我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者   作:亜亜亜 無常也 (d16)

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第九節:昼食

 深雪が自分の教室に行くと、そこには見事な逃走を果たした2人がいた。

 先に登校していた雫とほのかと話している。

 深雪を確認すると、2人共いたずらが見つかった子供のようになった。

 そんな2人に七草の伝言を伝えると。

 

「早退したい」

「同意」

「……2人共」

 

 すっごく嫌そうな顔で答える。

 気持ちはわかる深雪である。

 

「絶対、面倒事」

「だよなあ」

 

 溜息を吐く2人。

 

「リッカ。帰ろう?」

「それがいいような気がするな。俺の勘が言ってる」

「じゃあ、早退?」

「ダメだと思いますよ?」

「逃げたら。また後日になるよ?」

「あの会長でしたら、放送とかで呼び出す可能性もありますよ?」

「「……」」

 

 ほのかと雫、深雪の言葉。

 それに立華とレイナは沈黙。

 そして。

 

「しょうがない。行くか」

「でも、面倒事、嫌だ」

「そしたら、吹き飛ばせばいい。物理的に」

「そうか。そうだね」

「「「ダメですよ!?」」」

 

 立華が出した意見とそれに同意するレイナにツッコム3人。

 

「冗談……にしたい」

「したい!?」

「大丈夫大丈夫。死人は出ない」

「死傷者を出す気ですか!?」

「殺さない、半殺し」

「え!?」

「「冗談。アッハッハッハ」」

 

 笑う2人に沈黙してしまう。

 

「(だ、大丈夫なんでしょうか?)」

 

 昼休みが来るのが怖くなってきた深雪だった。

 

 とは言っても時間を止めたり、ゆっくりにすることは深雪には出来ない。

 そのため、昼休みは来てしまった。

 予鈴が鳴った瞬間に逃げようとした立華とレイナをほのかと雫、森崎(協力してくれた)で何とか捕まえ、合流してきた達也と一緒に引きずって行く。

 達也が立華を掴み、深雪がレイナを引きずる。

 ……そのせいで目立ってしょうがない。

 視線が痛い。

 

「放してくれ~」

「放せば、わかる」

 

 引きずられながら、平常運転の2人。

 

「それを言うなら「話せば」だ。それにそれ言った人は問答無用で殺されているぞ?」

「確かに」

「これはちゃんと言った言葉らしいよね」

「どういう事ですか?」

「歴史上の偉人とかってさ、言っていないのに言った事にされてる言葉があるらしいし」

「……なるほど」

 

 そのような会話をしている内に生徒会室に辿り着いてしまう。

 

「覚悟、決めなきゃ」

「是非もなし」

 

 何とか態勢を整え、呼吸を整える2人を後目に深雪はドアホンを押す。

 

「どうぞ。入っていいわよ~」

 

 入室の許可が出たので、4人で入室。

 席に付き、昼食となる。

 

 ダイニングサーバーがあり、達也と深雪は精進、立華は魚、レイナは肉を頼む。

 料理を待っている間に軽い自己紹介が行われる。

 

「まず私の隣が会計の市原鈴音、通称リンちゃん」

 

 整ってはいるが、顔の各パーツは少しきつめの印象で、背が高く手足も長く、美少女というより美人と表現するほうが相応しい容姿である少女。

 リンちゃんは似合わない気がする。

 

「そう呼ぶのは会長だけです」

「じゃあ、わたし、呼んでいい?」

「いいわよ!」

「……何で会長が返事をするのですか!?」

 

 レイナの言葉になぜか返事する七草。

 その言葉にツッコミを入れる市原だった。

 

「そして、摩利は紹介したから」

 

「それから書記の中条あずさ、通称あーちゃん」

 

 中学生に見えるくらいの小柄な童顔の少女。

 こちらはぴったり。

 

「会長……。お願いですから下級生の前で『あーちゃん』は止めてください!私にも立場というものがあるんです!」

「立場?なさそう?」

「酷いです!?」

 

 レイナの言葉に突っ伏すあずさ。

 

 そんなレイナに深雪が指摘する。

 

「あの……レイナ」

「何?」

「貴方は何か言わなきゃ気が済まないの?」

「言った方、いいかな、て」

「言わない方がいい事もあるんだよ」

「そう」

 

 立華の言葉に頷くレイナだった。

 

 そんな感じで話していると、料理が出来上がる。

 なので食べ始める。

 他愛ない話をしていたのだが、そんな中。

 レイナが渡辺の方を向き尋ねる。

 

「渡辺」

「レイナ。先輩を付けろ。失礼だ」

 

 レイナの言葉使いに立華が注意する。

 

「先輩」

「遅れたな……。まあいい。何だ?」

「弁当、自分、作った?」

「ああ。意外か?」

「全然。強い人、料理、美味い場合、多い。おかん三人衆、料理、プロ級」

 

 渡辺のからかうような笑みにレイナが間髪入れずに答える。

 その発言に深雪が尋ねる。

 

「何?おかん三人衆って」

「おかあさん、みたいな、3人。強い、料理上手い、特に、1人、ヤバイ」

「……そうなの?」

「うん。完全、狂人。悪い人じゃない。でも、狂人。とっても強い、そして、狂ってる」

「三度言うほどに!?」

 

 どんな人なんだろうとこの場の全員が思った。

 ……彼らが会う事になるのは結構先である。

 

 その後、達也と深雪も弁当について話始める。

 

「私たちも、明日からお弁当にいたしましょうか」

「それはとても魅力的だが、食べる場所がね……」

「そうですね、まずそれを探さなければ……」

 

 恋人のような雰囲気を醸し出す2人。

 

 そんな会話を見たレイナが立華の袖を引っ張る。

 

「わたし、弁当、食べたい」

「おう。いいぜ。じゃあ明日は弁当にするか?」

「うん。嬉しい」

 

 こちらも恋人のような会話であった。

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