我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第七節:集結

 そんな感じで皆で大笑いしていると。

 

「……何笑っているんだ?」

 

 渡辺がやって来た。

 

「摩利さん……だって、呼び方が……」

「?」

 

 苦しそうに話そうとする千代田に渡辺が首を捻る。

 そこへ早めに回復した達也が事情を話すと。

 

「プフフ」

 

 彼女も噴き出した。

 

「それにしてもレイナはよく人の名前を間違えるし、変な呼び方をするな」

「私なんてキャノンですよ!キャノン!どこが大砲ですか!」

 

 渡辺のコメントに千代田が咆えるが。

 

(「いや、それは間違っていないな」)

 

 ほとんど皆が心の中で思う。

 思ってないのは五十里位だろう(笑)。

 なにせ彼女は陸上兵器相手の対物攻撃力は十師族に勝るとも劣らないし、攻撃が若干荒っぽい。

 

「僕はただ普通にケイ先輩だね」

「私はホノノンです」

「まだマシじゃないか。あたしなんかナベだぞ。ナベ」

 

 変な呼び名で呼ばれている数人がため息を吐く。

 その時、渡辺が自身の用事を思い出す。

 

「おっと忘れてた。五十里、中条が探していたぞ」

「本当ですか?」

 

 そういう訳で五十里と千代田のカップルが消える。

 その後は残りのメンバーで歓談する。

 

 そして暫くして来賓達の挨拶が始まる。

 あまり面白くないので、立華はウトウトしてしまう。

 そして、最後に現れたのは……。

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

 若い女性だった。

 本来は烈の挨拶なのだが。

 だが、一部の面々にはわかっていた。

 その後ろに彼がいる事を。

 

 スポットライトが当たり、やっと大半が気づく。

 

「悪ふざけに付き合わせた。謝罪しよう」

 

 そう言ってから話し始める烈。

 内容は魔法は手段であり、使い方を工夫してくれとの事。

 

「私は諸君らの工夫を期待している」

 

 話を締めくくると拍手が巻き起こる。

 立華とレイナも拍手した。

 それに気づいたのか一瞬だけ彼らに向けて笑みを浮かべた。

 

 ◆◆◆

 

 懇親会終了後、とある部屋に向かう2人。

 服装は制服だが、〈気配遮断〉と〈ジャガー潜む暗黒の森(ジャガー・イン・ザ・ブラック)〉を併用して見つからないようにする。

 そしてノックをして入るとそこには。

 

「来たか」

 

 烈だけではなく。

 

「直接会うのは本当に久しぶりね」

 

 響子もいて。

 

「お久しぶりです。お2人共」

 

 光宣がいた。

 

 そして、食材が用意されていた

 なので作ったのは……。

 

「お願い」

「任せろ」

 

 皆大好き(?)エミヤである。

 オカン3人衆の1人である。

 彼の契約サーヴァントで料理を作れる物は結構いたが、恐らく一番上手いのが彼なのだ。

 それにこの3人は立華の「宝具」については知っているので、見せるのに問題はない。

 

「ありがとね」

「なに。気にするな」

 

 そう言って帰っていくエミヤ。

 

 そんな訳で5人で軽食を取る。

 雑談を交えて料理に舌鼓を打つ。

 

「宿題、終わった?」

「はい。九校戦までに終わらせました。観戦したかったので」

「それでこそ」

 

 レイナの問いに嬉しそうに答える光宣。

 

「来年は光宣君も出るものね。見て置いて損はないわよ」

「気が早いですよ。響子さん」

 

 光宣は今年15歳。

 なので来年には二高に入学予定だ。

 だからこその響子の言葉に謙遜する光宣。

 

「そんな事はない。確実に選手入りできるさ」

 

 そう言うのは烈。

 彼は孫が「光の当たる場所で持って生まれた才能を存分に発揮する」事を望んでいる。

 だが「そんな機会は来ないと思っている」と思って()()

 2年前までは。彼と出会うまでは。

 

「そういえば立華さんとレイナさんは何の競技に出るのですか?」

「俺はピラーズでレイナがクラウドだ」

「「モノリス・コードじゃないのですか!?」」

 

 立華の答えに響子と光宣の驚きが重なった。

 

「あのなあ……これ何度目だ?……俺は向いていないんだって」

「そうですか?でも……まだ誤魔化し効くの在りますよね?」

「……そりゃそうだけど」

 

 光宣の疑問に答える立華。

 確かに言う通り誤魔化し効くのはあるにはある。

 

「軍勢召喚なんかはルール上セーフですよね?響子さん」

「ええ。そのはずよ」

「なら、それで行けばいいじゃないですか。化成体と言えば誤魔化し効くでしょう?」

「そう?効く?」

 

 立華の疑問に烈が答える。

 

「まあ効きはするだろう。だが……」

「だが?」

「ほぼ確実にあちらこちらから目を付けられるぞ。しかもまだ二年前のアレは印象深い」

「だよねえ」

 

 溜息を吐く立華。

 骸骨兵や兵馬俑、スパルタ、新選組、ローマ兵を召喚したらどうなってしまうか。

 

「響子さんの上司とかにも目を付けられるかも」

「……」

 

 立華の言葉に無言になる響子。

 立華は彼女の上司である「風間玄信」の事をある程度は知っている。

 だが、まだ会った事はない。

 

「確か……「大天狗」と呼ばれていて、山岳戦・森林戦における世界的なエキスパートでしたよね」

「ええ、そうよ」

 

 光宣の言葉に答える響子。

 この程度なら知っている人は結構いる。

 

「今回はウチの部隊も来ているのよ。そんな事したら絶対……」

「死人、出る?」

「工程が吹っ飛んだ!?不吉な事言わないで!?」

 

 レイナの言葉に突っ伏す響子。

 その様子に軽く笑ってしまう光宣。

 

 その後、雑談をしてお開きとなる。

 

「応援してます。2人共」

「ああ、頑張るよ」

 

 そう言って立華とレイナは姿を消した。

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