我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第七節:放課後

 その後、名前を知らない面々がいたので、互いに自己紹介。

 そして、皆で一緒に帰る事になった。

 こういうのは……。

 

「学生、らしい?」

「ん?まあそうだな。学生らしいことだな」

 

 レイナの言葉に立華は肯定。

 因みに立華の腕に恋人のように掴んでいるレイナである。

 ……こういうスキンシップはしょっちゅう取る2人。

 

「これで付き合ってないの?」

「相棒だそうよ?」

「相棒ね……」

 

 深雪の答えに赤毛の少女……千葉エリカが納得していない表情で言う。

 

「どう見ても恋人同士にしか見えないんだけど……」

「友達、恋人、家族。それ以外、関係、色々」

「例えばどういうのでしょう?」

 

 眼鏡の少女……柴田美月の疑問にレイナは答える。

 

「相棒、主従、いい例。後、……肉体だけの関係、とか?」

「「「「「「ブッ!」」」」」」

 

 余りの言葉に全員噴き出す。

 ……達也だけは噴き出さなかったが。

 

「冗談」

「そういうのやめい」

「……ごめん」

 

 しょぼんと落ち込むレイナ。

 その様子を見た立華は軽くレイナの頭を撫でながら、フォローする。。

 

「すまないな。コイツあんまり同年代との会話に慣れてないんだ。だから偶に突拍子もない事を偶に言うんだ。……まあ俺も人の事言えないけど」

「……皆さん、ごめん」

 

 頭を下げる2人。

 

「気にすんなよ。失言くらい誰だってあるさ」

 

 そう言ったのはゲルマン風の少年……西城レオンハルト。

 

「そうよ。……コイツに同意するのは癪だけど」

「なんだと!」

「なんですって!」

 

 エリカも同意。

 一言余計な事を言ったため、争いとなる。

 そんな2人を見て、レイナは立華に尋ねる。

 

「これ、獅子、紳士、同じ。喧嘩するほど、仲いい?」

「うん。合ってる」

「「合ってない!」」

「本当に、本当に……仲が悪いのならさ」

 

 すっと目付きが細くなる。

 

「殺し合いになるからな」

「「「「「「……」」」」」」

「どっちかが死ぬまで止まらない殺し合いに」

 

 立華の余りの言葉に全員黙り込んでしまう。

 

 そんな中話題を変えようと、出たのはCADについてだった。

 エリカのCADが変わっているという話題だった。

 刻印式で、サイオンの消費が激しいはずなのだが、「兜割」の要領で使いこなしているそうだ。

 それに立華は食いついた。

 

「へえ。やっぱり剣使えるんだ」

「まあね。……でもそっちもでしょ?」

「あ、わかる?」

 

 ニコリと笑う立華。

 

「うん。だって立ち振る舞いとか、隙がないし」

「アハハハ」

 

 エリカの言葉に声を上げて笑う立華。

 彼は本来は弱いが、スキルや宝具をセットして、常に戦えるようにしている。

 その気になれば、三騎士やハイ・サーヴァント共渡り合える。

 

「そっちだってそうじゃない?」

「……へえ。どこまでわかる?」

 

 エリカの声のトーンが下がる。

 それに立華は答える。

 

「う~ん。まずその警棒は……この得物は使い慣れてはいる」

 

「でも本来の得物は違う。……もっと長い」

 

「身長以上の刀。……物干し竿って奴?」

「……へえそこまでわかるんだ」

 

 笑みを浮かべるエリカ。

 だが、眼はちっとも笑っていない。

 

「それで?そっちは?」

 

 自分の事は語ったのだから、そっちも語れ。

 そう目が言っていた。

 なので、答えようとすると。

 それより先にレイナが口を開く。

 

「立華。節操、なし」

「どういうこと?」

「色々。手を出している」

「……例えば?」

 

 妙な事を言い出したレイナにほのかが尋ね、雫が具体例を尋ねる。

 

「例えば、剣。柳生新陰流、巌流、二天一流、西洋剣術、天然理心流。他にも色々」

「……え」

 

 出てきた流派に唖然とするエリカ。

 どれも有名だからだ。

 

「……」

「お兄様……」

 

 そして全部知っている達也も驚きを隠せないようだ。

 それに驚く深雪。

 

「ん?なあ剣で上げたと言う事は他にもあるのか?」

「その通り」

 

 レオが気になったのか、尋ねた疑問に答えるレイナ。

 

「槍。宝蔵院流、六合大槍、スパルタ、ケルト、ランス」

 

「弓。日本、東洋、西洋」

 

「素手。カラリパヤット、ルチャリブレ、八極拳、パンクラチオン、ヤコブ、ファラオ、バリツ」

 

「エトセトラエトセトラ。上げるとキリない」

「とは言っても全部真似事だからさ」

 

 レイナの言葉に補足する立華。

 だが、全員驚いている。

 ……よくわからないのが混ざっていたが、それは気にならなかったらしい。

 皆が沈黙する中、美月が尋ねる。

 

「あの……、どうしてそんなに手を出したのですか?」

「う~ん……何でだろう?」

 

 首を捻る。

 そして、軽く笑って続ける。

 

「……このままじゃいけないって思ったからかな?」

「「「「「「……」」」」」」

 

 全員沈黙する。

 そんな中、レイナが口を開く。

 

「わたし、パンクラチオン、少し、習った」

「……ああ。先生も言っていたな。スジがいいって」

 

 どうやら彼の師に彼女も習っていたらしい。

 

「先生、教えるの上手い。……あの紫、大違い」

「あの人はなあ……」

「「紫?」」

 

 レイナの言葉に首を捻るレオとエリカ。

 それに説明する立華。

 

「ああ、槍とかルーンを習った人でね、すっごいスパルタなんだよ」

「あれ、ダメ。弟子、死ぬ」

「まあ、死ぬ人はそんなにいなかったね。……そのせいか先生とは違って、あんまり慕われてはなかったなあ」

 

 ケラケラ笑う立華に全員ある事を思う。

 ―――一体どんな人なんだ?

 ……彼らが「紫の人」と会うのは結構先になる。

 

 すると今度は達也が口を開く。

 

「立華。ルーンを使えるのか?」

「いくらかは。あくまで真似事」

 

 そう言って立華は軽く指を空中に躍らせ。

 

「アンサズ」

 

 言葉を唱える。

 すると空中に炎が出る。

 

「こんな感じ」

「……うわあ」

「凄い」

「どうも」

 

 優雅にお辞儀をする立華だった。

 

 その後も他愛ない話をして帰宅する彼らだった。

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