いばら姫のInfinite Dendrogram 作:グリム
インフィニットデンドログラム自体はこの話を書きながら同時進行で読んでいるため、本来こんな設定ないのに……と言ったことや、こんな設定あるんやけど……ってことがあったら作者に教えて欲しいです。
また、口調に関して違和感等ありましたら教えてください。(中身別人だからどうしようか悩んでいる)
目を覚ませば、本棚が沢山浮いた不思議な図書館。見覚えが全くないけれどもそれどころじゃない。
ダメだ、眠い……。
いや、仕事に行かないと。
でも1日くらいなら……。
見知らぬ場所で目覚めたというのに、やはり寝起きは頭が回らない。
少し遅れて、見知らぬ場所で目覚めたのだと気がつく。
…………どこだろうか
誘拐された?それなら合法的に会社を休んで眠むれるのか?
そうだろう、これで欠勤するのは不可抗力だ、なぜならどこともしれぬ場所に誘拐されたのだ、そうそう出勤なんぞ出来るはずがない。
それに目覚めた時に横たわっていたこのソファー、とても柔らかく体を包み込んでくる。
だから、寝てしまうのは仕方が無いのだ、それに、本当に久しぶりに気持ちよく眠れそうなのだから。
そんな自分に何かが問う。
「望みハなんデスか?」
「合法的に、たくさん寝たい」
目覚ましのような音で目を覚ます。
何か変な夢をみていた気がするが、久しぶりの快眠で気分がとても軽い、眠気は取れないしなんとなく動くのはダルいが、清々しい気分だ。
ベッドから手を出し、ふと、考える。
はて?目覚ましなどまず持っていたか?
ゾクリとした感覚に思わず目を見開いてベッドから起き上がる。
そして目に入ったのは驚いた表情でこちらを見ている医者のような人達と、見慣れぬほっそりとした白い自分の腕だった。
「どこ、ここ?」
I II III IV V VI VII VIII IX X XI XII
またもや全く知らない場所で目覚めてから、しばらく経った。
ここは病院で、目が覚めた時にこちらを見ていたのはやはり医者だったようだ。
そして俺……私は眠伊 姫(ねむい ひめ)と言うらしい。言い方からして自分のことすらわからなくなったのかと聞かれれば、否だ。
元々私はちょっとした病気のようなものはあったが、ごくごく普通のサラリーマンだった。
ではその記憶がただの私の妄想かと言われれば、それも多分ないだろう。眠伊 姫は現時点で13歳、8歳の頃の事故で昏睡状態になってから今まで目を覚まさなかったらしい。
そんな私が、大学レベルの問題など解けるはずがないだろうに、その辺の知識もきちんと持ち合わせていることから、仮称『前世』の記憶は本物なのだろう。
なぜ前世かは、それ以外に思いつかないからだ。
まず、私は元々酷い不眠症があり、睡眠薬に頼らねば殆ど気絶する以外で眠ることが出来なかった。そしてその睡眠薬に対しても少し抗体を持っていたのか、睡眠薬を少し多く摂取したりしていた。
当然、体はかなりボロボロで精神も疲れていたので、いつ死んでも実際に不思議ではなかった。
そして、夢かと思ったあの本棚が浮いている謎の場所。
あの場で最後に聞かれた問に対する回答をなんとなく覚えている。
「合法的に、たくさん寝たい」
そして今私の状況は
・両親は既に事故でいなく、養子として親戚に引き取られた形になっているが、昏睡状態だったために入院中。
・事故や昏睡状態から、身体が極端に弱くなっており、絶対安静。
・学校は8歳の頃から5年も経っており、現在どうするか検討中。
あの状況、あの質問から、もしこれが所謂、転生特典というものなのならばなんとなく納得できるものだ。
まあ、そんなわけで、眠伊 姫として、私はまた人生を歩み直すことになるみたいだ。
I II III IV V VI VII VIII IX X XI XII
「姫、なんかゲーセンで新しいクソでかいぬいぐるみ見かけたから取ってきたぞ」
「んー?ありがとう」
「って、また寝てたのか……寝るならソファーじゃなくてベットで寝ろとあれほど……」
あれから1年近く経った。リハビリや少女としての体、口からポロポロと自然に出てくるなれない言葉遣い。身辺のことなど色々とあり、ここ1ヶ月ほどで、ようやく落ち着いてきた。
私を引き取ってくれた椋鳥家には私とは少し年が離れているが、子供も何人かおり、皆良くしてくれているためすぐに馴染めた。
前世の年齢も考えれば彼らはあまり歳も離れていないので話し安かったのが救いだ…………今の私はこんなんなのと、口調が何故か自然と幼くなってしまい、子供扱いをされてしまうのでアレだが。
まあ、そんなこんなで椋鳥家のお世話になっているが、先程ソファーで寝ていた私に声をかけてきたのは椋鳥玲二、この家の次男坊君だ。
彼はいま大学受験の真っ最中なのだが、息抜きにゲーセン等に行った際、今回のように私にぬいぐるみなどを取ってきたりしてくれる中々優しい子である。
前世男で、しかも社会人の身としてはなんとも言えないが、ぬいぐるみ等は睡眠時に抱きしめたり、枕にしたり、目隠しにしたり、また埋もれるととても素晴らしい睡眠体験を得ることが出来るため嫌いではない。
「だって、暖房が付いてたから……」
「いや、体に悪いだろ?」
彼はどうやら体の弱い私の心配をしているらしい、仕方ない。
「分かった、ベッドで寝るね……」
「まだ寝るのね……」
呆れる彼から巨大ぬいぐるみを受け取ると、部屋を出て自分に与えられた部屋へと向かう。
この体になってからは、とにかく睡眠欲が凄く、どこでもすぐに寝ることが出来てしまうように。
あまりいいことではないのだろうが、前世では寝たくても寝られなかったからか、この睡眠欲に忠実になってしまった。
さて、寝よう。
「ふぁ……すぅ「姫!!!」なぁに……うるさいなぁ」
「ふははははははは!姫に素晴らしい物を買ってきたぞ!!」
眠りを妨げるようにして入ってきたのは、この家の玲二の兄、修一だ。彼は歌手やら俳優やらをやっている?た?ヤベー奴だ。
なかなかハイスペックなのだが、現在は無職でゲーム三昧らしい。それと、別居中だったが私がこちらに来たことで一時的に帰ってきてるだけらしく、近いうちにまた一人暮らしに戻るそうだ。
そのゲームというのが<Infinite Dendrogram>という名の完全没入型のVRMMOらしい、前世では考えられないような技術だが、今世では様々な失敗作が存在する中で唯一完成されたVRゲームだ。
たしか、玲二もこのゲームをやりたかったが、受験シーズンで泣く泣くプレイ出来ず修一からの一緒にやろうぜアピールに歯ぎしりしていたような。
1万円という安さから、溜まっていく一方の私のお小遣いでも買えそうだが、私の場合VRゲームにあまり興味を持てなかったため、購入していない。いや、興味を持てなかったというのは嘘になるか、確かに前世ではVRというものにはかなり憧れたし、やってみたいが、どうしてもゲームをやっているくらいなら寝ていたいという欲も出てきてしまい、結果買わずにいると言った感じだ。
と、思考がずれてしまった。
改めて修一にどうしたのか聞くと、このような返答が帰ってきた。
「姫も一緒に<Infinite Dendrogram>やろう!買ってきちゃった!」
と。
今まさに別にいいと考えていたところだったのだが……ああ、眠い。
「うーん、ゲームよりも寝たいから、またあとで……かんがえ……させ……すぅ」
睡眠欲に負けてまぶたが完全に落ちそうになる。そんな時にとんでもない言葉が聞こえてきた。
「あぁ寝ないで!?このゲームの中なら現実の"3倍も寝ていられる"ぞ!だから」
最後まで聞き取れなかった。その途中にある言葉で、常にある眠気が珍しく吹き飛んだ。
さんばい……
三倍……
……3倍?
「やる!」
「よし来た!」
まさかゲーム内部の時間は3倍で動くというのは知っていたが、まさか
ゲームの中でも眠ることが可能だとは思っていなかった。これなら朝ごはんを食べてお昼までゲームの中で眠れば実質1日眠れるということ……こんなに幸せなことがあるか?
「修一!はやく!はやく!」
「おぉぉう……姫が眠そうにしていないの初めて見たぞ……?これが睡眠にかける意欲か」
そう言いながら彼は後ろ手に持っていた箱をこちらに渡してくる。
「使い方は簡単!コードを指してかぶってスイッチオン、それだけだ」
「かんたん!早くやるよ!」
待ちきれず、一瞬で梱包からヘルメット型のゲーム機とコード群を取り出す。さて、空いていたコンセントは……いや、ほとんど空いているな、ネットもあまり使っていないから無線とかじゃなくて直接刺せばいいか。
「え、いつの間に出したの……?んんっ、とりあえず姫、俺はアルター王国って言う所の噴水広場に居るから、もし特に希望がなければ初期位置そこにしといてくれ」
「んー、眠れればいいから、わかった」
「よし!それじゃあ先に向こうで待ってるからな!」
「はーい」
さて、準備は完了だ……ふむ、このヘルメット、内側は柔らかくてなかなか被り心地がいいな、まあ、それは後で。
クッションやぬいぐるみが沢山乗っていて、部屋のうちの7割を占領しているマイベッドに仰向けで寝転がる。
そして私はスイッチを入れた。
瞬間、視界が暗転する。
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「ようこそー歓迎するよー」
暗転した視界が回復すると、そこは書斎のようなところにおり、机の上には間延びした声で喋る猫が存在していた。
「おー」
前世では考えられないような体験に思わず声が出てしまった。
「ふふーん、皆ここに来ると似たような反応をしてくれるよ、こんにちわー」
「こんにちは」
挨拶をしていなかったのを思い出し、ぺこりと頭を下げて、言うと、彼?は満足そうに笑い、話を進めていく。
「それじゃあ説明を始めるねー、その前に、ひとつだけ質問するねー?君はゲームに関してはどれほど?」
「今生で初プレイ」
うむ、前世なら少しやったが、今世では初プレイだな。
「おや、この世の中珍しい娘だねー、それじゃあ少しわかりやすく説明……しようかな」
そういうと説明を開始する。
「まず、ここは<Infinite Dendrogram>に入るための自分の体を作ったり、どんな国で遊ぶかを決める場所だよー。
そして、ボクはそれをお手伝いするAI、チェシャだよーよろしくねー」
へぇー、流石VRなんて作る世界だ、受け答え等のスムーズさがSiri先輩何かとは訳が違うな。
「よろしくねー」
真似して軽く語尾を伸ばせば彼はまた可笑しそうに笑いながらも続ける。
「それじゃーまずはー、描画選択だよー、3つの中から選んでねー」
そういうと周りが3種類の見え方に分かれる。CGっぽいものとリアル調、そしてトゥーン系のもの。
「CGがいい」
「うん、わかったよー」
しっかしどうやっているのやら……こんなのをあの小さなヘルメットで処理するとこの世界の科学力すごいね。
とりあえず、昼寝をしたりするのにCG調が空気感とか気持ちよさそうだからCG調を選んだけど、後々他のも体験してみようかな、アイテムとか課金とかで可能でしょう。
「次はーこの世界での名前ねー」
名前か、流石にリアルネームはNGだよな……うーん、あまり気は進まないけども、他に考えるのも面倒だし、早く寝たいからこれでいいかな?
「いばら姫でおねがい」
名前の由来は前に、起こさなければずっと寝てるなんていばら姫みたいだと言われたことがあったからだ。
というか、5年も寝てて親も失くした子供に向かってそれはなかなかに皮肉が効きすぎな気がするけども、どうでもいいか。
「おや、ふふふ、なんだか親近感がわく名前だねー」
ふむ?チェシャ、という名前からしてアリスに出てくるチェシャ猫がモデルなのかな?それなら、童話とかの繋がりから確かに親近感が湧くかも。
そういえばこのゲームの製作者もルイス・キャロルを名乗っていたっけか、まあ、そんなことはどうでもいいかな。
「次は見た目だよー、好きなようにいじってねー」
目の前に無数の項目が出現する。うへぇ、これ全部いじるの?時間すごくかかりそうな……
「あー、自分の元の姿を元にいじることも出来るよー?」
面倒そうに感じていた内心を察してくれたのか、そう提案してくれたのでそれをお願いする。
すると目の前には自分の身体が出てきた。
こうしてじっくりと見てみるのは初めてだな……細い手足に薄めの身体、顔はゲームモデルだからか、普段鏡で見る顔よりも眠くなさそうだ。
全体的に見れば可愛い……のか?姉やちょくちょく見かけた人たちも結構美形が揃っているから平均くらいなのか?んー、分からないけどわたしには関係ないか。
さて、とりあえず髪の色をほんの少し薄くして、髪型変えて……目の色を髪に合わせようか。あとは……あとは……これでいっかぁ。
「髪型と色を変えちゃえばもう別人だし、いいよね」
「んー、まぁ大丈夫かなー、それじゃあ最初の持ち物に、アイテムボックスだよー」
今度はゲームの定番アイテムボックスか、リアリティを上げるためにきちんとものとして存在するみたいだな。
「壊れたり、技で盗まれたりするから気をつけてねー?壊れにくかったり盗まれにくいものもあるからそのうち変えるといいよー……つぎは、最初の装備だよー」
彼は本棚からカタログのようなものを渡してきた、内約は様々で、武器や服が沢山ある。
んー、動きやすそうで眠りやすそうなもの……これかな。
「この短パンと何か病院服みたいなの」
「おっけーそれじゃあ次は武器「私タチガぷレゼントシテさし上ゲまショウ」うぇー?」
チェシャの声を遮って、様々な声が混ざったような声が割り込んできた。
そちらを見ると、なにかマリオネット?のようなものが2体居た。
「ワタシ達はギシン」
「アンキ」
「気が向イタノデこちらをプレゼント」
そう言って渡してきたのは。
トゲトゲとした紫色の……刃?茨?の付いた大きな剣だった、身の丈よりも大きいそれはまともに振れるか分からないが、何となく強そうだ(小並感)
「ソレデハ、ヨクボウのママに戦うのデス」
「アナタの物語ヲお楽シミくだシロ」
そう一方的に告げると、彼らは糸に引っ張られてどこかえと飛んでいった。なかなかホラーだ。
「……」
「……」
「何だったのかな、あれ?」
「あーうーん、彼らもAIなのだけどーほとんど出て来ることはないから油断してたよーごめんねー?ここでは武器は1つしかあげられないんだけどー、今のでもう上げたことになっちゃったみたいー……」
「いいよ?べつに」
「本当にごめんねー?……さて、それじゃあ最初の路銀、5000リルだよーちなみに、おにぎりひとつ10リルくらいねー」
「1リル10円……わかった」
まあ、この世界の物価とかが現実と似通っているかは分からないし普通に1リルは1リルとして考えていいでしょう。
「さて、それじゃあ君にエンブリオを移植するねー?」
<エンブリオ>。
それがゲームとして<Infinite Dendrogram>の最大の特徴だとは聞いている。
プレイヤーによって真の意味で千差万別化するオンリーワン。アイテムや装備という枠を超えた相棒だ。
と、wikiにあった。
「エンブリオの説明はいるー?」
「お願い」
「オーケー。エンブリオは全プレイヤーがスタート時に手渡されるけれど、同じ形なのは最初の第0形態だけー。第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げるよー。
大まかなカテゴリーで言うとー。
プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ
プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー
プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ
プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル
プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー
かなー」
へー、持ち主に合わせて、ということは基本的には相性のいい相棒ができるということかな?
「枕みたいなのなら嬉しいかも………」
自分だけにフィットするオーダーメイドの枕、想像するだけで素晴らしい……。
「かわってるねー」
そんなチェシャの言葉に同意するかのように淡い紫の卵形の宝石がキラリと光った気がした。
そういえば
「最初の国はアルター王国にしてもらえますか」
「おや、ほかの候補も見なくて大丈夫ー?」
「兄がいるから……」
「よし、それじゃあここから君の物語が始まるよ。
英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、<Infinite Dendrogram>に居ても、<Infinite Dendrogram>を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい」
「君の手にある<エンブリオ>と同じ。これから始まるのは無限の可能性」
「<Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」
そこまで聞くと、書斎も、チェシャも何もかもが消え去り、遥空の上から放り出された。
それから、この世界にはグリム童話とか不思議の国のアリスとかあるんですかね?
それから、
地の文
「セリフ」
「セリフ」
地の文
の方読みやすいとかあったら教えてください。