とある斜陽王国における勘違い戦線   作:himeneko

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今回はとりわけ品のない内容となっています

あとこのSSのタグに『憑依』『転生』とあるじゃろ?(震え声


聖騎士、婚約をする

 

ハローシアルフィ、十二歳になったシグルド公子です。

 

いやー、この二年間は不眠不休で転戦してた記憶しかないね。

いろんな場所で戦ったとも。

もうアンデッドやビーストマンはお腹いっぱいだよ(白目

 

変わったことと言えば、僕直属の家臣団を編成したことくらいかなぁ?

 

中核メンバーにブレインとフールーダ。

一般兵士と後方支援要員はフールーダが勝手に用意してた(驚愕

フールーダが有能すぎて、どんどん僕の脳筋化が進んでる気がするのは気のせいだと思いたい。

 

僕の騎士団なのにこれでいいのかな……(震え声

 

いいんだよ、フールーダは軍師でもあるんだし(逃避

最近は魔法詠唱者の養成にも力を入れてるみたいだから僕も負けていられないな。

 

頑張って聖騎士ムーブを極めよう。あとついでに武技の開発や人助けに努めよう。

ていうか武技の開発が楽しすぎて困る。

コツさえ掴めば割と自由に覚えられるんだ。

スキルと違って個人の資質と能力に寄るところが大きいからね。

しかも使用制限とかスキルより融通が利く点も素晴らしい。

 

いくら頑張っても次元切断レベルの威力は出せない欠点もあるけどね。

この前試しに次元切断をぶっぱなしたら山が真っ二つになって驚いたよ(白目

比喩じゃなく文字通りの真っ二つ。

人的被害が出なかったのは不幸中の幸いだったけど、山に住んでた生き物には多大な迷惑をかけてしまって本当にすまない。

 

何やら法国から熱い視線を感じるし次元切断は封印安定かな。

 

さて、王都にいるパパンから呼び出されていることだし、そろそろ支度をして出るとしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、ところ変わって王都。

 

なんだかどんよりした空気に満ちてるね。

誰も彼も辛気臭いというか、首都なんだからもっと活気を出そうよ。

そんなことを考えながらメインストリートを馬で通行していると、突如シグルド様コールが巻き起こった。(白目

 

は、なんで!?

 

シアルフィでならそこそこ人気があると自覚してるけど、王都での知名度とかほぼ無いはず。

だってお外で戦争やら討伐やらしかしてないもんね!(白目

どんな蛮族だよ、聖騎士ムーブどこ行った?

 

ハッ、ここで聖騎士ムーブに興じろってことか!

 

完全に把握した(勘違い

よし、笑顔で手を振ってみよう。

うんうん、イイ感じで王都民は喜んでくれてるみたいだ。

理由は分かんないけど人気があるのは良いことだ。

でも恥ずかしいなぁ。

ハハっ、やめろよ~(裏声

 

 

 

 

 

そして入城、からの謁見の間へ直行便。

 

あれれー? 王都の公爵家別邸じゃなくてなんで王城?

その疑問は王様、ランポッサ三世陛下が答えてくださった(冷や汗

ちょ、王様とか心の準備ががが(痙攣

 

なんでもここ二年間の功績を認めて王国聖騎士の称号を賜るらしい。

 

誰が? え、僕!?

マジかよ、今日からリアル聖騎士ですよ奥さん!

聖騎士ムーブなんてちゃちな遊びじゃない。

 

僕が聖騎士だ(キメ顔

 

 

なんてアホなことを考えてるうちに授与式典は終わっていた(白目

 

全然記憶にないけどヘマしなかったのか僕。

まあいいや、終わっちまったもんは仕方ない。

切り替えていこう、おうちに帰るまでが遠足だし。

 

けど、じゃあ帰りますねと言える雰囲気ではないな。

まだ何かあるん?

えっ、続いて第三王女であらせられるラナー王女殿下の婚約発表?

ほー、そりゃめでたい。

王族とか全然興味ないけど王女殿下の事は少し知ってる。

絶世の美姫との噂だったよね、これは一目見るしか!(興奮

 

 

 

満を持して登場したラナー殿下は、その、なんていうか、まあお綺麗だったよ。

 

黄金の御髪にサファイアの瞳、新雪のような柔肌は生ける芸術品のよう。

謁見の間にいた貴族からため息が零れるのも無理ないね。

実際に傾国レベルの美姫だもの。

 

幼女だけど!!

 

ないわー、ロリじゃなくペドの領域じゃないですかやだー!

 

オイ、金髪のこっちを睨んでる第一王子、僕はロリコンじゃないから安心しろ。

生温かーく王女殿下のご婚約を祝福して差し上げるだけで、欲情とかマジ無理だから。

僕の好みはセクシーな女性なんだ。

断じて幼児性愛者などという歪んだ性癖は持ち合わせてない。

 

なんなんだよ、第二王子まで微妙な視線を向けおってからに。

不敬罪で死ぬことになるぞ、この僕がな!(白目

 

ま、王国聖騎士の称号が気に食わないんでしょ。

あの人たち政敵だし。

断じて性的ではないのだよ! 僕はバイじゃない!!

 

ハァハァ、なんか無駄に疲れた。

敵ながらやるじゃないか、パブロン(違

あれ、パブロフだっけ?

どっちでもいいか(脳筋

 

 

そもそも王様の話が長いのが悪い(責任転嫁

ハリーハリー、さっさと婚約者殿を発表してつかーさい。

僕は戦争で忙しいんだ(真顔

 

 

よしよし、ようやく発表したな。

 

栄えあるミスターロリペドフィンのお名前は……シグルドっていうのか。

かー、僕と同じ名前じゃないか!

この場にいる貴族で最年少が僕だから、ホントご愁傷さまです。

12年後くらいには傾国の美女になってるだろうし、シグルド氏の未来は祝福されてるよ。

 

さあ早く前へ出るんだ。

陛下とラナー殿下をお待たせするなど不敬だぞ。

 

え、パパン、何故笑顔で僕を前へ連れ出そうとするのです?

良かったなシグルドって、おい、まさか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ、また記憶が飛んだみたいだ。

 

さっきまで王城の謁見の間に居たはずなんだけどここ何処よ?

わたくしの部屋?

 

ああ、これはご丁寧のどうも……って、ラナー殿下じゃないですか!?

なんで幼女ナンデ!?

しかも二人きりとかヤバイ、これは事案ですよ(震え声

 

お、落ち着け。

素数を数えるんだ。自分と1以外では割れない孤独な数字。

 

2,3,5,7,11……よし、落ち着いた。

僕は正気を取り戻した!

 

こんな時こそ日頃から鍛えてある聖騎士ムーブでやり過ごすんだ。

 

さて、王女殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう。

この度はご婚約おめでとうございます。

このシグルド、王女殿下の為ならば粉骨砕身の覚悟で仕えさせていただきますので、何卒よろしくお願いします(意訳

 

ダメだ、ラナー殿下もテンパってらっしゃる。

いかん、幼女とはいえ女性に恥をかかせるなど聖騎士の名折れ!

優しくエスコートせねば!

今こそ営業時代に取引先の女社長を接待した経験を活かすんだ。

 

優しく、とにかく優しくだ。

こういう時は無理にプラスのイメージを与えようとするべきじゃあない。

マイナスを排除するように対応するんだ。

女性の評価基準は減点方式の場合が多いからね。

 

不敬っ→打ち首

 

このデスコンボを回避できれば僕の勝利なんだ。

何か忘れてるような気がするが今は接待だ(脳筋

余計なことは考えなくていい。

ここを切り抜けさえすれば、きっとなんとかなる!

聖騎士の直感を信じろ。

 

とかしてるうちに、ラナー殿下が瞬間湯沸かし器みたいになっとる!?

ラナー電化お気を確かに!(違

すぐに介抱して差し上げます。

ささ、この聖騎士めの膝をお使いください(混乱

 

えっ、なんですか?

末永くお願いします?

いえいえ、こちらこそお願いしますね。

 

 

お休みになられたか。

では僕もお暇するとしよう。

ていうか何故ラナー殿下の部屋にいるんだっけ?

思い出した!

王女殿下の婚約者だからじゃないか。

自分でもさっきから王女殿下に何度も婚約者と申し上げて…………

 

…………あっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はペドじゃない(死亡確認

 

死んでない! まだ社会的に死んでないし!(必死

一週間経った今でも王都はお祭り騒ぎとか知りたくないぞ!

誰だよ活気がないとか言ってたヤツ!

 

ああ僕だよ!!(逆ギレ

 

ハハッ、滑稽じゃないか。

聖騎士ムーブに邁進して、女性関係を疎かにしていた結果がご覧のありさまだよ!

六歳も年下の幼女と婚約だなんて……。

 

何年お預けを喰らうんだ僕は!?(絶望

 

こんな事なら同い年くらいの令嬢とさっさと婚約しておくんだった……!

 

……なんだよブレイン。

娼館で発散したらいい?

 

おいお前ふざけるな。

そんなことしてみろ、性騎士になっちまうだろうが!

聖騎士は娼館になど通わないっ!!

 

こら笑うんじゃない!

つーか十二の子供を娼館に誘うなよ!?

俺は十四の頃から通ってるって?

聞いてないわ!?

 

 

 

こうして聖騎士にロリ婚約者ができました(血涙

 

 

 


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