我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 作:亜亜亜 無常也 (d16)
ナイチンゲールは手のペッパーボックスピストルを仕舞う。
そして、千秋の病室に戻ろうとする。
そこへ。
「ま、待ってくれ!」
修次が彼女に声を掛ける。
それに鬱陶しそうにそちらに向く。
「何か?」
「だ、大丈夫なのか?」
何せ近接戦闘なら世界でも屈指の相手と戦ったのだ。
修次が心配するのも無理なかった。
だが。
「私が怪我をしているように、見えるでしょうか?」
逆におかしそうに聞いて来た。
確かに見えない。
言葉に詰まる修次。
「では私はこれで。患者がいますので」
それを確認するとナイチンゲールは千秋の病室に戻ろうとする。
「私達はそこに用があるんだ」
そこへ渡辺が発言。
すると彼女は。
「……」
何かを考え込み。
そして思い出す。
「ああ。そういえばミスター・リッカが言っていましたね。学校の先輩が来ると」
「!」
「貴方は立華君の知り合いか!?」
「はい」
聞き覚えのある名前に驚く2人。
知り合いどころか仲間であり、主従である。
絆Lv10である(笑)。それ以上である。
「確か……ミス・マリ=ワタナベ……いえ、ミセス・マリですか?」
「!?」
ナイチンゲールの言葉に真っ赤になる渡辺。
修次も少しだけ赤くなってしまう。
その反応を無視して、ナイチンゲールは告げる。
「ではどうぞ。ですが、患者に悪影響を及ぼすのなら」
言葉を切って凄む。
「貴方方を殺しますので」
「「……はい」」
赤くなった顔が元に戻って、怯えながら返事する2人だった。
◆◆◆
一方、傷を負い、逃げ出した呂剛虎は周公瑾の運転する黒塗り車にいた。
彼のサポートで何とか逃げ出し、応急処置を受けたのだ。
まだ血があちらこちらからにじんでいた。
「それにしても驚きました。呂大人が傷を負うとは」
「……」
その言葉に何も言わない。
アレはまるで獣だった。
自分も「虎」と呼ばれるが、アレはそれ以上だった。
(「あのまま戦っていたら……」)
その考えを振り払い、上司に報告する旨をまとめ始める。
そんな中ふと気になった事を聞く。
「アレは遁甲術か?」
「ええ。とは言ってもそこまでの代物ではありません」
「……」
信用できないという視線で睨みつける呂剛虎。
それを涼しい顔で受け流しながら、周公瑾は考えていた。
(「アレは人ではありませんね。確か……“サーヴァント”と呼ばれる物」)
彼はそれを知っていた。
師から聞いていた。
2年前この国で起こった事件で、魔法師や兵器が全く歯が立たなかった物だと。
(「つまり……“マスター”が存在する。誰かはわかりませんが……会ってみたいですね」)
そんな事を思っていた。
◆◆◆
一通り千秋から話を聞き終えた渡辺。
とは言っても結果は芳しくなかった。
ナイチンゲールから文字通り病室から追い出され(発砲されかかった)、病院を後にする2人、
「ところで、シュウ」
「何だい摩利」
「立華君の事を知っているのか?」
「ああ。夏休みにエリカが連れてきたんだ」
「!もしかして……」
「いや、彼とは戦っていないよ」
「そ、そうか」
半年の付き合いで自分の後輩の得体が知れない事を渡辺は知っていた。
何をしてくるか予測不能なのだ。
それに……。
(「
自分の戦い方……気流操作による色々な粉末を利用した戦い方や、香水を使っての自白剤作りなどを知った彼が「皆には内緒ですよ♪」とくれた「ある物」を思い出した。
一応貰っておいたのだが、「アレ」は使い方をしくじれば、自分や味方も危ないではすまない。
そんな事を思ったのだが。
(「うん?とは……?」)
言い方が気になった。
「シュウ。他に誰かいたのか?」
「……ああ。彼が連れてきた人がね、恐ろしく強かった」
派手な和装を纏った女剣士。
「最強の剣士」と同姓同名の剣豪。
その実力は凄まじかった。
「僕も……、兄さんも……、エリカも……勝てなかった。一太刀で負けた」
「まさか!?そんな馬鹿な!?」
「でも流石に悔しくてね……、3人共本気の得物持ち出して、3vs1で挑んだんだ」
寿和は千葉家の作り出した武装デバイスで、最高傑作と自負している、【雷丸(いかずちまる)】と【大蛇丸(おろちまる)】を引っ張りだし、前者は彼が使い、後者はエリカが使った。
修次はいつも使う棍刀ではなく、エリカが立華から貰った【大蛇村正】を借り、挑んだ。
3人共ガチで挑んだ。
なのだが。
「それでも勝てなかった。本当に強かった……」
「……」
「正にあの剣は」
憧れるように彼は続けた。
「鮮やかな天元の花。……あの剣は無空の高みに届いていた」
新・七番勝負 内訳
勝負一番:VS■■・■■■■(常在鯖の1人)
勝負二番:VS千葉エリカ
勝負三番:VS千葉寿和
勝負四番:VS千葉修次
勝負五番:VS千葉三兄妹
勝負六番:VS■■■■■■
勝負七番:VS???
(・▽・)<今週はここまで。
(・▽・)<次回は24日に更新です。