我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第十五節:新人戦 戦うだけではない

 立華の使った「アレ」が何なのか議論になっている一校。

 それに対して一条の三校はと言えば……。

 

「何なんだよアレは!?」

「知らないわよ!」

「誰だよ!アイツは一条には勝てないって言ってた奴!?」

 

 喧々諤々だった。

 

 それはそうだろう。

 ふざけてるようにしか見えない戦い方をして、勝ち残って来た一校の選手。

 半ば自爆して、自陣の氷柱まで砕いていた。

 一条なら勝てると思ったのだが、結果は引き分け。

 映像解析してそうなったのだ。

 

 そんな中、吉祥寺が一条に謝った。

 

「ごめん将輝」

「……ジョージ?」

「勝てると踏んだのは僕だ。まさかあんな手札隠してたなんて……」

「いや、俺も悪い。全力でいったんだが……」

 

 そんな雰囲気に争いは収まる。

 

「でもどうするんだ?このままだと新人戦は一校に取られるぞ?」

「まだミラージやモノリスがあるだろう?」

「でも……」

 

 それでも雰囲気は暗かった。

 が。

 

「結果は最後まで何が起こるかわからない。だから皆頑張ろう」

 

 ブレーンの吉祥寺が告げてその場は収まった。

 

 ◆◆◆

 

「負けませんでしたよ皆さん」

「「「「「「……誰!?」」」」」」

「随分な言い方ですね。私ですよ。藤丸立華です」

 

 そう言って一校メンバーの前で微笑む和服美人。

 クルリと回る。

 そのままの恰好で戻って来たのだ。

 

「……藤丸か?本当に?」

「疑いますね。渡辺先輩。この状態では口調も変えるのです」

 

 そう言って七草を見て続ける。

 

「ほら、其方の方だって人によって態度を変えるでしょう?それと一緒です」

「「「なるほど」」」

「摩利!?リンちゃん!?あーちゃん!?」

 

 子悪魔会長が叫ぶ。 

 そんな中、エイミィが尋ねる。

 

「ねえ立華君。女の子だったりしないよね?」

「立華、男。ちゃんと、ついてる」

「「「「「「ブッ!?」」」」」」

 

 その疑問に答えるレイナ。

 その発言に全員噴き出す。

 そのままむせる者も出る中。

 勇気を持ってエイミィが尋ねた。

 

「……ねえねえ。2人はどこまで行ったの?」

 

 その言葉にその場のほとんどが戦慄する。

 

(「聞いちゃったよ!?この子!?」)

 

 それに対してレイナはにっこり笑い。

 

「エイィ」

「ミが抜けてる!?」

「耳、貸して」

 

 レイナがエイミィに何かを耳打ちする。

 すると。

 顔がリンゴのように赤くなり。

 

「きゅう……」

 

 倒れた。

 

「「「エイミィ!?」」」

「エイミィが死んだ!」

「この人でなし」

 

 ほのかと里美、深雪が叫び。

 雫の発言に、市原がコメント。

 

「リンちゃん!?」

「これ癖になります」

「わかる」

「わかるの!?」

 

 そんな市原に同意するレイナと、ツッコミを入れる七草だった。

 

 しばらくして。

 

「ねえ、リッカ」

「うん?」

 

 自室に着替えに2人で戻る途中、レイナが立華に尋ねる。

 

「アレにした理由は?」

「これならまだ誤魔化しが効くし、早いし」

「……なるほど」

 

 納得するレイナ。

 そうして歩いて居ると。

 

「あ」

「うん?」

「あら」

「!」

「む?」

 

 とある三校の女子達に遭遇。

 立華には見覚えがあった。

 

 1人目は一色愛梨。「エクレール・アイリ」とも呼ばれ、「クラウド・ボール」で里美スバルや春日菜々美を破り、レイナに接戦の末敗れた強敵。

 2人目は十七夜栞。持ち前の空間把握能力、演算能力で「スピード・シューティング」で雫を、「アイス・ピラーズ・ブレイク」でエイミィを苦しめた選手。

 3人目は四十九院沓子。水に関する魔法を得意としており、「バトル・ボード」でほのかとも渡り合った選手。

 

「あら鷹山レイナさん」

「エクレア!」

「誰がエクレアですか!?」

 

 レイナの呼び名に咆える愛梨。

 それに噴き出す3人。

 

「じゃあリオレイア」

「いつ私がモンスターになったのですか!?火を噴いた事はありません!?」

「プラズマ、撃つでしょ?」

「撃ちません!?」

 

 言い合いを始める2人を放って置き、2人に自己紹介する。

 

「初めまして。藤丸立華と申します」

 

 今は女性なので言葉使いはこれで行く。

 すると2人も自己紹介をしてきた。

 

「ご、ご丁寧にどうも。私は十七夜 栞です」

「わしは四十九院沓子じゃ。先程の試合、凄かったのう」

「それはどうもありがとうございます」

 

 にっこり微笑むと2人の顔が少しだけ赤くなる。

 

「……それにしてもよく似合っておるのう」

「昔から変装は得意なので」

 

 

 フフフと笑う立華。

 そんな感じで会話をしていると。

 

「ハアハア……。貴方が藤丸立華さんですね……」

「ええ。そちらは一色愛梨さんですね?クラウド・ボールとてもすごかったですよ。稲妻……でしたか?」

「そちらもアイス・ピラーズ・ブレイク凄かったです。しかし……アレは一体?」

「強いて言うなら……”歪曲”です」

「歪曲……」

 

 そうして世間話をしていると。

 

「ふと思ったんじゃが、おぬしはいつもこのように話すのか?」

 

 四十九院が立華に聞いてくる。

 なので立華は答える。

 

「いいえ。今はこの格好なのでこの喋りをしているだけです」

「成り切るのですか?」

「ええ」

 

 そう言うと立華は。

 

「ちょっと待っててくださいますか?」

「「「「?」」」」

 

 立華がその場から消えた。

 そして数分後。

 いつもの恰好になって戻って来た。

 肌と髪は元通りになり、服装は制服になっていた。

 

「いつもはこういう風だ。あの格好の時だけ」

「ガラッと雰囲気も変わったのう……」

 

 四十九院が呟き、それに頷く一色と十七夜。

 

 その後。

 

「じゃあ。エクレア、カノ、ツクシ」

「「「何その呼び名!?」」」

「……気にしない方がいいよ。ハラキリって呼ばれている人もいるから」

 

 それに微妙な顔をする三校の3人だった。

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