我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
立華とレイナが要望を出してから。
ある日の事。
「そういえばそろそろですよね」
「何?」
「九校戦の事です!」
「ああ……」
クラス内でもやはり九校戦の話が持ち上がる。
この日はシズホノコンビ(レイナ命名)と話していると、やはり話題になる。
「何に選ばれるか楽しみですね!」
「私はアイス・ピラーズ・ブレイクがいい」
ほのかの言葉に雫が答える。
それに立華が反応。
「へえ。俺と同じか……」
「「え!?」」
立華の言葉に驚く2人。
どうやらこの2人も三巨頭と同じらしい。
「……どうした?」
「モノリス・コードじゃないの?」
雫の問いに立華が苦笑する。
「俺は専ら接近戦か大火力殲滅だから無理なんだよ。……まだレイナの方が向いてる」
レイナの戦闘スタイルならモノリス・コードでも引っかからない。
だが、立華の場合モロに引っかかる。
……まあ手段が無きにしも非ず。
「女子、なぜ、ない?男子、なぜ、ない?」
モノリス・コードは男子だけであり、ミラージ・バットは女子だけである。
「危ないからじゃないの?ミラージは……」
「「「?」」」
「男子があんな衣装して似合うか?十文字先輩があの衣装しているの想像してみろ」
「「「ブ!」」」
立華の言葉に3人が噴き出す。
そのままむせてしまう。
暫くそうしていたが。
「ゲホッゲホ」
「心臓に……悪い」
「でも」
レイナが立華を見て言う。
「立華、似合う?」
「まあね」
「「え!?」」
思いがけない言葉に驚く2人。
「立華、女装、上手い」
「昔させられて以来なあ……」
アレ以来ハマってしまった訳ではないが、するのに拒否感がなくなってしまった。
……まあ一部性別不詳のサーヴァントやどこぞの理性蒸発のせいもあるが。
「まあ機会があれば見せるよ」
そう言って笑う立華だった。
◆◆◆
「選手以上に問題なのがエンジニアよ……」
「……まだ数が揃わないのか?」
「摩利が自分のCAD位整備出来たらねえ」
「……それは由々しき事態だな」
「ナベ先輩、誤魔化し、下手」
生徒会室で七草の愚痴をBGMに食事をとる女子6人と男子2人。
七草、市原、中条、渡辺、司波兄妹。
そして主人公とヒロイン?。
合計8名。
最近は大抵このメンツで昼食を取る。
因みに弁当の割合が地味に増えてきた。
実は立華と渡辺はともかく、レイナも七草も作ろうとすれば作れるのだ。
しかも結構上手である。
九校戦の準備によって疲れが溜まっているのであろう七草の愚痴によって、生徒会室は精神衛生的に好ましくない雰囲気になっていた。
心なしかどんよりとしている。
(「折角楽しい昼食なのにねえ」)
重箱弁当をレイナと一緒に食べながらそんな事を思う。
横目で達也を伺うと。
彼は生徒会室から逃げようと機会をうかがっていた。
「ねえ、リンちゃん」
「はい?」
「やっぱり、エンジニアやってくれない?」
「無理です。私の技能では、中条さんたちの足を引っ張るだけかと。」
七草の提案は市原にすげなくあしらわれる。
机に沈む七草。
ここがチャンスだと見たのか、達也が腰を浮かせて、逃亡を図ろうとする。
「あの、だったら司波君がいいんじゃないでしょうか。」
あずさ先輩の一言で生徒会室の空気が変わる。
達也はなんだかんだ言って逃げようとする。
だが、それを押しとどめ、説得しにかかる七草と渡辺。
何とか断ろうとする達也だったが、深雪まで敵に回り引き受けるしかなくなる達也。
そんな様子を見た立華とレイナは。
「こういう時」
「?」
「なんて言う?」
「ああ。『ブルータス、お前もか』だな」
「なるほど」
食事も終わり、立華は昼寝、レイナは立華を膝にのせたまま端末でニュースを見る。
そして、達也はCADを整備していた。
そこへ。
「今日はシルバーホーンを持ってきているんですね」
「ええ、ホルスターを新調したので、馴染ませようと思いまして」
「えっ、見せてもらってもいいですか?」
CAD大好きな中条が食いつく。
そして、シルバーホーンに対して熱弁を振るう。
そんな中。
「ところであーちゃん」
七草が中条に質問する。
「……はい?」
「CADについて話すのは良いけど課題は良いの?」
中条に絶望が突き付けられた。
声なき悲鳴を上げ、七草に助けを求める。
加重系魔法の技術的三大難問、飛行魔法についての様々な見解、そして達也の意見が話された。
そして、レポートが何とか完成した所で昼休み終了の鐘が鳴り響いた。
「良かったです~」
「あーちゃん良かったね」
「私は先輩ですよ!?」
「見えない。安心、して?」
「出来ません!」
そんな訳でその日の放課後、選考会議が開かれる。
部活連本部で行われているこの会議では、既に内定しているメンバーを含め、かなりの大人数が参加している。その出場者の席には一人だけ二科生がいた。
勿論、達也である。
「なぜ二科生がその席にいるんですか?」
とある生徒からその質問が飛ぶ。
風紀委員として活躍する達也は、上級生から意外な高評価を受けている。
だが、やはり二科生ということで否定的な目を向ける者が多いのも事実。
そこで、真由美は事情を説明することにする。
しかし中々纏まらない。
議論は達也一人のために白熱し、次第に収拾がつかなくなる。
そこへ。
「二科生だからというくだらない理由は却下だ。しかし、実力に問題があるというのなら、今ここで試してみればいい」
そんな訳で十文字の鶴の一声により実際にさせてみることになる。
その後、桐原が立候補。
達也と桐原の事件は周知の事実だからこそ、達也にとって不利になる人物が立候補しているように見えた。
逆に、だからこそ客観的な意見となる。
結果として非常に良い出来栄えと称賛された。
そんな訳で達也は九校戦の技術スタッフへと加わることになるのだった。