ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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第三章 46 

 

一方その頃、俺はどうしたもんかと思いながらこの戦いを見つつ、避難誘導を行っていた。

 

 避難誘導と言っても、周囲を囲まれている状況で避難もくそもねえ。避難するところがねえ。

 

 上級クラスの火力攻撃が行きかってるから、建物の中に入れても逆に大変な事になる。

 

 とにかく戦闘が集中しているところを見極めて、比較的戦火が届きにくい場所に誘導する事しか出来なかった。

 

 そして最低限それが終わってから、俺は即座に戦闘準備を取る。

 

 ……まだ正体ばらして学園生活を終わらせるのは何なんでな。できれば正体を隠しておきたかった。

 

 と、いうわけでコスプレコーナーを物色して、変装。

 

 とりあえず服を着替えて、髪をスプレーで染めて、とどめに仮面もつけて準備万端。

 

 さあ、どっからでも掛かってこい!!

 

 その瞬間、俺の目の前に巨大なクマの化け物が突貫してくる。

 

 ガールヴィランが用意した使い魔だな。おそらく人工的に作った合成獣だろう。

 

 ふっふっふ。俺をその程度で倒せると思ってもらっては困る。

 

 デカブツだろうと、頭を潰されれば一撃で吹き飛ぶだろう。

 

「一撃必殺! マスドライバー・スティンガー!!」

 

 全力でレールガンをぶちかまし、巨大熊を一発で仕留める。

 

 やっぱり大した事はないな。デカブツなのでそれなりにタフだろうが、これまで戦ってきた敵の中では大した事がねえ部類だ。

 

 この調子で確実に潰して行って……。

 

「いって、てんたっくん!!」

 

 其の声に、俺はとっさに飛び退った。

 

 直後、先端に棘が生えている触手が叩き付けられた。

 

 それを即座に切り落とそうとするが、触手は意外にも素早く移動して、その攻撃をかわしてのけた。

 

 ……そしてその触手を操っている者は……。

 

「貴方の相手は、この触剣魔法少女マジカル♪テンタがやらせてもらうわ!!」

 

 うん、魔法少女っぽいフリルが多いのは良い。

 

 悪堕ちなどと名乗っているから、露出度が多いのも構わない。

 

 だが、少し待とうか。

 

 触手がスカートや服の内側から出てるのはいただけない。それは流石にツッコミどころしかない。

 

「……まさかマ(pi-)に入ってるとか言わないだろうな」

 

「え? に(pi-)やお尻にも入ってる決まってるじゃん」

 

 よし! 頭のおかしい人だ!!

 

 すいません。此処は現実であって断じてエロゲーの世界じゃないんですが!

 

「エロゲの世界に帰れ!!」

 

 俺は渾身のツッコミを叩き込みながら、コイルガンを乱射した。

 

 なんというか近づきたくなかった。勘弁してほしかった。

 

 たぶん近づいて触手の攻撃を喰らったら、英雄として何か大事なものを失ってしまうだろう。それだけは断言できる。

 

 あれは、まともな人間が関わったらいけない類の人物だ。気を付けなければ!

 

「させないもん! 世界中の女の子に、触手を植え付けて触手について語ったり交換したりするのが夢なんだもん!!」

 

「叶うな、そんな夢!!」

 

 俺は渾身のツッコミを再び叩き込んだ。

 

 駄目だ。こいつらカルト宗教とかそんなノリだ。

 

 確実に頭がいかれているタイプだ。何か酷い目にあって精神がぶち壊れているとしか思えねえ。

 

 とりあえず関わり合いになりたくねえけど、どうもこいつかなりできる。

 

 なんとしても俺が相手するしかねえのか。これも、英雄を目指す者として背負わなければならねえカルマってやつなのか。

 

 ええい、やってやらぁ!!

 

 そう思って俺が一歩前に踏み出し―

 

「ぐがぁああああああああ!!!」

 

 突貫した熊を避ける為にお互いに飛び退った。

 

 ええい! 三つ巴の乱戦だと流石に厄介だ。

 

 っていうか、ガールヴィランの連中が本腰入れてきやがった。

 

 このままだと、民間人の被害を押さえる事が不可能じゃねえか!!

 

 くそ、どうすれば―

 

「隙ありなのねん!!」

 

 その瞬間、先端がバチバチスパークしている触手が襲い掛かってきた。

 

 いかん! これはマジで危険だ!!

 

 精神的にも肉体的にもヤバイ。もろに喰らえば本当に命の危険すらあるぞオイ!!

 

 う、うぉおおおお! 何とかかわさなければ―

 

 フルパワーで回避に回ろうとした瞬間―

 

「そうはさせませぇえええん!!」

 

 その言葉とともに、触手の動きが停止した。

 

 見れば、俺達の周囲にたくさんの蝙蝠が浮かんで、その目が赤く輝いている。

 

「ギャスパーか!」

 

「何とか間に合いましたぁ! 潜入成功ですぅ!!」

 

 おお、この事態に気づいてくれたのか。助かったぜ!!

 

「貴方が噂の男の娘ね! あなたも魔法少女になって堕ちましょ?」

 

「いやですぅううううう!!!」

 

 本気で気味悪がりながらも、ギャスパーは追撃の触手を次々と停止させていく。

 

 な、なんという緊急事態なんだ。

 

 日本がいろんな意味でカオスな展開になってきやがった。

 

 っていうかこの一月足らず、日本大変な事に巻き込まれすぎだろ!!

 

 どんだけ大規模な戦闘を連発すりゃ気がすむんだ。トラブル頻発にもほどがあるじゃねえか!!

 

 っていうか、魔法少女イベントを襲う魔法少女撲滅団体と快楽堕ち魔法少女軍団ってなんだこれ。いろんな意味でツッコミどころしかねえ!!

 

 くそ、ヘタレのスパルタ特訓なんかに付き合ってるイッセーが羨ましい。

 

 ちょっと面倒な事になってるなぁと思った事もないでもないが、これに比べたら軽いにもほどがあるじゃねえか!!

 

 もう嫌だ! 俺はものすごく帰りたい!!

 

 誰かぁああああ!!! 助けてくれぇえええええ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その心の叫びに、答える者は確かにいた。

 

 英雄ですら心折れそうになるこの非常事態に、しかし真剣に立ち向かう者達がいる。

 

 それこそが公務員。国民の血税で動く彼らは、それゆえに国民の危機を見逃さない。

 

 そう、コノート組合は確かにこう言ったのだ。

 

 日本政府にも協力を要請した、と。

 

 その瞬間、巨大なクマの顔面に爆発が起きた。

 

 それは致命傷には程遠いが、確かに大打撃を与えて痛痒を与える。

 

 そもそも、この魔獣はそこまで強い存在ではない。

 

 大型ゆえに中級悪魔でもてこずるほどの戦闘能力はあるが、所詮は有象無象の魔法使い達が作った魔獣である、たかが知れている。

 

 ゆえに、通常兵器でもある程度の痛痒を与える事は出来る。

 

 それをなしたのはAH-1コブラ。

 

 自衛隊に配備されている攻撃ヘリ部隊が、一番槍を担当して攻撃を開始する。

 

「おいマジかよ。俺は初めて引き金を引くのは北の連中だとばかり思ってたんだがなぁ」

 

 その先陣を切るヘリのガンナーが、呆れ半分でそう漏らす。

 

 当然だろう。彼らは基本的に対人を想定した組織であり、この攻撃ヘリも人間の軍隊を返り討ちにする為の物である。

 

 それが、まさか―

 

「こんなコスプレ連中と、映画に出てきそうな化物だぜ? 俺は別の意味で引き金が鈍るぜ」

 

「いいから撃て!!」

 

 いつ攻撃されるか気が気でないパイロットの方が、ガンナーに怒鳴り散らした。

 

 既に全武装の使用許可は得ている。ならば遠慮する必要はない。

 

 なにせ、敵は一般市民を標的としたテロリスト。

 

 ヴィクター経済連合からも、遠慮する必要がないというお達しが出ている。

 

 故に遠慮なく対戦車ミサイルを斉射して一撃当てた。

 

 そして、ここからはロケットランチャーでの攻撃に切り替える。

 

 相手の攻撃を警戒しながら、適切に攻撃を叩き込むが、致命傷を与えるのは中々困難である。

 

 しかもこれが初の実戦。色々と混乱する他ない。

 

 だが、しかしこれでいい。

 

「……本部よりヘリ部隊に通達。陽動ご苦労、これより本隊が攻撃を開始する」

 

 その言葉より、自衛隊の真の意味での反撃が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それに真っ先に気づいたのは、ガールヴィランの魔法使いだった。

 

 ビルの隙間を、何かが移動した。

 

 大きさはこちらが運用している魔獣に匹敵する。十メートル強といったところか。

 

 戦闘の轟音の所為で、駆動音が聞こえてこない。つい視線がずれてなければ、こうなっている事はあり得なかった。

 

「気をつけろ! 何か来たぞー」

 

 そう声を張り上げたその瞬間―

 

『―ああ、来たぞテロリスト』

 

 ビルの上から、巨人が舞い降りた。

 

 それは、全身を鋼で包んだ機械の巨人。

 

 それが、巨大なブレードを魔獣に対して振り下ろした。

 

 高さを利用した落下による重量物の一撃に、魔獣が一撃で頭部を断ち切られて絶命する。

 

 それだけで、その巨人の戦闘能力がかなり高い部類であることの証明になった。

 

「ばかな! からくり細工如きに我らが魔法の作成物が―」

 

 狼狽したその瞬間、その視界に銃口が映りこむ。

 

 口径70mmを超える滑空砲が至近距離で火を噴いた。

 




出てきた巨人は、アーム・スレイヴとシルエットナイトを足して二で割った感じでお願いします!!

さあ、馬鹿どもにお仕置きの時間だ!!
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