我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
「勝った、リッカ」
「クラウド・ボール」が終わり、抱き着いて来たレイナを軽く受け止める立華。
そのままクルクル回る2人。
「本当によくやってくれたわね!」
七草も嬉しそうである。
他のメンバーも嬉しそう。
立華も喜んでいた。
だが、回り終えると微妙な表情になる。
「レイナ」
「何?」
「今日は休め」
「え?でも、わたし、リッカ、試合、見てない」
「お前結構無茶しただろう?「ミラージ・バット」の”アレ”はもっと負担かかるだろう?」
「”リトル・ボンバー”、マシ」
「比べんな馬鹿」
そんな言い合いを始める2人に達也が首を捻る。
(「一体何をする気だ?そして”リトル・ボンバー”?一体どういう魔法なんだ?」)
名前からして爆発系だろうか?
そう思っていると。
「いいじゃない立華君。試合位見ても」
「ええ。私もそう思います」
「そうですよ。ずっと楽しみにしてたんですから」
「そうそう。どうせ座っているだけだから負担はない」
エリカと美月、ほのか、雫に言われ。
「私も別にいいと思うわよ」
「私も。お兄様も同意見だと思います」
「……まあそうだが」
七草と深雪、達也が続け。
「俺もだな」
「僕も」
レオと幹比古も続ける。
味方がいない。
なので。
「はあ」
溜息を吐く立華だった。
◆◆◆
そして「アイス・ピラーズ・ブレイク」が始まる。
女子は深雪と雫、エイミィが出場し、本戦出場を決めた。
深雪は〈氷炎地獄〉で相手陣地を熱波に晒して氷柱を砕き。
雫は〈情報強化〉で自陣を守り、〈共振破壊〉で氷柱を砕き。
エイミィは豪快に氷柱をぶつけて砕いた。
そしてついに男子の番となる。
「一体立華君はどんな手段を取るのかしら」
ワクワクしている七草。
だが渡辺は微妙な顔をしていた。
「どうしたの?」
「アイツ奇妙な事言ってたんだよ。何でも中条が憤死するか、悶死するって」
「!?どういうことですか!?」
中条が悲鳴を上げる。
「……そういえば他の人も知らないらしいのよね。リンちゃんは知ってる?」
「いえ。ただ一気に破壊するという事だけ聞いてます」
不安になる幹部一同。
一方いつものメンツも……。
「達也君サポートについているのよね」
「それ以外、無理。あーちゃん、憤死、悶死、ショック死」
「な、何をする気なの?」
知っているレイナの言葉にこちらも不安そうだった。
そして、選手が出てきた。
男子は気合の入る服装を着る事が多いのだが。
「「「「「「!?」」」」」」
会場騒然。
なぜなら立華は全身を鎧兜で覆っており、肌が見えない。
かつて立華と何度も激突しているエネミー「粛正騎士」に似ている鎧に身を包んでいた。
手には西洋剣状のCAD。
騒めきの中、それを無視して試合が始まる。
フィールドに立つ下から赤、黄、青のランプ。
下から順に光る、これの青が光った瞬間が試合開始。
赤……そして黄が光り……。
青が音と共に光り、試合が開始された。
相手が魔法を放とうとした瞬間。
剣が熱で揺らめく。
そして、熱線が放たれる。
真横に放たれる灼熱の炎。
それが一気に氷柱を砕いた。
……自陣の含め。
そのせいで3本位しか残っていない。
半ば自爆したが、立華の勝利。
「やっぱり……」
鎧越しにくぐもった声を出す立華。
なぜならCADが煙を上げていた。
それだけでなく、あちこち部品が焦げていた。
誰がどう見ても壊れていた。
「次はどれにするか」
◆◆◆
一校幹部のいる所では。
「アレ……何?」
七草が呆然とする。
唖然とする幹部一同。
するとあんまり表情を変えなかった市原が懐から封筒を出した。
「何それ?」
「第一試合終わったら、開けてくれと言われていましてね。恐らく回答が載っているはずです」
その紙を一同覗き込むとそこには……。
一方観客席の彼らはレイナに説明を受けていた。
「アレ、獅子、紳士、お手製CAD。NPシリーズ。通称……使い捨てCAD」
その言葉に全員固まった。
ややあって。
「「「「「「つ、つ、つ、使い捨て!!!!!!??????」」」」」」
全員が絶叫した。
周りの観客もビビる程の声だった。
「な、何それ?」
「そのまま。大火力、再現した。でも強度、脆い」
「そうか!一回の使用しか保たないわけか!」
「うん」
一番初めに正気に戻った幹比古の疑問に頷くレイナ。
「それで?NPというのは?」
「ノウブル・ファンタズムの略。貴い幻想」
「なるほど」
2人の会話にエリカが口を挟む。
「ま、待って!そんな物どうやって作ったの?」
「こんな感じ」
ほわんほわんれいれい~
『ここはこうした方がいいな』
『いや、こうに決まっているだろうが!』
『なんだと!このすっとんきょう!』
『黙れ凡骨』
『あん?』
『……何だ。貴様。やるのか』
『やる訳なかろう。凡骨如きの戯言に、私が耳を貸すはず』
『おっと、手が滑った』(バシッ
『おっと、電気が滑った』(ビリビリビリ
『『………………』』
∧_∧ ∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ ⊂≡⊂=(・ω・ )
(っ ≡つ=つ ⊂=⊂≡ ⊂)
./ )ババババババババ( \
( / ̄∪ ∪ ̄\)
ほわんほわん
「こんな感じで作られた」
「ごめん。作った2人の仲が悪いことしかわからない」
エリカの言葉に頷く一同。
一方幹部達も同じ内容を見て。
「……CADって安くないわよね」
「ああ、特殊な物だと6、7桁行くぞ」
「確かにそうですね」
そんな感じで話していると。
ふと気づく彼ら。
中条がさっきから喋ってない。
恐々伺うと。
しろめをむいて、血涙を流し、立ったまま気絶していた。
「あーちゃんが死んだ!?」
「この人でなし!?」
「市原どうした!?」
「……言わなければならない気がしまして」
リトル・ボンバー
鷹山レイナの奥の手とも言える魔法。
得意の大気操作の極致とも言える。
達也の「マテバ」、リーナの「ヘビメタバ」にあたる魔法。
負担があるため、滅多に使わない。
由来はとある2つの兵器の名前を合わせた物。