我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第九節:二つ名とRPGと髭

 平河千秋の件があった翌日。

 最近は集まる事が無かった「お兄様の愉快な仲間達」が久しぶりに揃い、下校していた。

 

 因みにメンバーは……。

 司波兄妹、エリカ、美月、レオ、幹比古、雫、ほのか、立華、レイナである。

 

 ここ最近起こった事で、昨日の事も話題にのぼる。

 

「マインドコントロールか……」

「まあ、そこまでじゃなくて意識操作位だと思うけどね。でも問題は……」

「誰がやったかという事だね」

 

 それが問題である。

 そんな事が普通の人に出来るとは思えないうえに、やれるとしても普通はやらない。

 

「立華君も出来たりする?」

 

 そう聞いて来たエリカに立華は。

 

「アッハッハッハ」

 

 ただ笑っただけだった。

 

(「あ、コレ絶対にもっと悪い事が出来るな」)

 

 内心そう思う数名である。

 因みにその通りである。

 

「まあ、問題は平河千秋が言っていた”あの人”がどう動くかだな」

「どうって?」

 

 首を捻る雫にレイナが答える。

 

「裏、暗躍、する人、正体、バレたくない。だから、再び接触。記憶改竄、もしくは……」

 

 そう言ってレイナは親指を自身の首に向け、首を切る動作をする。

 それを見た数人の顔が引きつる。

 

「ひっ」

「……口封じ?」

「うん」

 

 全員黙り込んでしまう。

 

「ま、そんな事させないけどねえ」

 

 そんな雰囲気を払しょくするかのように立華が笑う。

 

「病院に忍び込ませとく。そうすれば大丈夫さ」

 

 そう言ってカードを出す。

 背中合わせのピエロのカード、髑髏の仮面を付けた人のカード、獣の毛皮を被った戦士のカードだった。

 この3人は全員が変身能力を持っているうえ、結構強い。

 

 それを見た何人かの表情が和らぐ。

 するとエリカがぼやく。

 

「本当に立華君って何してくるか分からないものね」

「まあね」

「ビックリ箱(ジャック・イン・ザ・ボックス)とか言われているわよ」

 

 魔法師には異名や二つ名が付く事がある。

 

 例えば……。

 一条将輝だったら、「佐渡侵攻」の際、敵味方の血にまみれて戦い抜いた逸話から「クリムゾン・プリンス」。

 十三束鋼だったら、遠隔魔法が苦手と揶揄されるが、ゼロ距離では無類の強さを発揮するという敬意も込められて「Range Zero(レンジ・ゼロ)」。

 

 そして、九校戦の活躍で立華に付いたのは「ビックリ箱(ジャック・イン・ザ・ボックス)」だった。

 何をしてくるか一切予測できないからだった。

 

 その二つ名を聞いた立華は何とも言えない表情をして。

 

「……まあパンドラの箱よりはいいかな。うん」

 

 ある存在を思い出し小声で呟いた。

 

 そしてエリカは続けて言った。

 

「RPGで言うなら……、何だろう?達也君ならすぐに思いつくんだけど……」

「達也ならラスボスじゃないか?」

 

 立華の答えに数人噴き出す。

 そこから色々な意見が出る。

 錬金術師や賢者、裏ボス等々。

 それに怒りだしたのはほのか。

 

「何で勇者って選択肢がないんですか!」

「いいんだよ。ほのか。自覚はあるから」

「あるんだ(笑)」

「……」

「力こそ正義です!お兄様」

 

 そんな感じで楽しく下校していたのだが。

 ある事に気づき、数人の表情が少し変化する。

 達也、レオ、エリカ、幹比古、立華、レイナ。

 武闘派(?)である5人。

 最初に切り出したのは達也。

 

「ちょっと寄っていかないか?」

 

 行きつけの喫茶店が見えたので、そこに寄る提案をする。

 

 この喫茶店は「アイネブリーゼ(Cafe Einebrise)」。

 東京都八王子にある喫茶店である。

 「Einebrise」はドイツ語で「微風」と言う意味があり、レオの祖父がドイツ人なので、親近感を覚え、通い始めた。

 そのため、他の面々も立華の家に行かない時にお茶をする場合はここになる。

 なのだが。

 

「ここかあ……」

 

 立華の顔が少しだけ歪む。

 彼はここのマスターがあんまり好きではないのだ。

 その理由は……。

 

「おや、いらっしゃい」

 

 店に入ると出迎えてくれるマスター。

 年齢は30になるかならないか程度。

 ドイツ系のクォーターらしく、容姿は髪の毛は灰色、瞳は黒。

 顔立ちは東洋系で、優男風のハンサムフェイス。

 

 ここまでなら問題ないのだが、ある一点。

 髭が生えている。

 それが問題だった。

 顎鬚を生やしていた。

 因みに達也や美月からも不評である。

 

 そして立華は髭にあんまり思い出がない。

 

 「新宿」では「アラフィフ」に裏切られ、街ごと殺されかかった。

 「アガルタ」では「ドリカム」に裏切られ、彼の従える大英雄に殺されかかった。

 「下総」では「御留流」に裏切られ、斬られかかった。

 

 無論その後3人共召喚して仲間となった。

 そのおかげで今も呼ぶ事はある。

 ……問題児である上記2名は滅多に呼ばないうえ、出禁である。

 だがやはり……。

 

「髭……いやだなあ。切ってくれません?」

 

 立華の言葉にマスターは苦笑してしまった。




(・▽・)<病院に忍び込ませる3人が誰かはわかりますか?
(・▽・)<1番目はEXTRA CCC Fox Tail
(・▽・)<2番目は言わずもがな。
(・▽・)<3番目はstrange Fakeの鯖です。

(・▽・)<そして、あの髭の3人が誰の事かはすぐにわかりますよね?
(・▽・)<特に漫画化が決まった3つの亜種特異点をやっている方は。
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