我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
その後、名前を知らない面々がいたので、互いに自己紹介。
そして、皆で一緒に帰る事になった。
こういうのは……。
「学生、らしい?」
「ん?まあそうだな。学生らしいことだな」
レイナの言葉に立華は肯定。
因みに立華の腕に恋人のように掴んでいるレイナである。
……こういうスキンシップはしょっちゅう取る2人。
「これで付き合ってないの?」
「相棒だそうよ?」
「相棒ね……」
深雪の答えに赤毛の少女……千葉エリカが納得していない表情で言う。
「どう見ても恋人同士にしか見えないんだけど……」
「友達、恋人、家族。それ以外、関係、色々」
「例えばどういうのでしょう?」
眼鏡の少女……柴田美月の疑問にレイナは答える。
「相棒、主従、いい例。後、……肉体だけの関係、とか?」
「「「「「「ブッ!」」」」」」
余りの言葉に全員噴き出す。
……達也だけは噴き出さなかったが。
「冗談」
「そういうのやめい」
「……ごめん」
しょぼんと落ち込むレイナ。
その様子を見た立華は軽くレイナの頭を撫でながら、フォローする。。
「すまないな。コイツあんまり同年代との会話に慣れてないんだ。だから偶に突拍子もない事を偶に言うんだ。……まあ俺も人の事言えないけど」
「……皆さん、ごめん」
頭を下げる2人。
「気にすんなよ。失言くらい誰だってあるさ」
そう言ったのはゲルマン風の少年……西城レオンハルト。
「そうよ。……コイツに同意するのは癪だけど」
「なんだと!」
「なんですって!」
エリカも同意。
一言余計な事を言ったため、争いとなる。
そんな2人を見て、レイナは立華に尋ねる。
「これ、獅子、紳士、同じ。喧嘩するほど、仲いい?」
「うん。合ってる」
「「合ってない!」」
「本当に、本当に……仲が悪いのならさ」
すっと目付きが細くなる。
「殺し合いになるからな」
「「「「「「……」」」」」」
「どっちかが死ぬまで止まらない殺し合いに」
立華の余りの言葉に全員黙り込んでしまう。
そんな中話題を変えようと、出たのはCADについてだった。
エリカのCADが変わっているという話題だった。
刻印式で、サイオンの消費が激しいはずなのだが、「兜割」の要領で使いこなしているそうだ。
それに立華は食いついた。
「へえ。やっぱり剣使えるんだ」
「まあね。……でもそっちもでしょ?」
「あ、わかる?」
ニコリと笑う立華。
「うん。だって立ち振る舞いとか、隙がないし」
「アハハハ」
エリカの言葉に声を上げて笑う立華。
彼は本来は弱いが、スキルや宝具をセットして、常に戦えるようにしている。
その気になれば、三騎士やハイ・サーヴァント共渡り合える。
「そっちだってそうじゃない?」
「……へえ。どこまでわかる?」
エリカの声のトーンが下がる。
それに立華は答える。
「う~ん。まずその警棒は……この得物は使い慣れてはいる」
「でも本来の得物は違う。……もっと長い」
「身長以上の刀。……物干し竿って奴?」
「……へえそこまでわかるんだ」
笑みを浮かべるエリカ。
だが、眼はちっとも笑っていない。
「それで?そっちは?」
自分の事は語ったのだから、そっちも語れ。
そう目が言っていた。
なので、答えようとすると。
それより先にレイナが口を開く。
「立華。節操、なし」
「どういうこと?」
「色々。手を出している」
「……例えば?」
妙な事を言い出したレイナにほのかが尋ね、雫が具体例を尋ねる。
「例えば、剣。柳生新陰流、巌流、二天一流、西洋剣術、天然理心流。他にも色々」
「……え」
出てきた流派に唖然とするエリカ。
どれも有名だからだ。
「……」
「お兄様……」
そして全部知っている達也も驚きを隠せないようだ。
それに驚く深雪。
「ん?なあ剣で上げたと言う事は他にもあるのか?」
「その通り」
レオが気になったのか、尋ねた疑問に答えるレイナ。
「槍。宝蔵院流、六合大槍、スパルタ、ケルト、ランス」
「弓。日本、東洋、西洋」
「素手。カラリパヤット、ルチャリブレ、八極拳、パンクラチオン、ヤコブ、ファラオ、バリツ」
「エトセトラエトセトラ。上げるとキリない」
「とは言っても全部真似事だからさ」
レイナの言葉に補足する立華。
だが、全員驚いている。
……よくわからないのが混ざっていたが、それは気にならなかったらしい。
皆が沈黙する中、美月が尋ねる。
「あの……、どうしてそんなに手を出したのですか?」
「う~ん……何でだろう?」
首を捻る。
そして、軽く笑って続ける。
「……このままじゃいけないって思ったからかな?」
「「「「「「……」」」」」」
全員沈黙する。
そんな中、レイナが口を開く。
「わたし、パンクラチオン、少し、習った」
「……ああ。先生も言っていたな。スジがいいって」
どうやら彼の師に彼女も習っていたらしい。
「先生、教えるの上手い。……あの紫、大違い」
「あの人はなあ……」
「「紫?」」
レイナの言葉に首を捻るレオとエリカ。
それに説明する立華。
「ああ、槍とかルーンを習った人でね、すっごいスパルタなんだよ」
「あれ、ダメ。弟子、死ぬ」
「まあ、死ぬ人はそんなにいなかったね。……そのせいか先生とは違って、あんまり慕われてはなかったなあ」
ケラケラ笑う立華に全員ある事を思う。
―――一体どんな人なんだ?
……彼らが「紫の人」と会うのは結構先になる。
すると今度は達也が口を開く。
「立華。ルーンを使えるのか?」
「いくらかは。あくまで真似事」
そう言って立華は軽く指を空中に躍らせ。
「アンサズ」
言葉を唱える。
すると空中に炎が出る。
「こんな感じ」
「……うわあ」
「凄い」
「どうも」
優雅にお辞儀をする立華だった。
その後も他愛ない話をして帰宅する彼らだった。