我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
(・▽・)<そして「カルデアエース」と「ひむてん」のネタバレがあります。
(・▽・)<しかも結構根幹部分ですのでご注意を。
(・▽・)勿論「FGO」のネタバレもあります。
(・▽・)後書きには「とある事実」に対するネタバレがあります。
(・▽・)1部7章、2部No.1、No.2を未プレイの方はご注意を。
(・▽・)前置き長くなりましたが、どうぞ。
さて。
では問題の人物はどうしているのかと言えば。
図書館地下二階で調べ物をしていた。
生徒会の仕事を終わらせ、それから図書館に行くのは日課のような物だった。
「……」
達也は何も喋らず集中している。
だからこそ、彼は近づいてくる人物に気づかなかった。
……彼の名誉のために言っておくと、相手が悪意か殺意を持っているのなら気づいた。
「お兄様。よろしいでしょうか?」
「……!」
急に声を掛けられ、驚く達也。
声の方向を向くと。
「深雪か」
最愛の妹がいた。
「はい。調べ物を中断させてしまい、申し訳ありません」
「気にするな」
そう言って深雪の頭を撫でる達也。
……第一校では司波ブラコンシスコン兄妹と、千代田と五十里のカップル、立華とレイナの相棒コンビのスキンシップは黙認するのが暗黙の了解になっていた。
「ところで、何をお調べになられているのですか?」
「“エメラルド・タブレット”についてだ」
その答えに深雪がふと思い至る。
「……そういえば最近ずっと錬金術の文献を調べておいででしたね」
「ああ。でも調べているのは錬金術ではなくて、“賢者の石”の精製方法だがな」
「……ですが、お兄様。確か……」
この場で言うのは躊躇われたので、暗に匂わせる言い方をする深雪。
なぜなら達也は「賢者の石」を持っている。
立華から貰ったものである。
「色々アプローチしてみたけど、流石に実物だけじゃ精製できなくてね」
苦笑する達也。
合間を縫って解析しているのだが、どうもうまくいかない。
「一応アイツの“鯖”から聞こうと思ったんだが……」
鯖。
サーヴァントの隠語である。
立華とレイナが偶に使うので、達也や深雪達も使う事にしている。
「曰く……俺と合わせづらいらしい」
「?」
「何でも作った人は悪巧み四天王の1人らしくてな」
「悪巧み……四天王……ですか?」
「立華曰く、いつも問題を引き起こす4人らしい」
彼らには専用の対策マニュアルまで作られたほど。
何か問題が起こるたびに疑われる4人である。
メンバーは。
SA156こと、悪のカリスマたる、名高き数学教授「プロフェッサーM」
SA007こと、知略・弁舌・扇動の天才たる皇帝「赤セイバー(偽)」
SA034こと、『物語』至上主義者の劇作家兼俳優「赤のキャスター」
SA079こと、よかれと思ってしたことが火種となる医師にして錬金術師「P」
である。
……真名は今は伏せさせてもらう。
因みにこの4人が集まっていた場合は、即刻通報される。
そして、この面々は自由に現界不可能。要するに出禁。
立華が呼ばない限り現界しないし、させない。
……この4人以外にも出禁は何人かいるが、それはいずれ語ろう。
「あの……お兄様」
「どうした?」
「あの石を作った、医師であり、錬金術師ってまさか?」
「……ああ。“P”ってアイツは呼んでいたから十中八九“パラケルスス”だろうな」
ヴァン・ホーエンハイム・パラケルスス。
十六世紀におけるルネサンス期の人物。
医師にして錬金術師。
「四元素(五元素)の再発見」 「三原質の再発見」を始めとして数多の功績と書物を残した人。
達也や深雪も勿論知っている。
「アイツ曰く、自分の前のマスターを謀殺したうえに、その娘に呪詛を仕込んで、生きる屍にしたそうだ。更にとある鯖への贈り物にゾンビ作ったりとか色々」
「!?」
思わず息を飲む深雪。
「……まあそこまでしたのは、“ある人物”の影響のせいらしいがな。ちゃんと反省はしているうえ……」
「うえに?」
「報いは受けたそうだ。聖剣に斬られ、再召喚時はその娘が召喚した“槍使い”にやられたそうだ」
「……」
「一応反省しているらしい……。こんな人物だから俺と合わせて何が起こるか予想不能らしくてな」
一応、本人は教え導くことの喜びを感じる人物。
「根源への到達」の動機も「遍く人々の安寧」の為であり、ただ愛し子を救いたいというだけである。
そのため、秘匿するはずの神秘を人々に広める傾向があった。
最終的には魔術を公表して、賢者の石の量産体制を作ろうとしたそうだ。
そのせいで魔術協会によって放たれた刺客に殺された。
全く抵抗せずに喜んで殺された。
……余談だが、マハトマのあの人も魔術協会に殺された。
おい魔術協会。暗躍し過ぎだろう。
「……その“ある人物”とは?」
「あんまり教えてくれなかった。……先輩の1人だとかなんとか……」
(「なんでしょう?おぞましい感じがします」)
達也の言葉にそんな事を思う深雪。
因みに深雪の勘は大正解。
初恋で愛に狂った全知全能。
もし「妹」と「三騎士」が止めなかったら、被害規模は「人理焼却」とシャレにならなかった。
因みに出会わないと干物女になる。
それでもトゥリファスで大爆発が起こったらしいが。
……人理焼却と一地方大爆発のどちらがマシだろうか。
閑話休題。
「そういえば深雪。俺に何か用があったんじゃないのか?」
「忘れてました!市原先輩がお探しでした。廿楽先生のデスクでお待ちになっていらっしゃると」
「そうか。わかった。深雪、悪いがこの鍵を返してきてくれないか?」
「かしこまりました」
そういう訳で達也は廿楽の元へ、深雪は鍵を返しに向かった。
達也が部屋に着くと、廿楽や市原だけでなく、五十里もいた。
そして市原の要件はと言えば……。
「司波君に論文コンペティションの代表になって欲しいのです」
「!」
驚く達也。
何でも元々は市原、五十里、そして平河の3人でやるはずだった。
ところが……。
「九校戦の一件で彼女は辞退を申し出てきまして」
「もしかしてCADへの細工の件ですか?」
「ええ。自分は全く気付かなかったのに、それに司波君が気づいたのにショックを受けたようでして。……一時期は体調も崩していたそうですし」
……これも本来の結果に比べればはるかにマシである。
その時達也がふと気になった事を尋ねる。
「次点の人h」
「ダメです」
言葉を遮ってまですぐさま否定する市原。
どうやら手法と主張が真逆だそうだ。
「コホン。私のテーマは『重力制御式熱核融合炉の技術的可能性』です」
「!?」
「貴方のテーマと同じです。なので協力して貰えませんか?」
その言葉に達也は。
「わかりました」
引き受ける事にした。
純粋に興味があったからである。
【先輩】
立華のクラスの先輩達。何人かいる。
共通点として「角」と何かしらの「理」を持つ。
ただし角はⅣは幼体、立華は
理は「憐憫」「回帰」「愛欲」「快楽」「比較」「愛玩」「慙愧」「共感」等々が現在確認されている(該当者が不明な物も書留)。
立華は現在自分の理を模索中(笑)。
そのためか彼は完全体ではない。と言っても不完全という訳ではない。強いて言うなら中間?自分でもよくわかってない。
因みに立華は先輩達それぞれに色々な感情を持っている。