ハイスクールD×D英雄譚 ロンギヌス・イレギュラーズ   作:グレン×グレン

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今回はちょっと短め


第三章 47

 

「なんだとぉ!?」

 

 ガールヴィラン首魁、ゴーデル・シスターは目を見開いた。

 

 下手なドーインジャーを超えると自負する自分達の魔獣が、文字通り現代兵器に撃破された。

 

 数を揃えてようやく中級と戦える程度と思っていたガラクタに一杯食わされ、ゴーデルは激情にかられる。

 

 そして、その隙を躊躇なくセラフォルーはついた。

 

「隙ありなのよん!!」

 

 一瞬でゴーデルはもちろんのこと、その向こう側にある海面すら凍り付く。

 

 それほどまでの絶対的な氷結の魔力に襲われ、しかしゴーデルは耐え切った。

 

「舐めるな数百歳がぁあああああ!!!」

 

 渾身の力で炎を生み出し、一瞬で凍結した表面を解凍する。

 

 そして、反撃の炎の槍をあえてばらつかせて叩き込む。

 

「卑怯よ!」

 

 それを全弾セラフォルーが迎撃している隙に、ゴーデルはいったん距離を取り、解除してしまった蛇を再召喚する。

 

 直撃では確実に防御されるが、ばらけて打てば回避してしまった場合、確実に周囲に被害が出る。

 

 その精神的な隙をついた、卑劣ではあるが堅実な戦術だった。

 

 そして、そうまでして食い下がるゴーデルの雄姿にガールヴィランの魔法使いや魔女達が、渾身の力で戦意を滾らせる。

 

「そうだ、負けてなるものか!」

 

「ゴーデルさまは奴を倒す為に苦手な炎魔法を魔王クラスにまで極めたのだ!!」

 

 そう、勝つ為に努力をするのは自分達も同じ。

 

 ゴーデルは、凍結系において悪魔最強と言ってもいいセラフォルーに対抗する術を磨いた。だからこそ、ここまで拮抗する事が出来ている。

 

 なら、ここで自分達が足を引っ張るわけにはいかない。なんとしても勝利をつかんで見せる。

 

 その想いが、想定外の強敵に浮足立っていたガールヴィランの統率を取り戻す。

 

 そう、全ては魔法少女という概念を滅ぼす為。魔法使い及び魔女の概念を正しく人々に知って貰う為。

 

 其の為に自分達は結集した。そしてその為に自分達はここにいる。

 

 ヴィクター経済連合という、圧倒的な後ろ盾をあえて捨ててでも、この機会を逃すわけにはいかなかった。

 

 そうだ。これこそが、最大のチャンス。世界最大級の魔法少女の祭典で、我らが怒りを示す。そしてその勢いで魔法少女という概念を生み出した日本のアニメーション会社をことごとく滅ぼし尽くす。

 

 その決意が、彼らを滾らせる。

 

「っていうか数百歳で少女とか名乗ってんじゃねえぇえええええ!!!」

 

「この年増が! 俺達なんぞよりよっぽど歳食ってるじゃねえか!!」

 

「失せろ魔法老女!!」

 

 罵詈雑言という援護射撃で、ゴーデルを援護するのも忘れなかった。

 

「私悪魔だもん! まだまだぴちぴちだもん!」

 

「ぴちぴちってのが既に死語だし。時代が分かるし!!」

 

 口撃という名の援護射撃を受け、ゴーデルは全力で攻撃を叩き込まんと動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその頃、自衛隊の戦闘もまた激化していた。

 

 自衛隊が投入したこの人型兵器こそ、堕天使陣営と共同開発した、対異能用兵器。

 

 局地戦闘用人型機動兵器。02型戦術歩行機『防人1式』。

 

 キョジンキラーを参考にして開発された、人型の戦闘兵器である。

 

 もとより、対異形の戦闘を考慮した場合、龍や巨人などといった大型の生命体との接近戦闘はいずれ起きると推測されていた。

 

 また、それ以外に関してもあのキョジンキラーの性能を参考にした場合、例の人工筋肉の性能は一考の価値がある。

 

 足を持つ兵器の踏破性は非常に高い。こと山岳地帯を多く持つ日本という国のお国柄では、キョジンキラーを参考にした人型兵器の存在には一定の価値がある。

 

 そして、その結果としてこの防人1型が開発された。

 

 市街地及び森林地帯での秘匿性を考慮した結果、サイズこそ10メートル強にまで低下しているが、その分状況対応能力は大幅に向上された。

 

 更に、五代宗家相手に総理大臣命令までして全面協力させた事により、人工筋肉の改良に成功。

 

 馬力や生産性こそ低下したが、燃費を大幅に向上させる事に成功。更に蓄電能力を確保する事によって、兵器としてのバランスを桁違いに上げる事に成功した。

 

 加えて人工神器技術と百鬼家の特性を付与した結果、龍脈からのエネルギー供給を実現。これにより、分隊単位でのインターバルを加える事で、半永久的な戦闘すら可能となった。

 

 それによって開発された、対異形用人型機動兵器、戦術歩行機防人1型。

 

 その性能は、分隊単位なら上級悪魔の足止めすら可能とする機動性と攻撃力を併せ持った兵器となった。

 

「ゴリアテ1よりゴリアテ各機へ! せっかくのお披露目だ! 俺達には勝ちしか許されんぞ!!」

 

『『『『『『『『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』』』』』』』』』

 

 敵大型魔獣に対抗するべく投入された部隊の内、1個中隊が一気に前線での戦闘を開始する。

 

 専用に開発された牽制用の滑空砲で牽制しつつ、ブレードによる近接戦闘で、的確に自らより大きい魔獣達を刈り取っていく。

 

 更に攻撃ヘリや対戦車部隊による攻撃が足止めとなり、魔獣達は一気に動きを取る事が出来なくなっていた。

 

 中には一本背負いを決める強者までおり、その圧倒的な力が魔獣達を殲滅していく。

 

 そして、そんな防人1型部隊に海中から触手が襲い掛かる!!

 

「魔法少女の戦いに、そんな無粋なものはいらないのよん!!」

 

 襲い掛かる触手は、直径1メートルを超える太さを持ち、遠慮なく防人1型を拘束しようとする。

 

 だが、それを許すほど彼らも馬鹿ではない。

 

 軽快に数十メートルの高さと距離を跳躍し、一気に敵の触手から距離を取る。

 

 そして、サイドアーマーからこの手の敵に対抗する為の切り札を取り出した。

 

「試作HEATパイル、起動!!」

 

 再び拘束にかかる触手にあえて接近し、前衛を担当する六機が突進する。

 

 そして、遠慮なく攻撃をかわすとそのパイルを叩き込んだ。

 

 そして全てが爆発し、触手に勢いよく穴を空ける。

 

 断末魔の代わりに悶え振るえる触手から距離を取りつつ、防人一型部隊であるゴリアテ小隊は、戦いになる事を確信した。

 

 対上級クラスの敵に対抗する為に開発された、240mm口径のHEAT弾。

 

 それを射出する兵器を用意するのではなく、近接兵器として運用するHEATパイル。

 

 その威力は、まさしく上級クラスにすら通用する火力だった。

 

「よし! このまま防戦重視で攻撃を再開する!! いいか、誰一人死ぬなよ!!」

 

『『『『『『『『『『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』』』』』』』』』』

 

 そして、魔法少女や魔女やら魔法使いやらその使い魔やらを相手に、人型機動兵器が挑むという前代未聞の激戦は続けられる。

 

 目の前にいる相手は、常識はずれの恰好をしながらも確かに脅威だ。

 

 その戦闘能力は一対一ならたやすく戦車すら蹂躙し、こちらをたやすく屠る敵だったのだろう。

 

 だが、自分達もまたそれに対抗する為に進化して行っている。

 

 その成果をここに見せつけんと、自衛隊員達は一気呵成に躍りかかった。

 




シーグヴァイラ様超歓喜な展開でした。
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