があったのかを詳しく話す。
『なるほど……。まだ完全に終わっていないのか』
ブランシュの件を聞き、顔を顰める烈。
2年前の事件では九島家も結構な被害を負ったのだ。
「いえ、もう終わってます。首謀者は消しましたし」
あの大事件……この世界で起こってしまった聖杯戦争。
起こしたのは御三家だが、黒幕は違う。
とある一族の「亡霊」とある男の「残留思念」。
この2つが黒幕である。
だが二つとも消えた。
立華+聖人6人がかりで浄化した。
「クラスカードは確かにまだ少しだけ残っているようですけど、完全に扱える人はオレ以外いないでしょうし」
『ああ。だが強力なサーヴァントが万が一召喚されたら』
「大丈夫です。俺もいますし、皆もいます」
『そうだな……』
烈の暗さが取れる。
『……これは誰にも言った事ないのだがな』
「?」
『私はね、あの事件に感謝もしているのだよ』
「……」
『君達の出会いがあったからね』
烈の年齢は現在90歳に近い。
このまま朽ちるのかと思った事もある。
だが、立華との出会いで変わった。
見たことがない、特殊な技術を見る事ができた。
子供の頃、本でしか見れなかった英雄に会う事ができた。
そして。
『おかげで光宣は元気になった。毎日嬉しそうに学校に行っている。友達も出来たらしい。本当にありがとう』
そう言って頭を下げる烈。
それに慌てる立華。
「頭を上げてください。好きでやった事ですし、お礼は十分過ぎる程貰ってます」
『そうかね』
そう言って頭を上げる烈。
その後は取り留めもない雑談に興じていたが。
『そういえば』
「?」
『十文字からの報告が届いたよ』
「……そうですか」
『とは言っても知っている事ばかりだったがね』
烈は彼らの事情を知っているのだから、当然だった。
恐らく十師族で一番今回の事について詳しいだろう。
『だが……どうやら四葉や七草が動いているようだ』
「そうなるか……」
立華がため息をつく。
忠告したのに聞く気がないのだろうか。
……まあ覚悟はしていたが。
「いずれバレるのはわかってるけどなあ」
『君達の事は私や光宣、響子から漏れる事はない。だが……』
「わかってます。いずれバレるのは」
溜息をつく立華。
秘密はどこからか漏れる物である。
これは最初から言われている事だった。
『もしバレた時は私が後ろ盾になる。例え他の二十六家を敵に回しても』
「烈さん……」
これは烈が最初に言い出した事である。
その言葉に何も言えなくなる立華。
そして、軽く笑う烈が続けた。
『流石に昔の教え子の死体は見たくないしな』
「……」
彼にはわかっていた。
万が一ぶつかり合ったらどうなるかが。
「色々考えてみます」
『ああ、そうしてくれ』
「また連絡します。……今度は光宣にも」
『そうしてくれ。直接話したいそうだからな』
そうして回線が切れる。
立華は部屋を出て、廊下を歩く。
そして、レイナの部屋に入っていった。
入学編 了
次回予告
「悔い……改めろ!」
「花音?風邪?」
「選手以上に問題なのがエンジニアよ……」
「あーちゃん先輩が憤死するか、悶死するので」
「久しぶりね」
「炉心が問題だ」
「エクレア?栗きんとん?中○譲治?」
「ねえねえ。2人はどこまで行ったの?」
「ちょっとした悪ふざけだ」
「いいか?本当の敵は相手じゃない。自分自身だ」
「皆!耳塞いで!!」
「あーちゃんが死んだ!?」
「この人でなし!」
「立華。勝ってね」
「ボエエエエエエ~」
「このすっとんきょう!」
「おっと電気が滑った」
「今までの事を謝る。すまない」
「
「そんな無茶な!?」
「そう来たか……」
「それは例外的に認められた。いい加減腹をくくれ」
「時間を稼いでくれ」
「動け、ゴーレム」
「そんな馬鹿な!?」
「お前達には消えて貰う」
「俺はな達也。勝利を確信した奴らを叩き潰すのが……大っっっ好きだああああああ!」
九校戦編 2018年 6月2日(土) 連載開始予定
(火)(木)(土)週三連載予定