我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第七節:拷問技術

 とりあえず学校に連絡し、氷を融かして(結構苦労した。4人がかりでどうにか融かせた)、監視者を救出。

 

 その監視者を改めて観察。

 制服は一校の物であり、エンブレムがない。

 二科生の女生徒だった。

 

「で?誰?」

「俺は知らん」

「あたしも」

 

 立華の疑問。

 その疑問に達也も千代田も答えられない。

 だが、それに答えられる人がいた。

 

「彼女は平河千秋さんだよ」

 

 五十里だった。

 

「知り合いですか?」

「……直接の面識はないんだけどね」

 

 立華の疑問に少し苦い顔をしながら答える五十里。

 

「もしや平河小春先輩の?」

「うん妹さん」

 

 達也の出した名前に千代田の頭上には疑問符が浮かぶが、立華は聞き覚えのある名前にう~んとなる。

 

「誰だっけ?」

「小早川先輩のエンジニアだった人だ」

「ああ!」

 

 思い出す立華。

 細工された時現場にいた人である。

 

「あの時、平河先輩は小早川先輩のCADの不正工作を見抜けなかった。まああの時は藤丸君や司波君のおかげで大事には至らなかった。でも彼女は一時期体調を崩していたんだ」

「「「……」」」

 

 もし立華や達也が気づかなければ、小早川は魔法師としては終わっていたかもしれない。

 

「だからこそ……」

「俺か達也を狙った……というわけか?」

「なにそれ!完全な逆恨みじゃないの!」

 

 立華の言葉にプリプリ怒る千代田。

 

「まあ人ってそう言う物ですよ。何かを恨まなきゃ、誰かのせいにしなきゃ、やっていられない時がありますし」

「「「……」」」

 

 立華の言葉に全員が黙り込む。

 そして。

 

「とりあえず専門家に見て貰いましょう。もしかしたら精神干渉されているかもですし」

 

 そういう立華に千代田が尋ねる。

 

「ねえ藤丸君」

「はいー?」

「君さ、年齢誤魔化して学校通ってない?20歳位」

「アッハッハッハ」

 

 そんな事ないと言う風に笑う立華。

 

 因みに千代田の指摘は半分正解である。

 立華の実年齢はもう少し上である。

 

(「でも10は行き過ぎ。もうちょっと下ですよ」)

 

 そんな事を内心思っている立華だったが。

 

「……まあ司波君もそうだけど……」

「「確かに」」

「……」

 

 千代田のコメントには五十里と共に頷いた。

 何も言えなくなった達也だった。

 

 ◆◆◆

 

 その後、連絡を受けた学校側から迎えが来た。

 その人達に平河千秋の事と、氷漬けのスクーターを任せ、学校に戻る。

 するとそこには……。

 

「おや、皆さん御揃いで」

 

 論文コンペの主要人物や七草達幹部が勢ぞろいしていた。

 平河小春もいた。

 

 暫く誰も何も言わなかったが。

 

「ごめんなさい。ウチの妹が迷惑かけて」

 

 小春が頭を下げる。

 

「あの時、私はCADの不正工作を見抜けなかった」

「アレは仕方ないですよ。昔日本の魔法師を散々苦しめたSB魔法らしいですし」

 

 あの時仕込まれていたのは「電子金蚕」。

 有線回線を通して、電子機器に侵入し、ソフトウエア自体を改ざんするのではなく、電気信号に干渉し、これを改ざんする性質を持つ。

 そのため、OSの種類を問わず、またアンチウイルスプログラムの有無に関わらず、電子機器の動作を狂わせるのだ。

 烈から色々聞いている彼である。

 

「でもそれに貴方達は気づいたじゃない?」

「あくまで勘ですよ?俺は」

「……ええ。でも司波君」

「はい?」

「貴方はしっかりと気づいた。そして、何かもわかってたじゃない?」

「あくまでSB魔法という事がわかっただけです。アレの詳しい事までは知りませんでしたから」

「それでも私にはわからなかった」

 

 落ち込む小春に対して、五十里が発言する。

 

「それは僕達も同罪だ。全く気付かなかったんだから」

「啓。気にしちゃダメだよ。司波君がおかしいだけなんだから」

「千代田先輩?」

 

 千代田の失礼な発言に深雪の声が据わる。

 室内の気温が下がる。

 

「ミユキチ、冷静に」

「……」

「キャノン、恋人、フォローした、だけ」

「そうですね……。すいません。取り乱しました」

 

 レイナの言葉に深雪の怒りも収まる。

 

「それで?下手人は?」

「げ、下手人……」

「ま、間違っていないけど、もう少しオブラートに包みましょう」

 

 レイナの余りの言いように、呆れる渡辺と七草。

 

「今は保健室にいます。眠っていますね」

 

 市原の答えにレイナは部屋を出ようとする。

 

「そ。じゃあ、いってくる」

「「「「「「どこへ!?」」」」」」

 

 どこかへ行こうとするレイナを止める一同。

 

「尋m……、拷問」

「「「「「「余計に酷くなってる!?」」」」」」

「大丈夫。ちゃんと、持ってる」

 

 そう言ってレイナが懐から出したのは奇妙な道具だった。

 洋梨型の金属製の道具。

 それの正体を知っている立華が呆れる。

 

「……何で持ってんだ」

「ふーやちゃん、くれた」

 

『丁度余っておる。お前にやろう』

 

 そんな感じでとあるアサシンのサーヴァント……ふーやちゃんと呼ばれている凄惨な拷問大好き少女から貰ったそうだ。

 

「やめてやれ」

「……なにそれ?」

「……苦悩の梨です」

 

 立華の答えにほとんどの人の頭上には疑問符が浮かぶ。

 だが数人の顔が歪む。

 どうやら正体を知っていたらしい。

 その後、立華の説明に全員顔が引きつったのは余談だろう。

 

「大丈夫、死にはしない」

「「「「「「やめろー!?」」」」」」

 

 そのまま部屋から出ていこうとしたレイナを全員で止めた。




(・▽・)分からない人はググってください。
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