我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第十八節:面会に行こう!

 そして、翌日。

 学校でいつも通りに過ごす2人。

 そんな中。

 

「おや藤丸さん、鷹山さん」

 

 偶然通りがかった市原に出会う。

 世間話をする事になる。

 

「お2人は昨日の件は聞きましたか?」

「「はい」」

「そうですか……」

 

 市原が昨日の達也の件を話題にする。

 

「リンちゃん先輩」

「……その呼び方はやめてくれませんか?」

「あのゴリラ、動機は?」

「ゴリラって……」

「まあいいでしょう。それは……」

 

 鈴音が答える。

 

「彼は純粋に魔法の発展を望んでいます。魔法理論は世界で一丸となって発展させるべきだというオープンソース主義者というわけなのです。だからこそ、魔法後進国にも我が国の魔法技術を公開し、世界的に発展を促すのが目的だそうです」

 

 その答えに立華とレイナは何も言えなくなる。

 暫くして立華が口を開く。

 

「悪くはないですけど……」

「ええ。軍事的対立がなければ素晴らしい考えですが、国家機密漏洩の罪に問われる可能性すらありますね」

 

 市原が関本の考えを切り捨てる。

 

 だが、関本だけが悪いとは言い切れない。

 その考えに付け込まれ、マインドコントロールを仕掛けられたのだ。

 時間をかけず、証拠も残さずにマインドコントロールを行っている様子を鑑みると、精神干渉系の魔法師が関与している可能性が高い。

 

(「やっぱり”アイツ”かなあ」)

 

 アサシン達の報告にあった、横浜中華街の人気中華料理店のオーナーである「周公瑾」。

 色々暗躍しているらしく、千秋にも会っていたそうだ。

 だが、敵もさるもの引っ搔くもの。

 どうにも尻尾を掴ませない。

 

 どうしようかと考えながら、市原と別れ風紀委員室に行く。

 すると。

 

「千代田風紀委員長」

「ダメ」

「……何も言っていませんが」

「先んじて言っておくの。どうせ面倒事なんだから」

「……」

「で?要件は?」

「今日は関本勲への面会申請w」

「ダメったらダメ」

「……何故なのでしょう?」

「気づいてないの?」

 

 扉の向こうで言い争いが聞こえる。

 達也と千代田だった。

 

「この短い期間に貴方を狙う人が学内から2人も出たのよ!?貴方は誰がどう見てもトラブルメーカーなんだから!これ以上仕事を増やされたらたまったものじゃないのよ!」

 

 千代田の絶叫が聞こえた所で入室する2人。

 

 そこには達也と千代田だけでなく、渡辺がいる。

 視線が向いた所で立華が千代田に告げる。

 

「先輩」

「……何?」

「許可出した方がいいと思いますよ?」

「……どうして?」

「だってこのままだったら、達也が無断侵入して余計面倒な事になりますよ」

「……」

 

 立華のフォローとも貶しているともつかぬ言葉に何も言えなくなる千代田。

 因みにそれを聞いて、レイナと渡辺は笑いを懸命に堪えていた。

 達也は不服そうな表情をする。

 

 そして、何とか笑いを収め、渡辺が口を開く。 

 

「花音。気持ちは分からなくもないが、まあ落ち着け」

 

 そして助け舟を出す。

 

「明日、あたしと真由美で関本の様子を見に行く予定なんだ。それに同行させるなら構わないだろう?」

 

 それに彼女は。 

 

「まぁ、摩利さんが面倒見てくれるって言うのなら……」

 

 仕方なくといった風に納得する。

 達也も渡辺の言葉に頷いた。

 ……非常に何か言いたそうだったが。

 

「俺も行っていいですか?」

「……立華君がか?」

「はい。どうも嫌な予感を感じまして……」

「「「うわあ……」」」

「何か起こるの確定じゃない……」

 

 立華の勘の良さは皆知っている。

 レイナと達也、渡辺の顔が曇り、千代田が机に突っ伏した。

 

 ◆◆◆

 

 次の日の放課後、達也と立華、渡辺、七草は共に関本が拘留されている八王子特殊鑑別所へ向かった。

 

 論文コンペまでもう日にちは一週間を切った。

 まさしく最後の追い込み。

 なのだが、達也の仕事は速いので、手を離す余裕はあった。

 

 実のところ「お兄様の愉快な仲間達」も来たがったが……。

 

 渡辺を敵視しているエリカや、上級生な上、あまり親しいとは言えない女子との行動は男子高校生にはハードルが高かった。

 深雪は行きたがったものの、仕事で抜けられず、現在一校はブリザードが吹き荒れていた。

 そして、レイナ。

 

『これと、これと♪』

 

 五寸釘と蝋燭、異端者のフォークを用意し始めたので、置いて来た。

 どう見ても拷問官にしか見えなかったのだ。

 ……まぁ委任状は4人分しか出てなかったのではじめから無理だったが。

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