我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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(・▽・)<執筆中は二部No3は未実装です。


第二十節:勝負 後編

 呂剛虎は今は絶好調ではなかった。

 この前の看護婦との戦いで、こじ開けられた古傷がまだ完全に完治していない。

 治癒魔法は受け、傷は邪魔にならないように包帯を巻いてある。

 それでも好調とは言えない。

 だが、戦いで支障を来たす事はない。

 欲を言えば彼との戦いでは【呪法具・白虎甲(バイフウジア)】を付けたかったが、贅沢は言えない。

 最初から〈鋼気功〉を使い、油断なく全力で行く。

 

 立華はと言えば……。

 

(「頼む」)

『応さ』

 

 自身の契約サーヴァントを自身に呼び込む。

 〈限定展開(インクルード)〉。

 通常は武装を呼ぶ場合が多いが、今回はその技量を呼び込む。

 選んだのは、八極拳の使い手にして、「神槍」とうたわれた槍の腕前を誇るランサー。

 

 李書文。字は同臣。

 19世紀の人物で、中国武術家。

 八極拳の門派・李氏八極拳の創始者である。

 適性はランサー、アサシン、バーサーカー。

 神秘もへったくれもない時代の人物ではあるが、彼は恐ろしく強い。

 

 「第五特異点」では、とある叙事詩の主人公と殴り合いを制した。

 「帝都での聖杯戦争」では、ランサーであったが、素手でアサシンをぶち殺した。

 「月の聖杯戦争」では、アサシンで、数多の英霊を脱落させた。

 「人智統合真国」では、凄まじい絶技を見せつけた。

 

 近代の英霊でありながら、古い時代の英霊に勝利したのだ。

 並みの三騎士なら素手状態でも相手にならない実力者。

 それこそが李書文である。

 

 間合いが近づいていく。

 そして。

 

「むん!」

「フン!」

 

 拳と拳がぶつかる。

 互角。

 そして、拳と蹴りがぶつかる。

 立華が拳を繰り出せば、それを呂剛虎は腕を使い弾く。

 呂剛虎が蹴りを繰り出せば、それを避ける立華。

 そのまま何度か打ち合いをする。

 呂剛虎が攻勢で、立華が守勢。

 両者互角だった。

 

「……す、凄い……」

「ああ」

 

 目の前で行われる凄まじい戦闘に言葉が少なくなる女子2人。

 もしもの時は加勢しようと思っていたのだが、それすら忘れていた。

 一方達也はその戦いを見て、ある事に気づく。

 

「まだ本気ではないですね」

「「え?」」

「恐らく小手調べですね。両者共に」

 

 その達也の言葉が聞こえたのか。

 

 殴り合っていた立華と呂剛虎が離れる。

 両者共に笑う。

 そして、再び両者近づく。

 軽い小手調べが終わり、本格的に戦闘が始まる。

 

 今度は立華から攻める。

 立華が繰り出す手技と足技は素早いなどと言う次元を越え、凄まじい速度と正確さ、そして、喰らえば一撃必殺という威力で呂剛虎を襲う。

 呂剛虎はそれを、ある時は躱し、ある時は受け止め、またある時は相殺させる。

 持てる技量を惜しみ無く使い防ぐ。

 

 今度は先程とは真逆。

 立華が攻勢、呂剛虎が守勢。

 だが、先程とは違う点が一点。

 

 小手調べの際は互角だった。

 だが、今は違う。

 呂剛虎が圧されていた。

 

 この間の怪我のせいではない。

 立華が……藤丸立華が強いのだ。

 ……今はインチキしているが。

 

『くはははははははは!!!! 滾る滾る!! 血が!! 肉が!! やはり武とは生き死にあってのもの!』

 

 ノリノリの李書文。

 それに立華は声を掛ける。

 

(「多少は手加減してね。そっちの主義は知っているけど……」)

『わかっておる』

 

 李書文の主義。

「一戦一殺」を心がけており、一回の戦闘では一人しか殺さないが一人は必ず殺すことを決めている。

 ……まあ今回は我慢して貰っているが。

 

 地面を強く踏み付けるようなような踏み込み。

 〈震脚〉。

 あまりに凄まじい踏み込みで、床が揺れる。

 ……後ろの三人も態勢が崩れる。

 バランスを少し崩した呂剛虎へ……。

 

()()!」

 

 〈鉄山靠〉炸裂!

 体当たりを仕掛ける。

 それを何とか防ぐも、防御諸共吹っ飛ぶ呂剛虎。

 

「さて、楽しいひと時だったが、終わらせるか……」

 

 立華の顔から笑みが消える。

 構えを取る。

 その姿が消えた……ように、見ていた3人と呂剛虎は感じる。

 気づいたときには立華は彼の目の前にいた。

 

「!?」

「七孔噴血……巻き死ねぃ!」

 

 剛打、毒手、二の打ち要らず。

 そのように呼ばれる一撃が炸裂。

 

「ガア……」

 

 獣のような声を上げて、血を吐きながら倒れる呂剛虎。

 

「ふう……」

 

 そのまま残心。

 〈限定召喚〉を解除。

 そして、倒れた呂剛虎の脈を測ると。

 

「!?」

 

 止まっていた。

 勢い余って殺してしまった!?

 いや、まだギリギリ瀕死だ。

 

(「ヤバイヤバイ!?」)

 

 まだ呆然としている3人にばれないように、カードを1枚〈限定召喚〉。

 現れたのは短剣。

 【修補すべき全ての疵(ペインブレイカー)】。

 とある魔女の宝具。

 治療宝具。

 あらゆる呪い、魔術による損傷を零に戻す。

 時間操作ではなく、本来あるべき姿を算定することにより自動修復している。

 このため“死”以外のあらゆる理不尽を打破できるが、死者を蘇らせる事は不可能。

 それを突き刺す。

 今回はギリギリ死んでいないのでどうにかなった。

 

「ふう。危ない危ない」

 

 息をついていると、人が近づいてくる気配がする。

 七草と渡辺、達也だった。

 

「凄かったわ。人間って手足が増えるのね……」

「ああ。本当に凄かった」

「やっぱりお前なら師匠にも勝てるな」

 

 三者三様の誉め言葉。

 そして、立華は彼らに聞く。

 

「それで、どうしましょう?コレ?」

「警備員に任せるしかないんじゃないのか?」

「いえ、それはわかるのですけど、拘束しておきたいなって」

 

 回復させてしまったので、尚更だった。

 しかも全快させてさせてしまった(笑)。

 

「レイナだったら、縛る為の縄とか仕込んでいるんですけど……、皆さん何か持っていませんか?」

「「「あの子何なの!?」」」

 

 全員のツッコミを浴びる。

 その後直ぐに警備員が駆け付け、呂剛虎を拘束して、連行していった。




(・▽・)<欲を言えば老人のアサシンを出したかったのですが
(・▽・)<詳しいスペックがわからないので。ランサーです。
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