我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第六節:買い物

「それにしてもさ」

「花音?どうしたの?」

「いやね、司波君が深雪さんと、藤丸君がレイナさんと一緒に行動していないのは珍しいなって思って」

「四六時中一緒にいる訳じゃないですよ。なあ達也」

「ああ」

「それに千代田先輩の事をレイナはあんまり好いていませんし」

「……」

 

 必要な物の在庫が切れてしまい、買い物に行く事にした達也。

 一応警護なので付いていくことにした立華。

 そこへ五十里が達也1人に任せる訳にはいかないという訳で、一緒に行くと言い出した。

 彼が行くとなれば、当然のその警護兼恋人の千代田も同行する。

 なので。

 

『わたし、残る』

 

 そういう訳で、達也、立華、五十里、千代田の4人で出かける事になった。

 その際の会話である。

 

「花音は嫌われているのかい?」

「千代田先輩は書類仕事やらないんで」

「花音……」

「だ、だって摩利さんは藤丸君やレイナさんに任せていたし、本人も納得していたんでしょ?」

「違うでしょ?それにその時は達也君もいたからいいけど、今は居ないんだよ?」

「……そ、それは……」

 

 流石に恋人に小言を言われると縮こまってしまう千代田。

 

 

「で、でも、書類仕事か、拷問か、半殺しを選べって酷いでしょ?」

「ご、拷問!?」

 

 驚く五十里。

 だが。

 

「酷くない」

「酷い!?」

 

 立華の容赦ない言葉に落ち込む千代田。

 それに構わず達也が尋ねる。

 

「拷問はともかく、最近の先輩はどうなんだ?」

「レイナがやらせてる。さっき言った選択肢上げて、椅子に縛り付けて、鞭持って」

「どこの女王様だ!?」

 

 達也のツッコミに立華はニッコリ笑って答える。

 

「コノートの女王様」

「えらく具体的!?」

 

 かしずきなさいな、ほら早くぅ!

 by恋多き少女。永久の貴婦人。

 

 レイナは何故か彼女とは結構仲が良かった

 

(「偶によくわからない交友関係ってあるよね」)

 

 例えば。

 メイヴは同性とも異性とも仲が悪いが、マリーやインフェルノとはよく話している。

 特にインフェルノとはよく飲んでいるらしい。

 未亡人同士気が合うのだろうか?

 

 そんな事を思う立華だったが。

 

「……」

 

 気づく。

 自分達に向けられた視線に。

 なので……。

 

(「どれにしようか……」)

 

 出す手札を考えていると。

 

「立華」

「わかってる」

 

 達也も感づく。

 流石ガーディアンである。

 2人の様子がおかしい事に五十里も気づく。

 

「どうしたの?」

「どうやら監視されてるようです」

 

 達也の言葉に驚く2人。

 

「!」

「監視ですって!?」

「そんな大声で言うt」

 

 立華が懸念が途中で止まる。

 案の定、千代田の大声に監視者に気づかれる。

 

 飛んできたのは煙幕と攻撃魔法。

 だが、どちらも……。

 

「ホイホイっと」

「先輩!」

「任せて!」

 

 煙幕は立華が吹き飛ばし、攻撃魔法は千代田が弾く。

 相手は更に攻撃を仕掛けようとするが。

 

「!?」

 

 達也が文字通り起動式ごと吹き飛ばす。

 

 相手は攻撃を諦め逃げようとする。

 スクーターに跨ろうとする。

 

「この!」

「花音!?地雷原は不味いって!?」

 

 千代田の魔法を止める五十里。

 使ったら、スクーターが大破する。

 

「でも……」

「だからこうする」

 

 そう言って五十里が発動させたのは〈伸地迷路〉。

 放出系の魔法で、摩擦力を近似的にゼロとすることにより、車輪で走行する輸送機械を行動不能、あるいは制御不能に追い込む魔法。

 複合的に放たれるジャイロ力増幅の魔法によりスクーターは倒れることも出来ない。

 

 立ち往生するスクーター。

 これで安心かと思われたが。

 

 ボン!

 

「「「!?」」」

 

 スクーターに積まれていたロケットブースターが作動。

 噴煙に紛れ、そのまま走り去ろうとする。

 

 スクーターにロケットブースターを付けて、確かにスピードは出る。

 だが、爆発する危険もあるし、真っ直ぐ進むとは限らない。

 それでも監視者は賭けに勝った。

 そのまま走って逃げようとする。

 

 もしこの場に五十里、千代田、達也だけだったら、逃げきれていただろう。

 だが、ここにはもう1人いた。

 藤丸立華である。

 

「フフ、ささやかに」

『愛そうか、殺そうか』

 

 とある英霊の力を借りる。

 今回借りたのは……。

 

 恐るべき女王。

 氷雪の女神。

 彼女の〈原初のルーン〉を借りる。

 

 指揮棒のような物が立華の手に握られている。

 それがポインターのようになり、バイクに文字を書く。

 そして。

 

「!?」

 

 スクーターが氷漬けになる。

 爆発物は凍らせる手段も一般的。

 ついでに監視者も凍る。

 

 その結果を見て。

 

「よし!」

 

 立華が満足そうに言うが。

 

「「いやいや!?ダメでしょ!?」」

 

 ツッコミを入れるカップル。

 だが、達也は。

 

「でも捕まえられたので……。結果オーライですよ」

 

 そう言ってフォローした。

 

「で?融かせるんだよな?」

「……」

「「「おい!?」」」

「冗談です♪」

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