ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

104 / 324
ついに英雄派幹部との戦闘が本格的にスタート。


第三章 39

 

 レプリカの二条城の敷地内を進み、そして俺達は、曹操達を見つけた。

 

 曹操、ゲオルク、ジーク、ジャンヌ・ダルク、ヘラクレス、森長可。

 

 英雄派の主力はレオナルド以外全員登場か。至れり尽くせりだな、オイ。

 

「やぁ。二人ほどいないけど、片方がペト・レスィーヴだということはもう片方も護衛として残った感じかな?」

 

 曹操は一瞬で見抜くと、そして俺達を見渡して苦笑を浮かべた。

 

「彼らは全員、英雄派(うち)でも中堅どころの戦力だったんだけどね。誰一人として退場したものがいないとは驚いた」

 

 面白そうに見て、曹操はにやりと笑う。

 

「うん。君達は既に並の上級悪魔なら返り討ちにできるよ。シャルバもよくもまあ馬鹿にできたもんだ。馬鹿はアイツだろ、あいつ」

 

「信長公をうつけっつってた連中と同じだな。自分の方が馬鹿だってことに気が付いてねえ」

 

 曹操と長可は、呆れ果ててため息をついた。

 

「見下しすぎるあまり、登ってくる者を意識してなかったんだろうね。さて、どうする?」

 

 と、ジークが頬を赤く染めながら姐さんを見据える。

 

 やる気満々だ。ものすごいやる気満々だ。

 

 あ、英雄派の連中も全員引いてる。流石にきもいよな、これは。

 

「まあ待ってくれ、ジークフリート。ここまで来たんだ、彼等にも事情を説明するべきだろう」

 

「……こういう時に遊びを入れすぎるのは悪い癖だぜ? ()る時はきっちり殺しとかねえと、後で痛い目見るのはお前だぞ」

 

 楽し気な曹操に長可が不満げな表情を見せる。

 

 が、曹操は肩をすくめるだけだった。

 

「いいじゃないか。英雄譚には語らいも必要だよ」

 

「戦場で調子ぶっこきすぎると命取りだっつの。……ま、見張ってやるからさっさとやりな」

 

 やれやれと肩をすくめて、長可は俺達に槍を向けて腰を落とす。

 

 ……奴がいつ動くか分らなくて、俺達は直には動けなかった。

 

 そして、曹操が指を鳴らすと、英雄派の構成員に連れられて一人の女性が姿を現す。

 

 ……間違いない。絵で見た通りだ。彼女が八坂姫だ。

 

「ゲオルク、やってくれ」

 

「了解了解」

 

 曹操の指示に従い、ゲオルクが魔方陣を展開する。

 

 ……かなり色々な種類の魔方陣だな。悪魔が使ってるのもありやがる。

 

 流石はあのヴァーリとすら渡り合った猛者。魔法に関しては天才的か。

 

 そして次の瞬間、八坂姫の姿が変貌した。

 

 タンニーンのオッサンと比べてもそん色ない、巨大な狐。

 

 あれが、九尾の狐の本来の姿だってのか!!

 

「曹操! てめえ、何が目的だ!!」

 

 事態のやばさにイッセーが食って掛かる中、曹操は不敵な笑みを浮かべる。

 

「古都京都は世界的に見ても優れた呪術装置と言ってもいいものだから、リンクしているこの疑似京都も効果的だ。加えて、九尾の狐である八坂姫の力は龍王に匹敵する。言ってみれば、必要なピースが揃っていたのがここだった。……七夜殿のクーデターを利用して、我々は実験を始める準備をさせてもらったのさ」

 

 実験だと?

 

 確かに京都はものすごく優れた場所だ。この街を使えば相当高レベルの魔術や呪術を行う事もできるだろう。

 

 で、その中枢は九尾の狐って事か。確かに、神滅具の禁手もびっくりのものすっげえ事が出来そうだな。

 

 で? いったい何をやるつもりだよ?

 

「それでちょっとグレートレッドをここに引き込むつもりなのさ」

 

 グレートレッドだと!?

 

 あ、そういや禍の団のトップのオーフィスの目的は、グレートレッドの撃破だっけか。

 

 なるほど。トップの意向を叶える事が目的ってわけか。

 

 意外とマジでやってんだな、禍の団。てっきり適当に乗せてるもんかと思ったぜ。

 

 つっても、こいつら勝てんのか? 

 

「とりあえず、龍喰者(ドラゴン・イーター)を試すというのもいいね。……っと。これ以上は流石に言いすぎか」

 

 どらごんいーたー?

 

 対龍特化の禁手使いか何かか? そんな物騒な異名な辺り、かなりできる奴っぽいな。

 

 それはともかく。そろそろやる気っぽいな。ま、いい加減話しすぎた感じでもあるが。

 

 そして、ジークは今にもよだれをたらしそうな表情で、グラムを姐さんに突き付ける。

 

「リセスは僕が貰うよ。他は?」

 

「私は聖魔剣の坊やをもらうわ」

 

「じゃ、俺は信徒二人か」

 

 と、ジャンヌとヘラクレスも相手を決める。

 

 阿呆か。誰が素直にお前らの選んだ相手で勝負すると思ってんだ?

 

「……なめんな、お前ら全員ここで串刺し刑だ、馬鹿が!!」

 

 素直にお前らの思い通りに動かされると思ってんのか! さっさと死ね!!

 

 俺は大量に魔剣を展開すると、一斉にコイルガンをぶちかます。

 

 真剣の散弾は速度が遅いが、それは狙い通り。

 

 それを盾にして、俺は聖槍を構えて一気に接近した。

 

 狙うは大将首……の前にふざけた事を言っている馬鹿どもだ!!

 

 先手必勝で、聖槍をぶんまわし、真っ先に選んだのはジャンヌ・ダルク。

 

 理由? 一番近かったしこいつが一番やらかしてるからだよ。ローマ教皇を全国ネットで切り殺した女、元悪魔祓いとしても見過ごせねえし、何より手柄的にでかいし。

 

 だが、ジャンヌは即座に剣を生み出すと、それであっさりと俺の一撃をいなす。

 

「こんなもの? 曹操の足元にも及ばないのね」

 

 言ってくれるな、この女……!!

 

 俺は素早くバックステップで後退しながら、素早く魔剣によるコイルガンを連射する。

 

 その弾幕ならぬ剣幕を、ジャンヌは聖剣を地面から生み出して防ぎ切った。

 

「これが私の神器、聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)よ。君達の魔剣創造(ソード・バース)の姉妹品ってところね」

 

 そういうジャンヌは、ウインクまでしやがりやがった。

 

 この女、どこまでも余裕満々だな。

 

「この程度なら、禁手無しでも充分勝てるわね。ヘラクレスはどうするの?」

 

「んじゃ、俺もこの紛い物に一発かましてやるか!!」

 

 言うが早いか、ヘラクレスの奴が突貫する。

 

 遠慮なく魔剣を展開して、俺はレールを展開。

 

 真正面から来るなら、遠慮なくぶちかます!!

 

「ぶっ飛べ。マスドライバースティンガー!!」

 

 勢いよく魔剣のレールガンをぶちかます瞬間、ヘラクレスは射線を読み切って拳をぶちかました。

 

 そして魔剣が拳に激突した瞬間、大爆発が起きる。

 

「これが俺の神器、巨人の悪戯(マイティング・デトネイション)よぉ!!」

 

 チッ! 龍王の後継種をぶん殴った拳は健在ってか! シャレにならねえ威力だな、オイ!!

 

 更に放たれたカウンターを躱すと、更にジークが突進してくる。

 

 上等! やってやろうじゃ―

 

「リセスぅううううう!!!」

 

 の野郎! 流れをガン無視して姐さん狙いか!!

 

 姐さんも呆れ顔になりながらも、カウンターで氷の槍を射出する。

 

 しかも目くらましに巨大な氷の槍を出して、その後ろから小規模な氷の弾丸をぶっ放すという二段構え。遠慮がねえ。

 

 それをグラムで一刀両断し、更にジークは背中の腕を展開すると、同時に異空間を展開して巨大な楯とその手に持った。

 

「防具は必要だよね!」

 

 そして弾幕を強引に突破して、ジークは姐さんにグラムを振り下ろす。

 

 それを暴風を生み出して素早く後ろに飛び退ると、姐さんは巨大なメイスを二本も構えて戦闘態勢を取った。

 

「あの、余計なこと言ったのは謝るから少し落ち着いてくれない?」

 

「無理に決まってるじゃないかぁああああ!!!」

 

 姐さん頑張れ!!

 

 そんなことしている間に、曹操も聖槍を構えて、俺達に切っ先を向けていた。

 

「長可。ペト・レスィーヴの警戒を頼む。俺達は余興を楽しませてもらうよ」

 

「そういう遊び心は嫌いじゃねえがな。やり方間違えると痛い目見るぜ?」

 

 そうため息をつきながら、長可はしかし了承する。

 

 そして、鋭い視線をペトがいる方向に向けた。

 

 ……気づいてやがる。こいつ、狙撃に対して敏感すぎやしねえか!?

 

 そして、ジャンヌは木場に、ヘラクレスはゼノヴィアとイリナに突撃を仕掛ける。

 

 クソ。結局奴らの思い通りかよ!!

 

 しかもこの空間は英雄派のお手製だ。八坂姫を連れて脱出しようにも、どうすればいいのかがわからねえ。

 

 普通に考えればゲオルクを倒すのが一番。だがそんなことを英雄派も許さないだろう。とどめに一番頑丈だから、不意打ちで仕掛けても倒す前に邪魔が入る。

 

 どっちにしたって、ここで曹操達を倒さねえ限り意味がねえな、これは!!

 

 迫りくる曹操の攻撃を、俺は素早く弾く。

 

 だが、衝撃で大きく俺の槍も弾かれた。

 

 そしてその隙をついて素早く連撃。

 

 これを魔剣で横から蹴って弾き飛ばす。

 

 そしてその瞬間、槍が回転して石突が叩き込まれる。

 

 迎撃こそ出来なかったが、打突部位にホンダブレードを展開して衝撃吸収。

 

 そして、俺の顔面に曹操の肘が直撃した。

 

 クソが! こいつ、前回の時より強くなってやがる!!

 

 っていうか全然本気出してなかったな!? 野郎、どこまで強くなってる!!

 

 更に追撃が放たれようとした瞬間、曹操はバックステップを行って距離を取る。

 

 そして、俺の目の前の地面が粉砕された。

 

 この攻撃力、イッセーか!

 

「んの野郎! とにかくお前はぶん殴る!!」

 

「無理だね。俺は弱くないよ」

 

 赤龍帝を前にして、しかし曹操は余裕の表情だった。

 

 そして、一瞬で懐に入ると素早くイッセーの懐に槍を突き出す。

 

 ってさせるか!

 

「危ねえイッセー!」

 

「ぐはっ!?」

 

 とっさに蹴り飛ばしてイッセーを槍から離れさせ、即座に迎撃。

 

 近接戦闘だと未だにきついから、魔剣によるコイルガンで牽制する。

 

 むかつくがまだアイツの方が強い。クソムカつくがオリジナルの強みってのを思い知らされたな。

 

 そしてイッセーが復帰して、即座に反撃を開始した。

 

 速攻でドラゴンショットをぶっ放し、曹操がそれを弾き飛ばしている間に俺達は合流する。

 

「どんな勢いで蹴るんだよ!」

 

「スマン勢い!!」

 

 俺達は漫才をしながら、連携で俺達は曹操に仕掛ける。

 

 それを、曹操は的確に回避しながら聖槍で反撃する。

 

 だが甘い。二対一になったことで一気に対処が楽になった。

 

 もろに喰らえば悪魔のイッセーはやばいが、イッセーの左腕はドラゴンだ。悪魔の欠点は通用しない。

 

 それを最大限に活かして、俺達は全力で戦闘を行う。

 

 そして数回続けて、曹操は心底楽しそうに口角を吊り上げる。

 

「いいね! 流石に君達は凄腕だ! ロキを撃退しただけの事はあるじゃないか!!」

 

 その言葉と共に、曹操はイッセーの拳に足を載せて距離を取る。

 

 槍そのものを伸ばして遠距離戦闘を仕掛ける気か? だがそれはもう見た!

 

 遠距離戦なら、マスドライバースティンガーが付開ける。それを考慮すればこっちが有利!!

 

 そして俺達が踏み込んだ瞬間―

 

「モード・バムルンク」

 

 曹操は、ドリルのようなオーラを生み出すと突進を仕掛けてきた。

 




いつから、曹操が移植した神器が一つだけだと錯覚していた?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。