ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ 作:グレン×グレン
そんなわけで俺は、兵藤一誠達と一緒に行動していた。
「……そういえば、言ってなかったね」
そのその移動中のなか、木場祐斗が思い出したかのように口を開いた。
「数日前の夜に、エクスカリバーの使い手と戦ったんだ」
「おまっ! そう言うことはもっと先に言えよ!!」
イッセーが怒るのも当然だろう。
すでに悪魔側に喧嘩売ってたのかよ、コカビエル達は。
これをリアス・グレモリーが知っていれば、交渉は決裂してたな。
だってすでに堕天使の方から喧嘩売ってんだもん。眷属に対する情愛の深いグレモリーが、この喧嘩を買わない理由がねぇ。
「名前はフリード・セルゼン。聞き覚えはあるかい?」
「ふ、フリード!? あの野郎、また駒王町に来てたのかよ!!」
イッセーとも因縁があるみたいだが、一体なんだ?
「天才といわれてた悪魔祓いだよ。ま、俺以上に信仰心が欠片もなく、狂気を味方にもぶつけてたんでさっさと追放されたけどな」
戦闘能力だけなら若手の中でも有数だからな。そんな奴がエクスカリバーまで持ってたら面倒だな。
「つーか、イッセーがそんな奴知ってることの方が驚きなんだが。アイツ何やったんだよ」
ホント、あいつなんで日本くんだりにまで来てんの?
「……悪魔稼業の仕事で行ったら、出くわしたんだよ」
心底いやな思い出ですと顔に書いてある表情で、イッセーがぼやいた。
ああ、そちらでもご迷惑かけてたんですか。
「……上が、始末できなくてマジすまんかった」
「いや、お前のせいじゃねえだろ? だから気にすんな」
ふっ。いいやつだな、イッセー。
などと馬鹿をやりながら歩いていた時、上から殺気を感じた。
「神父御一行さん、さようならーっと!!」
狂気をまき散らしながら振り下ろされる一撃を、俺は即座に魔剣を呼び出して受け止める。
「おっほぉ!! それは素敵神器の
その言葉とともにバックステップで距離を取り直したフリードに、木場祐斗が殺気をまき散らしながら突貫した。
「エクスカリバーぁあああああああああ!!!」
「おんやぁ? 君はこないだの
後半やけにさわやかな口調で答えながら、フリードは聖剣で木場の魔剣を受け止める。
ふむ、あれもか。
「どっちもこっちもそぅううううどぶぅわぁああああす!! なんだこりゃ、面白展開だねぇ!!」
テンションを上げながら、フリードは即座に反撃を叩き込む。
そしてそのまま、超高速での切り合いが勃発した。
……さて、できることなら木場祐斗に戦わせてやりたいが―
「さっすが
しかし、フリードの速さは木場祐斗を凌駕する。
「この
……相性が悪いな。これは仕方がない。
「イッセー!! 下がってろ!!」
俺は即座に魔剣を作ると、攻撃を仕掛ける。
種類は手数重視で二刀流。聖なるオーラを吸収する対聖別仕様の魔剣で切りかかる。
「俺が相手をしよう!!」
「むむむっ! 俺のナイスバトルセンサーがきゅぴーんと反応しましたよん! おたく、できそうだね!!」
フリードは即座に反転して俺と切り結ぶ。
さすがに天才と謳われた者がエクスカリバーを使っているだけあって強敵だ。
ましてや攻撃速度を上げる天閃の聖剣。一発でもあたればそれで決着がつきかねない俺では、危険度が高い。
だが!!
「舐めるなよ、外道!!」
俺は即座に風を放つ魔剣を創造すると、砂ぼこりを巻き起こす。
視界を遮られて一瞬動きが止まったフリードに、後ろから木場祐斗が迫る。
「できれば一対一で戦いたかったんだけどね!!」
「悪いがこっちも仕事なんでな」
「チッ! 魔剣創造が二人もいると厄介だぜ!!」
前後からくる魔剣を、しかしフリードは聖剣一振りでさばき続ける。
こっちは攻撃を何度か叩き込むと剣が砕けるのに、一切傷一つつけずに攻撃を繰り返すとはさすがはエクスカリバー!!
しかし、是でも止められねえか!!
「しつっこいんだよ! そろそろ切られてくれませぇえええんかぁあああああ!?」
「断る!!」
俺はそう吠えるとさらに攻撃を増やそうとするが、しかしそれより先に視界に銃口が映る。
いっけね。奴の戦闘スタイルはオーソドックスな悪魔祓いだった!!
とっさに上体をそらして回避するが、その隙をついてフリードは駆け出す。
それを追撃する木場との間で、こんどはヒット&アウェイに徹した攻防が行われる。
あれは……介入しづらいな。
「ええい! 動きを止めないと割って入るのも難しいな!!」
さて、どうするよ?
そう思ったその時、俺の後ろから紫の紐みたいなものが飛び出て、フリードの足に絡みついた。
「何だこのベロ!! くそ、切れろ!!」
心底うざがりながらフリードは切ろうとするが、しかし切れない。
ほほう? なかなか強力な神器だな、あれ。
「いまだ兵藤!!」
「行ってください、イッセー先輩」
と、匙に促され塔城小猫に投げ飛ばされて、イッセーが木場祐斗に向かって飛んでいった。
「うぉおおおおおおお!!! 木場ぁ! 譲渡するぞぉおおおおお!!!」
その瞬間、木場祐斗の力が大幅に向上した。
「できれば、一対一で倒したかったけどね!!」
微妙な表情を浮かべながらも、しかし木場祐斗は勝利を得ようと動く。
そのままフリードを切り捨てようとしたその時だった。
「……ほぅ。魔剣創造とはまた珍しい神器を保有しているな」
暗がりから、興味深そうな声が届いた。
新手か!! そう思い俺たちは警戒しつつ視線を向ける。
そこにいたのは、神父服を身に包んだ太った中年男性……って!!
「バルパー・ガリレイ!!」
間違いない、今回の参考資料でみたバルパー・ガリレイだ。
エクスカリバーの使い手を見繕うのに奴ほどの適任は堕天使業界にはいないとは思っていたが、やはり参加していたか!!
「バルパー……ガリレイ……っ!!」
木場祐斗が憎悪の表情を浮かべる中、バルパーは視線をフリードに向けるとため息をついた。
「フリード。私が与えた因子を有効活用してくれ。因子を剣に収束させればその程度の神器は切れる」
「マジっすか? んじゃぁ……切れろ、ベロ!!」
そしてその一太刀で触手は切り裂かれた。
チッ! さすがはエクスカリバーか。
「いよっしゃぁ!! これで再びマジバトルができるってもんよぉ!!」
そのままフリードは戦闘態勢を取るが、しかしすぐに飛び退った。
そして、そのまま地面が豪快に陥没する。
生まれるクレーター。その中心部に立つのは―
「―これはどういうことだ? いくら行ってほしかったとはいえ、悪魔と協力というのはどうかと思うが?」
ぜ、ゼノヴィア!?
「ヒロイ君!! さすがに悪魔と共闘するのはどうかと思うの? 主に土下座して詫びるべきよ?」
イリナにまでツッコミ入れられたよ!! 反論できない!!
「む~ん。バルパーの爺さん、これはさすがの俺様ちゃんもキッついので、逃げよっか?」
「そうだな。いかにエクスカリバーといえ、一本でこれだけの敵をどうにかするのは困難か」
と、逃げの算段に入ったフリードは閃光弾を構えると、投げつける。
うぉっ、まぶしっ!!
「逃がすかぁあああああああ!!!」
「待て、背信の徒め!!」
「あ、待ってよゼノヴィア!!」
あ、木場祐斗およびゼノヴィアとイリナが走っていった。
「やっべ。ちょっと待てお前ら!!」
俺も慌てて追いかけるが、しかしあいつら足が速いな。
しかも日本の道わかりずら!!
結局、俺は道がわからなくなり見事に道に迷ってしまった。
……合流、どうしよう。
その後、携帯で呼び出しをかけてみたが結局出てこない。
おいおい。あいつらまさか突っ走って死んだんじゃねえだろうな?
流石にそれは目覚めが悪いんだが、どうすんだよ。
心底困り果てた俺は、仕方がないので最終手段に頼ることにした。
「……来ちまったか。だが、もう夜中だな」
散々道に迷ってようやく近くまで辿り着いたイッセーの家。
もうこうなったら、悪魔の力を借りるほかない。
イッセーとの共闘はドラゴンの力を借りるという屁理屈だったが、もうこうなったら力を借りるしかない。
上には交渉が失敗して監視役を付けられる羽目になったとでも言って誤魔化そう。うん、其れで無理やり誤魔化そう。
そもそも現地で行動するのにその現地を縄張りにしている奴の干渉を受けるなってのが問題なんだ。
敵対勢力の戦い何て黙ってみてるわけにはいかないし、こっそりやるにしても知られた時点で大騒ぎだ。
こうなったらやけだ。エクスカリバーさえ回収できれば上もそこまで文句は言わねえだろ。
と、言うわけで―
「さて、それでは助けを求めることに―」
「―ヒロイ!! 無事だったのかよ!!」
と、なんか壮絶に緊張感のある表情をしたイッセーがそこにいた。
「イッセー? どうしたんだ一体?」
「そ、それが―」
「ヒロイ・カッシウスね?」
と、リアス・グレモリーが鋭い視線を向けながら近づいてきた。
「状況が変わったわ。悪いけど、無理にでも共闘してもらうわよ」
「……何があった?」
おいおい。なんか状況がややこしいことになってるみたいだぞ、コレ。
詳しく聞いたらいろんな意味で文句言いたくなる展開だった。
コカビエルの目的は三大勢力の戦争の再開。エクスカリバーを奪い取ったのは、セラフのミカエル様を怒らせるための挑発行動。
それがうまくいかなかったので、こんどは魔王サーゼクス・ルシファーの妹であるリアス・グレモリーを管轄地であるこの駒王町ごと滅ぼして怒らせようとか考えているらしい。
……ふざけんな!!
俺は英雄になる男。いずれは戦争という土俵に行く必要があるとは思っている。
だが、名誉と栄光のために意図的に戦争を起こすつもり何てどこにもない。
それ以上に、何の罪のない無辜の民を、積極的に生贄にささげるなんてどう考えても英雄のやることじゃねえ。
「……もとをただせばこっちの問題だ。積極的に協力させてもらう」
どうやら、場合によっては俺も最終手段をこの場で使うことになりそうだ。
マジで、腹をくくるとするか。