ただひたすらに、羨ましかった。
彼女達が、眩しかったのだ。
そんな光を、追いかけてみたい…いつしか、そんな風に考えるようになってしまった。
「拓海くん、それ取ってもらえるかな?今手が離せないんだ〜」
初夏。
そろそろ冬も終わったか…と思い始めた矢先、もう長袖で過ごすのはいささか違うのではないか?と、錯覚してしまうくらいには暑い。
セミはまだ鳴いていないが、個人的にはもう活動していてもおかしくないと思えるくらいには暑い。すごく暑い。
突然な話で申し訳ないのだが、僕はすごく夏が嫌いだ。何故なら自身の代謝が良すぎるから。周りの人達からもある程度は共感は得られる筈だ。蒸し蒸ししていて、虫も多い、そう、ムシ嫌いのオンパレードなのだ。
こんな日に働くとなっては、身体がもたないし心も荒んでしまう。夏場は外には出たくないのである。なのに何故僕は今こんな場所にいるのだろう……厳密にはまだ夏ではないのだが、そもそも———
———い……!
—————おーい!きいてるー?タクミくん?
誰かが僕を呼んでいる気がするが、もう少しだけ時間を頂きたい。
何かにかこつけて、少しでもサボりたい気分を味わいたいところなのだ。まだまだ夏への不満を語りたいんです。
語る?誰と?
はて、誰だろうな、自分自身への確認を込めた自分語り…かな。
とは言え、先程はすごく嫌いと申し上げた夏がですが、全てが嫌いというわけではない。当然好きな事もある。
さっぱりしてひやひやとした素麺を食べ、クーラーの効いた部屋でアイスを貪りながら、のんべんだらりと過ごすことが何より癒しになる。だらだらする事こそ正義、何もしたくないということを率先して実行したい。
僕、
"やりたくないことはそのうち、やりたいことは気が向けば"
これが僕のモットー。誰にも覆させない、だらだらする事に関しては誰にも負けない自信が—————
「給料、欲しくないのかな〜。人手が足りてないし、このままじゃああげられないな〜?
この仕事が終わってひと段落したら、ドリンクとアイス付きで休憩をあげようと思ってたんだけどなぁ、いやぁ、残念だなぁタクミくんがそんな薄情な人間だったなんて…」
「ハハハ、いやだなぁーまりなさん、ご冗談を!まさか女性に仕事をなすりつけて、あわよくば楽してお金をせしめようなんてそんな非道な考えを持った人間なんて、いるはずないじゃないですかぁー!」
「ふふふ、そうだよね!私はタクミくんがやってくれると信じていたよ!じゃあそこにある荷物全部、地下の倉庫までお願いね」
そこで背後の荷物達を見てハッとなる。言葉巧みに誘導された…油断ならないな、この人は。
紹介が遅れたが、この人というのは今僕が不定期でアルバイトをさせてもらっている、野外カフェ併設のライブハウス【Circle】のオーナーをしている、月島まりなさんである。
「もしかして、これ全部ですか…」
「キミがサボらずにテキパキとこなしていたら、今頃は予定より早く終わっていた筈なんだけど…それとも、」
「ごもっともです!僕が全て悪いです!サボったりしようと考えていて申し訳ありません!すぐに取り掛からせていただきます」
「タクミくんのそういうゲンキンなところ、嫌いじゃないよ〜。もう少しだし頑張ろう!それに今日は"Poppin'party"の皆も来ているみたいだし、顔出しにいくでしょ?」
そうか…アイツらも来ていたのか。僕が便所の掃除に手こずっている間に来客があったみたいだが、あれがそうだったのか。
彼女らに会うとなると、誰彼構わず笑顔にしたい集団ほどとは言わないが、体力を使うからな……
「ふふ、嬉しそうな顔してるね〜。そんなに会いたかった?」
「何をバカなことを!疲れるので、気を引き締めていただけですよ」
「じゃあ、そういうことにしておいてあげるね。さて、私も仕事に戻るから。キミは運び終わったら今日は終わりで大丈夫だよ!」
僕、そんな顔に出していたかな…確かに彼女達には体力を消費する…いや厳密には約1〜2名に対してなのだが、一緒にいて楽しいのは間違いないのである。
さて、仕事をささっと終わらせて、彼女達に挨拶でもしに行こうかな。
こんな感じで、主人公の独白とキャラ達との掛け合いをメインで進行していこうかなと思っています。
一人ひとりキャラ紹介を混ぜつつになると思います。ちなみにストーリーに関してはほぼ脱線予定で、殆どが馴れ合い…のような感じになると思います。
拙い文章ですが、なるべくキャラクターを理解した上でオリジナルの会話をしていきたいと考えていますので、本編のキャラとのズレを感じた方は指摘していただけると嬉しいです。