我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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防御無視の剣や槍、魔を絶つ赤槍

防御無視の槍は戦国一のDQNにしてぐだぐだ帝都聖杯奇譚で結局出番なかった彼の宝具。

赤槍は皆さん御馴染みZeroランサーの宝具の1つ。……一体いつになったらセイバーで実装されるのか……。

そして、防御無視の剣はオリジナルサーヴァントの剣。2年前の聖杯戦争のセイバー 真名■■■■■■■・■■■・■■■の宝具。因みにすまないさんの天敵。相性最悪である。多分エンジェル後輩も相性が悪い。


第二十七節:九校戦終幕 後編

 長かったようで短い。

 短かったようで長い。

 そんな10日間の競技が終わった。

 

 その後、表彰式があり、その後に「後夜祭」が始まった。

 合同パーティーみたいなものである。

 競技が終わった解放感からか、雰囲気も緩い。

 他校の生徒同士も結構話している。

 

 

「ナンパ、多い」

「確かに」

「アハハハ……」

 

 レイナの言葉に雫が同意し、ほのかが苦笑する。

 ダンスがあるので、そのためなのか。

 それとも彼女を作るためなのか。

 女子に声を掛ける男子が多かった。

 

 3人で他愛ない話をしていると。

 

「どうも鷹山さん」

「こんにちは。北山さん」

「久しぶりじゃのう光井」

 

 三校の女子3人がやってきた。

 

「エクレア!カノ!ツクシ!」

「エ・ク・レ・-・ル!いい加減にしなさい!」

 

 相変わらずのレイナに咆える一色。

 そのまま再び言い争いが始まる。

 そして。

 

「と言うか栞!沓子!貴方達も変な呼び名なのに、なぜ何も言わないのですか!?」

 

 飛び火した。

 それに2人は。

 

「私は辛うじて許容範囲なので」

「右に同じじゃ」

「……」

 

 2人からの返しに無言になる一色。

 

「気にしない方がいいよ。栗きんとんって呼ばれている人もいるから」

「ちゃんとした名前で呼んでいるのなんて雫と立華君ぐらいだものね」

 

 雫の言葉にほのかが補足する。

 それに何も言えなくなる一色。

 四十九院は気になったのか尋ねる。

 

「ところで栗きんとんとは誰じゃ?」

「「一条君」」

「「「ぶっ!?」」」

 

 あまりの呼び名に噴き出す3人。

 その後、吉祥寺の呼び名も聞き、笑ってしまう3人だった。

 

 そんな中、話題を変えようとしたのか四十九院がレイナに尋ねる。

 

「そういえば藤丸君はどうしたのじゃ?姿が見えんが」

「「そういえば」」

「「確かに」」

 

 キョロキョロして見るが、見当たらない。

 そんな中でレイナがある方向を指さす。

 

「「「「「!?」」」」」

 

 驚く5人。

 なぜならそこには立華がいた。

 なぜか演奏家のような服装を着て、会場に流れる音楽に合わせて伴奏を弾いていた。

 あまりにナチュラルで誰も気づいていない。

 暫し呆然としていた彼女達だったが、何とか再起動。

 

「な、何しているのですか!?」

「ノリ、だって」

「ノリ!?」

「立華さんピアノも引けたんですね」

「料理も上手いし色々できるんだね」

「でも、本人、謙遜。曰く、モーツァルト、サリエリ、比べれば、児戯」

「「「「「比べる対象がおかしい!?」」」」」

 

 思わずツッコミを入れる一同だった。

 それはそうだろう。

 なにせ世界でも有名な音楽家と比べているのだから。

 

 その後、ある程度ピアノを弾いて満足したのか、制服に着替え戻って来た立華は何人かと踊った。

 3校の3人やエイミィと踊り、最後はレイナと踊った。

 ……レイナとアクロバティックな踊りを披露し、拍手とツッコミを貰ったのは余談だろう。

 

 そして、九校戦は終幕した。

 

 ◆◆◆

 

 そして、自宅に戻った2人。

 

「ねえリッカ」

「うん?」

「エミ、何、聞いて来た?」

「イが抜けてるぞ?……モノリスで使った〈千代紙操法〉が何でも彼女の家に伝わる秘術に似てたから聞いて来た」

 

 ちゃんと否定しておいた。

 確かに似ているが、結構違う。

 

「そっか」

「ああ」

 

 そうして立華はカードを一枚出す。

 

「?」

「材料揃ったからな。これで始められる」

 

 そう言うとカードからある英霊を召喚する。

 それは……。

 

「アヴさん!」

 

 アヴィケブロンだった。

 

「私を呼んだという事は……」

「うん。炉心が出来た」

「見せて貰っても?」

 

 その言葉に立華は歩き始める。

 それについていく。

 そして、彼らがやって来たのはある一室。

 ノックをして、開けると。

 

「お待ちしておりました」

 

 長い黒髪で白装束を纏った男性が彼らを迎えた。

 彼がキャスター。通称P……ヴァン・ホーエンハイム・パラケルススである。

 

「出来た?」

「はい」

 

 そう言ってパラケルススが台の上を差す。

 そこには形容しづらい何かがあった。

 一言で言うのなら大きな肉の塊。

 ただし……人間の手足があちらこちらから出ている。

 

 これがジェネレーターを基にパラケルススが作った炉心だった。

 

「どうでしょうか?アヴィケブロン殿」

「……ふむ」

 

 そう言うとその塊に近づいた。

 そして、触ったり、見たりして調べていたが。

 

「合格だ。これなら使い物になる」

「それは良かった」

 

 その言葉に立華は笑う。

 

「じゃあ早速やっちゃおう」

 

 そういう訳で4人(とゴーレム2体が運ぶ肉塊)がやって来たのは地下だった。

 プールのような水源があった。

 

「結界が張ってあるね……」

「まあね。色々なキャスターに張って貰った。悪いけど、まだ出す訳には行かないからね」

「わかっている。……少し残念だが」

 

 幾ら完成したとしても最終的に1000m近くになる巨人を出しておくわけにはいかないのだ。

 だからこそしばらくはここにしまって置く。

 

「では始めよう」

 

 そう言ってアヴィケブロンがプールに近づく。

 そして。

 

(はは)に産まれ、(ちせい)を呑み、(いのち)を充たす。(ぶき)を振るえば、(あくま)は去れり。義は己が血を清浄へと導かん。聖霊(ルーアハ)を抱きし汝の名は――――『原初の人間(アダム)』なり」

 

 言葉が唱え終わると同時。

 プールから15m位の自然の雄大さをそのまま取り込んだ巨人が現れた。

 そして、アヴィケブロンが指を弾く。

 すると、ゴーレムが肉塊を巨人に投げる。

 その肉塊は吸収された。

 

「これが……アダム……」

「凄い……」

 

 見た事ないレイナと、見た事ある立華も感嘆する。

 

「素晴らしい。流石アヴィケブロン殿」

「そう言って貰えると嬉しい。ありがとう」

 

 パラケルススの言葉に礼を言うアヴィケブロンであった。

 

 九校戦編 了




次章予告

「沈めても責任は課長が取ってくれる」

「キャーシャベッター!?」

「キャノン。三択、選べ」

「いやいや!?ダメでしょ!?」

「やめろー!?」

「力こそ正義です!お兄様」

「次はお互い全力で戦ろうや」

「そういえば、寅さん、そこの軍人」

「世界滅ぼす気ないよね?」

「ヒコ!足止め!」

「僕の名前は幹比古だ」

「私の目の前で患者を殺そうなどとは言語道断です。貴方の命を奪ってでも患者を救いましょう」

「それでも勝てなかった。本当に強かった……」

「是」

「七孔噴血……巻き死ねぃ!」

「見過ごすわけにはまいりません」

「世界を滅ぼすなら、とっくにやってる」

「エ・ク・レ・ー・ル!いい加減に覚えなさい!」

「てへぺろ」

「当たり前です中条さん。フグが自分の毒で死にますか?」

「大丈夫、責任は私が取るから」

「他の者も一緒か。見慣れない者もいるが……」

「花音、他の魔法師が秘密にしている術式の事は聞いちゃいけないって」

「幾星霜経とうとも、濯げぬ(しゅ)です」

「お待たせ」

「鷹山レイナ……いや。我がマスター。その名で呼んだって事は……いいんだな?」

「もし誰かが口を滑らせたら、その時は……極めて遺憾ではありますが、その口を塞がせて貰います。完全に、永久にです」

横浜騒乱編 2018年秋頃 連載開始予定
(月)15:15 (金)16:16 週二回更新予定

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