個性な5つたちを観察したい人   作:灰胡麻

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あっ、そうだ(唐突)
(今のところ恋愛系に持って行く予定は)ないです。


幼馴染、6人

 

青木家の朝は早い。

 

兄弟もおらず、両親も単身赴任中のおかげで、一戸建ての家に優雅に一人暮らしをしているのはいいのだが、いかんせん仕送りだけでだらだら生活するわけにもいかない。

自分自身だらだら過ごすのはとても好きなのだが、散らかっていたりやらなければいけないことがある場合は、先に全てを終わらせてのんびりしたいタイプなのである。

 

とてもではないが、やりたいことだけをやるというのは性に合わない。面倒臭がりではあると思うのだが、その後の弊害が自分に直結する場合は別なのである。

自炊し、弁当も自分で作る。やりたいことをする前にやらなきゃいけないことをやれと、小さな頃から親に口酸っぱく言われたものだ。

自分が言うのもアレだが、かなり真面目な性格なほうではある。

 

そう、遅刻なんて全ての予定が狂う。以ての外だ。有り得ない。

 

 

 

 

 

 

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「やべえ、寝坊した!!!」

 

 

しまったぜ…僕としたことが。

アラームを設定したのはいいのだが、ギリギリまで充電するのを忘れていた。充電しながら携帯いじってると、摩耗が激しくなるって爺ちゃんから教わったからそれを守ってたんだけど、流石にぬかったわ…。

 

 

「これ、今日はパン買ってかないと弁当は間に合わないな…」

 

 

独り言を漏らしながら、身支度を整えていく。

コンビニ弁当ってあまり美味しくないし、そのくせに割高な気がしてならないんだよ。

なので今日は少し遠回りになるが、商店街へ寄ってから羽丘に向かうこととなる。

 

羽丘学園は、花咲川と違い共学になった。

もともとは両方女子校だったのだが、元あった羽丘学園より羽丘女学園への入学が多くなり、何かを危惧した理事が合併して共学にしたものだと思われる。

まあ、通う距離はそこまで変わらないのでいいんだけど。

 

支度も済んだし、朝食も兼ねて山吹ベーカリーのある商店街へ向かうとするか。

 

 

 

 

 

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「いらっしゃいませ…あ、拓海さん!おはようございます!

朝にお店に来るなんて、珍しいですね。もしかして寝坊ですか〜?」

 

「おう沙綾、おはよう。いやぁその通り…お恥ずかしい」

 

 

朝からパン屋のお手伝いでエプロンをしている沙綾。

うん、働く女の子って、いい。すごく。

 

 

「ちょっと遅いので、品揃えは減っちゃってるかもですけど…ごめんなさい」

 

「いやいや、沙綾が謝る必要はないよ、俺が悪いんだからね」

 

 

店内には誰もいない様子なので、軽く談笑しながらパンを物色する僕だったが、いや本当に出遅れた…チョココロネがあらへんやん!

仕方なくメロンパン2つとクロワッサンを2つ、合計4つをトレイに乗せてレジへ持っていく。

 

 

「朝食も食べそびれたし、食べながら向かうとするよ」

 

「あはは、お会計420円です。ポイントカードは…あ、いらっしゃいませー!」

 

 

カードを出そうとすると、横から白ベージュの髪の少女が凄い勢いで僕の腕に飛びついてくる。朝からなんだ…

 

ってお前は…

 

 

 

 

 

 

 

「モカ、何してんだ朝から」

 

「いや〜モカちゃん今日は珍しく遅刻気味で〜、パン屋さんはスルーしよ〜かな〜と思ってたんだけど、その時たーくんセンサーがビビビッと反応したんですよ〜」

 

「いや、お前いっつも遅刻気味だし、どれだけ遅れててもパン屋には寄るだろ…何言ってんだ」

 

「あはは〜バレた〜?それはそうとたーくん、そのカード…」

 

 

この間抜けしたような超が付くほどマイペースな少女は青葉モカ。ガールズバンド、Afterglowのリードギターを担当している。正直に言うと、めちゃめちゃ不思議さんだ。自分のことちゃん付けしてるやつなんてなかなか見れねぇぞ…

 

 

「むっ、たーくん、いま失礼なこと考えてたでしょ〜」

 

「まあ、いつもモカに対してはそんなことしか考えてないけどな、でなんだっけ?ポイントカードがどうかしたのか?」

 

「あはは〜正直だなぁたーくんは。

そういえば〜前にここでカード落としたんだけど、そのポイントカード、名前書いてない〜?」

 

「いや、ポイントカードに名前なんて書か……?!」

 

 

 

 

マジかよ、開いた中の端の方に"もか"って書いてあるぞ…

なるほど、自分のではないとなるとこのポイントの量にも納得できる。多すぎるからな…

 

 

 

「やっぱりあたしのだ〜、なんでたーくんが持って…あ、もしかしてドロボー?」

 

「んなわけあるか!沙綾に落し物として2枚あったうちの1枚を受け取ったんだよ、なぁ?」

 

「うん、そうだけど流石に名前まで書いてるとは私も想定外だったよ。はい、どうぞ!」

 

 

お金をちょうど沙綾に渡して、パンと一緒にもう1枚の方のカードを受け取る。

 

 

「ふっふっふ〜このカードマスターモカちゃんを舐めてもらっては困りますな〜、はい沙綾、これお願い〜」

 

「いつもありがと、モカ」

 

 

沙綾とやり取りをしている少しのうちに、目視で明らかに10個以上はあるであろうパンの山をトレイに乗せて持ってきたモカ。こいつの胃袋は本当にどうなってやがるんだ…と、そんなことを考えていると神妙な顔つきで袋いっぱいのパンを持ったモカが話しかけてきた。

 

 

 

 

 

「そういえば〜」

 

「なんだ、モカ」

 

「時間、大丈夫〜?学校」

 

 

 

 

………。

 

 

 

 

「いやお前、そういうことは早く言えよ!急ぐぞ!!」

 

「あたしは間に合うから大丈夫で〜す」

 

「は、お前もこのままじゃ遅刻だろ!何言ってんだよ」

 

「ホームルームまであと15分もあるから、道中で5個パン食べたらちょうどいい具合かな〜」

 

「結構ギリギリじゃねえか…てかこの状態でもパン食べようとすんなよ!」

 

「たーくんの分ももらってあげようか〜?」

 

「やべ、俺も食べなきゃいけないの忘れてた…沙綾、またくるわ!ありがとな!」

 

 

 

ありがとうございましたー!という声をバックに早歩きで学校に向かうことにした僕たちだったが、この幼馴染1人目のモカの前ではやはりなんだか調子が狂う…もう慣れつつはあるんだけど、どうも世界観についていけないときがある…

 

 

「ふっふっふ、どうやらようやくたーくんもモカちゃんの魅力に気づいちゃったか〜」

 

 

 

パン食いながら言うなよ…

本当にマイペースちゃんだな、お前…。




モカちゃんでした。
各バンド2話ずつくらいで自己紹介編終わらせようかと思ってましたが、思いの外長くなりそうなので予定はなしで、好きにやります!
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