我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第二十六節:九校戦終幕 前編

 お茶会から帰って来た立華とレイナ。

 

「楽しかった」

「ああ」

 

 そう言ってどちらからともなく寄り添う。

 

「そういえば」

「?」

「ちょっかい掛けてきた奴ら消えたかねえ?」

「……タッツン?」

「ああ」

 

 レイナも立華から事情を聞いている。

 

「タッツンMVP」

「だなあ」

 

 エンジニアとして活躍。

 選手としても活躍。

 大会妨害行為を見つけ出し、黒幕への制裁。

 達也働き過ぎである。

 

 ケラケラ笑い合う2人。

 すると。

 

「御館様」

 

 声が響く。

 

「千代ちゃん?」

「はい。拙者でござる」

 

 立華の声に彼らの目の前にアサシン・パライソが出現した。

 服装は巫女装束だった。

 ここには真名を知っている物しかいないため、愛称で呼ぶ立華である。

 

「もしかして終わった?」

「はい。無頭竜は司波達也の手により文字通り消滅したでございます」

「……消滅?」

「はい。灰を少し残して消えたでござる。……情報は色々引き出した後に全員」

「ミユキチ、手、出された」

「怒ってたからなあ……」

 

 立華とレイナは達也の事を思い出していた。

 完全に怒り狂っていたのだ。

 

「それと無頭竜はソーサリー・ブースター供給を行っていたようでござる」

「何、それ?」

「簡単に言うなら人の脳を使って作るCAD」

「!?」

 

 立華の答えにレイナの顔が固まる。

 そして、立華に抱き着いてきた。

 そんなレイナを抱きしめ、頭を軽く撫でる。

 

「でも、達也が消したんだよな?」

「はい。東日本支部は消滅でござりまする」

 

(「ならいいか」)

 

 そう思う立華。

 

「報告は以上でござる。では拙者h」

「チイちゃん」

 

 去ろうとしたパライソを止める。

 抱き着いていた立華から少し離れ、パライソの方を向く。

 

「何でござる?レイナ殿」

「わたし達、今から、続きする」

「……!?」

 

 レイナの言葉に顔が少し赤くなるパライソ。

 ちゃんと意味がわかるからこそ赤くなっているのだ。

 一応忍者であるため、そう言う事への耐性はあるが、それでもいきなり言われたらこうなる。

 ……まあどこぞの恋愛雑魚侍よりマシだが。

 

「だから、一緒に」

「ござる!?」

「殿方、誑かす、得手、でしょう?」

「そ、それはそうでござるが……」

「複数人、経験、何度か、あるでしょ?」

「……」

 

 何も言えなくなるパライソ。

 

「嫌?」

「そ、それは……」

「おーい。俺の意見は?」

 

 立華がレイナに声を掛けると。

 レイナが微笑み聞いて来た。

 

「リッカ。嫌?」

「嫌じゃないけどさ。続きはまた今度って言ったし」

「じゃあ……。チイちゃん」

「……承知」

 

 レイナの呼びかけにパライソも傍に寄って来る。

 着ている巫女服を脱ぎ、露出度が黒包帯より高めな赤包帯姿になる。

 なので立華は。

 

「はあ」

 

 溜息を吐いて。

 

「じゃあ……いただきます」

「ござる!?」

「何か、変!?何か、違う!?」

 

 2人を抱きしめ、ベットに押し倒した。

 その後どうなったかは語るまでもないだろう。

 ……まあ2人は美味しく頂かれたとだけ。

 

 ◆◆◆

 

 九校戦10日目。

 遂に最終日。

 行われるのは「モノリス・コード」である。

 十文字と辰巳、服部が出場する。

 

 とは言っても結果はもう覆らない。

 一校勝利である。

 例えボロボロに負けたしたとしても。

 ……まあメンバー的に負ける事はなさそうだが。

 

 ところが……。

 

「ちょっといい?」

「どうした?」

 

 裏ではちょっとした問題が起こっていた。

 

 七草が十文字の所にやって来て少し躊躇った後に話し始める。

 

「モノリス・コードで一条君が負けたでしょう?」

「そうだな」

「十師族はこの国の魔法師の頂点に立つ存在、最強の存在でなければならないっていう教義があるでしょう?」

「それで?」

「だからこそ学生のスポーツとは言え、十師族の一員がただの魔法師に負けるとなると、威信にかかわるんですって。その対応を求めるそうよ」

「なるほど……」

 

 立華達が「モノリス・コード」で勝った事が問題になっていた。

 しかも……。

 

「しかも……あの結果でしょう?」

「……」

 

 彼らは試合内容を思い出す。

 前半は三校が押していたものの、後半は立華の操るゴーレムにより全員戦闘不能にさせられた。

 正に蹂躙であった。

 

「本当にくだらないわよね」

 

 溜息を吐く七草に十文字が言う。

 

「つまり十師族の力を見せつける試合をすればいいのだな?」

「ええ」

「まあ司波や藤丸に押し付けたのは俺達だからな。任せろ」

 

 そう言う十文字であった。

 

 その後の「モノリス・コード」の試合は十文字1人による独壇場だった。

 ファランクスを展開して、一切攻撃を通さず相手選手を全員戦闘不能にした。

 

「凄いな」

「圧倒的ね」

「アレが十文字……」

 

 ほとんど全員が感嘆する中。

 

 達也が立華に話しかける。

 

「立華」

「うん?」

「俺はどうやら十文字会頭とは相性が悪いらしい」

「ファランクス?」

「ああ」

 

 達也の分解では十文字のファランクスは貫けない。

 ……今の所。

 

「立華は突破手段あるのか?」

 

 一見弱点を晒すようであるが、立華は相手が手札を晒そうとしない限り、出そうとしない。

 だから話したのだった。

 

「ある。いくつかは」

「ほう」

「防御無視の剣や槍とか、魔を絶つ赤槍とかだね」

「……セコイな」

「それを言ったらお終いだよ」

 

 ケラケラ笑う立華だった。

 

 「モノリス・コード」は一校の優勝となった。




アサシン・パライソの服装

状況に応じて使い分けている。

諜報活動中は正体がわからないように(頭に九曜紋があるので)第一再臨の服装である、黒包帯。

立華の前に現れる時や、普段は第三再臨の服装である、巫女装束。理由は立華のお気に入りなので。

ある程度の人数の前に現れる時は第二再臨の服装である、袴姿。

そして、Yes/No枕のYesである最終再臨の服装である、露出度高めの赤包帯。この姿になった時は……まあそう言う事である。
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